南アルプスを歩こう②

椹島~赤石岳~荒川中岳~三伏峠


個人山行ku-ninn273
【日  時】2023年9月14日~17日(木~日)
【メンバー】
【山  域】南アルプス
【時間記録】
 <9/14> 松川IC=名古屋=静岡=椹島
 <9/15> 曇り/ガス  椹島3:15 - 赤石小屋8:35 - 赤石岳分岐11:55 -(赤石岳往復)-
            小赤石岳13:25 - 荒川小屋15:00
 <9/16> 晴れ→曇り 荒川小屋5:15 - 荒川中岳/前岳6:50~7:25 - 高山裏小屋9:45 -
            板屋岳11:00 - 小河内岳13:30 - 三伏峠小屋16:20
 <9/17> 晴れ    三伏峠小屋6:00 - 鳥倉登山口8:25 - ゲート8:55 = 松川IC



 登山口と下山口がまったく違うので、移動に丸一日かかった。前夜に新潟を出発。中央道の松川インター近くの駐車場に車を止め、早朝の高速バスで名古屋駅、名古屋駅から新幹線で静岡駅に行き、登山口となる椹島には夕方近くに到着した。数年ぶりに訪れた椹島。懐かしい風景が広がっていた。
 
 椹島と赤石岳の標高差は2千メートル。初日にその先の荒川小屋まで行くので、暗いうちから歩き出す。深い森の中まで明るくなるのは遅く、2時間近くライトの灯りで歩いた。
 赤石小屋までは樹林帯の道で展望はなく、ひたすら登っていく。やっと着いた赤石小屋からはガスの流れの中、赤石岳と聖岳を見ることができた。
 富士見平からは少しトラバース道となるが、あとは登るのみ。水場がある休憩所からはザレ場の急登となり、最後のひと踏ん張りで赤石岳と小赤石岳の分岐に着いた。
 稜線上ガスが次々と湧き、展望は期待できない。赤石岳を空身でピストンし、小赤石岳を越えて400メートルほど標高を下げれば荒川小屋だ。
 
 前日は夜明け前から歩いた。何ともいえぬ閉塞感で息が詰まりそうだったので、2日目は明るくなってから歩き始める。雲が多いながらも晴れの天気。
 荒川中岳まで400メートルを登り返す。すぐに森林限界を越え、ザレ場の急登を登り切ると中岳に着いた。雲が流れ、青空が広がっていく。素晴らしい展望で、ゆっくりとした時間を過ごした。
 荒川前岳からは鋭鋒の縁をトラバース気味に行くが、不明瞭な箇所が多く、はい松をかき分けたりしてカールの中の道に入った。標高差600メートルの北向きのカールに陽が差し込むのは遅く、露に濡れながら急斜面を下る。
 下りきったところから、これまた長いトラバース道となり、高山裏避難小屋に着いた。
 ここから三伏峠までコースタイムで約6時間。今日これまでに出会った人はほんの数人。時間的な焦りもあり、静寂から逃げるように歩く。
 樹林帯の中、小さなアップダウンを繰り返し、森林限界を越えたピークが小河内岳だった。
 小河内岳は開けた山頂、避難小屋もある。深い森から出られて、深呼吸できるよう。三伏峠からピストンする人が多いらしく、にぎやかなアルプスの雰囲気が戻ってきたようだった。
 小河内岳から前河内岳、烏帽子岳を越えて、やっとの思いで三伏峠小屋に着いた。
 
 最終日は下りるだけ。だが、まだ連休中日なので、ほとんどの人たちは暗いうちから動き始めている。ぎゅうぎゅう詰めだったテント場も朝にはほぼ空っぽ状態。
 アルプスもあと1ヶ月もしないうちに山じまいとなる。連休でもあり、山を楽しもうといっせいに動き出したみたいだった。
 鳥倉ルートをゆっくりと下り、林道をゲートまで歩いて、無時下山となった。
 南アルプスの魅力である豪快で明るいピークと静かな深い森。長い道のりからは素晴らしい光景、美しい景色が楽しめた。
 ただ、思っていたより険しく、参考コースタイムでは計り知れないものがあると実感した。やはり南アルスだ。
 

 <椹島。キャンプサイトがコンパクトになったよう>


 <赤石小屋から見た聖岳>


 <富士見平の先、トラバース道からの赤石岳>


 <赤石岳(右奥)と小赤石岳(左手前)>


 <荒川小屋>


 <荒川岳の登りから見た富士山>


 <悪沢岳と中岳避難小屋。荷下げのヘリコプターがピストンしていた。営業小屋だった中岳避難小屋もあと1週間で小屋じまいだ。>


 <塩見岳(右手前)と仙丈ヶ岳(左奥)>


 <赤石岳。デカい。>


 <北側のカールに陽が差し込む>


 <高山裏避難小屋。夏のシーズンには管理人が入り営業小屋となる>


 <塩見岳(右奥)と小河内岳(中央)。三伏峠は小河内岳を越えなくてはならない。遠い…>


 <高山裏小屋から板屋岳を登る途中から振り返った荒川三山。数時間前までいたピークとは思えないくらい、高く、遠い>


 <小河内岳ピーク直下にある避難小屋。この小屋も夏のシーズンには管理人が入り営業小屋となる。開放的なピークでロケーション抜群。水場がないので、運ばなくてはならない。雲間から見えるピークは富士山>


 <三伏峠の小屋とテン場。所狭しとテントが張られていた>