八海山~荒沢岳 一気通貫


個人山行 sue
【日  時】 2021年9月19~20日
【メンバー】 solo
【天  候】 《19日》晴れ時々曇り
       《20日》晴れ
【コ ー ス】 八海山~中ノ岳~兎岳~荒沢岳~銀山平
【時間記録】 《19日》八海山大倉登山口P 5:55 -大崎道分岐8:25~8:35 - 千本檜
            10:00~10:10 - 入道岳11:15~11:35 - 最低鞍部13:40 -
            御月山16:20 - 中ノ岳避難小屋17:45
       《20日》避難小屋5:35 - 中ノ岳5:40 - 兎岳7:50~8:05 - 巻倉山9:15 -
           灰ノ又山10:25~10:40 - 灰吹山11:35 - 荒沢岳12:35~12:55 -
           前嵓13:55 - 登山口15:40 - 銀山平BS 15:55
      



 足腰が立たなくなる前に行っておきたい山、行っておきたいコースというのはいくつかある。その中でも自分にとってこのコースは最上位にランクされるものだった。県内ではこれほど変化に富んだコースはほかにないと思う。
 台風がそれてくれたこの2日間で八海山から荒沢岳・銀山平まで一気に貫き通した。

 
 大倉口の広い駐車場に車を停めて出発する。このコースはあまり歩かれていないのかヤブっぽいところもあった。
 入道岳までは何度も歩いているので問題なく通過する。しかし、その先はもう30年以上歩いていない。登山道も急にか細くなってはっきりしないところもあった。

 登山口から入道岳まで標高差で1500m登ってきて、それからオカメノゾキの最低鞍部まで500m降りて、そしてゴールの中ノ岳避難小屋まで800m登る。この数字だけでも大変なのに入道岳から中ノ岳まではアップダウンが何カ所もあって累積標高はかなりのもの。しかもこのアップダウンにはもれなく鎖が付いてくる。

 荷物をできるだけ軽くしたものの、いつもの日帰り装備とは違う。御月山の登りでは足が止まってしまい何度も休みながらようやくたどり着いた。

 日没が近いので御月山を早々に下り、祓川の冷たい流水で水分補給をして最後の330mの登りにかかる。
 登山道の脇にいっぱい熟していた真っ赤なイチゴを口に含みながら登り、赤い夕陽を背にして小屋に向かうと、大勢の人が小屋の前に出て自分の方を見ている。
 「わ~っ、みんな最終ランナーを迎えに出てきてくれている!」と一瞬感激しかけたが、そんなわけはないのであって、みなさん夕日を見に出ているだけだった。



 〈千本檜から、水無渓谷を挟んで越後駒ヶ岳〉

 

 〈入道岳から右中ノ岳、左奥が荒沢岳。コースは中ノ岳から右方向へ〉



 〈オカメノゾキに向かう稜線〉



 〈中ノ岳への登り返し、手前の雲の中が出雲先付近〉

 
 
 〈日没と同時のゴール〉


 2日目、兎岳までは7月の会山行と同じ道だ。今回も中ノ岳の山頂はガスの中だったが、少し下るとガスもなくなり快晴になった。
 兎岳山頂は360度の大展望だ。ここからこれから行く荒沢岳までの長い長い稜線がうねるように続いている。

 兎岳からしばらくは広い草原の中に道が続く。巻倉山と源蔵山のコルがテント場になっていて「水場5分」の標示があった。
 源蔵山の登りから針葉樹が現れるが展望は良好だ。急なアップダウンはなく、鎖もハシゴもなくゆったりした稜線が続く。道は実によく整備されていて針葉樹林でよく見かける倒木もなかった。
 登山者が少ないということ以外は八海山~中ノ岳のルートと全く対照的だ。
 
 八海山~中ノ岳で会った登山者はゼロ。兎岳~荒沢岳が4人でそのうち2人がトレラン、1名は登山道整備の方だった。ここまできての作業は大変だろう。道の悪いところはなかったか聞かれたが感謝しかない。

 ほとんどが緩やかな稜線でも前日からの疲労の蓄積と気温の上昇で最後の荒沢岳の登りはきつかった。ようやく登りついた山頂にはまだ数名の登山者がいた。天気がいいので大勢登っていたようだ。

 長い鎖場を過ぎて登山口まで下り、さらに銀山平のバス停まで車道を歩くこと15分。2日間の道のりが終わった。


 
 〈兎岳から ハ・ナ・コ〉
 
 
 〈兎岳から荒沢岳に続く稜線。中央の高い山が灰ノ又山〉

 
 〈平ヶ岳、燧ケ岳が案外近い〉

 
 〈灰ノ又山から源蔵山、兎岳方面〉

 
 〈荒沢岳山頂から振り返る。左が灰ノ又、右奥が兎岳、中ノ岳は右端に切れている〉


 バスの発車まで1時間以上あるのでキャンプ場の日帰り温泉に行った。さほど大きくない湯船の中で思いきり手足を伸ばした。ずっと思い続けてきたコースを歩いた満足感も達成感もなく、ただただ疲労感でいっぱいだった。

 銀山平から休日限定1日1便の小型バスで浦佐駅まで1時間。浦佐から大倉の駐車場までタクシーで10分。とっぷりと日も暮れていた。