南アルプスを歩こう③

黒戸尾根~甲斐駒ヶ岳~北沢峠~仙丈ヶ岳~地蔵尾根


個人山行ku-ninn274
【日  時】2023年10月6~8日(金~日)
【メンバー】
【山  域】南アルプス
【時間記録】
 <10/6> 晴れ    上諏訪駅 = 小淵沢駅 = 尾白川渓谷8:30 - 笹ノ平10:55 - 刃渡り12:55
           - 五合目14:30 - 七丈小屋15:30
 <10/7> 曇り/晴れ 七丈小屋5:50 - 八合目御来迎場6:50 - 甲斐駒ヶ岳8:10~8:35 - 駒津峰9:20
           - 北沢峠11:50~12:25 - 馬ノ背ヒュッテ15:30
 <10/8> 曇り    馬ノ背ヒュッテ5:00 - 仙丈小屋6:00 - 仙丈ヶ岳6:25 - 地蔵尾根分岐6:40
           - 松峰小屋分岐9:30 - 柏木登山口13:05 - 市野瀬 = 伊那市駅 = 上諏訪駅



 歩いてみたかった地蔵尾根。仙丈ヶ岳から延びる長い尾根だ。深く考えもせずに、どうせなら黒戸尾根を登り、甲斐駒ヶ岳を越えて行くことにした。
 
 上諏訪駅近くの駐車場に車を止め、中央本線で小淵沢駅に、そして黒戸尾根の登山口となる尾白川渓谷に向かう。寒く、途中で見えた甲斐駒ヶ岳は白かった。
 登山口の標高は700メートル。七丈小屋の標高は2400メートルなので、1700メートルの登りとなる。
 登山道は竹字駒ヶ岳神社を通り過ぎ、吊り橋を渡る。深い森の中、つづら折りの登山道が延々と続く。横手口と合流する笹ノ平あたりは傾斜が緩むが、また八丁登りとなる。危険マークが付いている刃渡りは鎖がしっかりと付いているので一安心。
 登山道が下りとなった鞍部が五合目だった。五合目からはこれでもか!とハシゴと鎖場の連続となる。刃渡りより怖い垂直のハシゴもあり、日本三大急登だということを思い出す。
 北沢峠から仙丈ヶ岳に直接登ればよかったと後悔していたら、七丈小屋に着いた。
 
 
  <竹字駒ヶ岳神社>
 
 
  <刃渡り>
 
 
  <五合目。ここからハシゴ段と鎖場が続く>

 
  <垂直のハシゴ。これが一番怖かった>

 
  <展望抜群のテン場。七丈小屋から少し離れている>
 
 甲斐駒ヶ岳山頂へは小屋から600メートルの登り。ハシゴや鎖場もまだ続きそうなので、明るくなってから出発する。
 曇りがちだった空も青空が広がっていく。森林限界を越え視界も開けているので、気分も明るい。山頂からも素晴らしい展望が楽しめた。北沢峠からもどんどん人が登ってきていて、押し寄せてくるという感じ。甲斐駒からは駒津峰、双児山経由で、北沢峠までの標高差1000メートルを駆け下りた。
 北沢峠からはまた馬ノ背ヒュッテまで600メートルを登り返すことになる。こちらは下りてくる人ばかり。「すみません」を繰り返しながら登っていく。
 連休初日の今日、仙流荘のバス乗り場はものすごい混雑で、バス待ちは2~3時間だったそう。

 
  <八合目御来迎場。山頂までもう少し>
  
 
  <鳳凰三山と富士山>
 
 
  <甲斐駒ヶ岳山頂>

 
  <駒津峰から見た甲斐駒ヶ岳>  

 
  <仙丈ヶ岳。高く遠い…>

 最終日は曇天。午後から雨の予報なので、暗いうちから歩き出す。
 仙丈ヶ岳直下から地蔵尾根に入る。黒戸尾根は急で険しい尾根だったが、地蔵尾根は緩やかで長い尾根といった感じだろうか。
 最初はややヤセ尾根のガレ場だったが、樹林帯に入ると歩きやすい道となった。登山地図では破線になっているが、随所に道標があり、道も明瞭だ。針葉樹の明るい森の中、アップダウンを繰り返しながら、少しずつ高度を下げていく。
 松峰小屋の分岐で地蔵尾根の半分をやっと下ったことになる。松峰小屋分岐から2087mピークを越えるとトラバースが多くなる。トラバース道の下に林道?作業道?が並走し始め、少しずつしか高度を下げてくれない。
 こんな感じで麓まで下れるのかと思っていたら、林道に出た。ここからは林道と登山道が入り組んでいて道標に導かれながら柏木登山口めがけて下っていく。さらに柏木登山口からヘアピンカーブの車道を下り、やっと高度を下げ切ったと思える市野瀬集落に着いた。
 仙丈ヶ岳からの距離15キロ、標高差は2200メートルという超ロングコースだった。

 
  <早朝の藪沢カール。仙丈小屋の灯りが見える>
 
 
  <仙丈ヶ岳から見た甲斐駒ヶ岳>
 
 
  <地蔵尾根の道標>
 
 
  <松峰小屋。登山道から少し下った所にある>
 
 

 
  <地蔵尾根。針葉樹林の中、上部は苔むした森で、下部はシダが茂る森>

 
  <突然現れた林道。トラバース道が続く>

 
  <柏木登山口。駐車場に出たかったのだが、集落に出てしまった>
 
 
 
  <冬の兆し。甲斐駒ヶ岳直下で> 

 
  <冬の兆し。藪沢支流で>

 日本海から太平洋まで415㎞を駆け抜けるトランスジャパンレース。市野瀬にもチェックポイントが設けられ、地蔵尾根は南アルプスの入山口となる。
 同じコースを歩いてみたいと、今年は南アルプスを集中的に歩いた。8月の仙塩尾根、9月の荒川岳から三伏峠、そして今回の地蔵尾根。メインルートから外れると静かで誰にも会わない時間も多かった。深い森に続く道は変化に富み、森を抜けピークに上がると雄大な展望が待っていた。
 選手たちが駆け抜けていく南アルプス。自分が歩いた道を選手たちも駆け抜ける。2年に1度開催されるトランスジャパン。来年はレースの年だ。夏が待ち遠しい。