槍ヶ岳(3180m)
個人山行 sue
【日 時】 2024年5月10(金)~11日(土)
【メンバー】 solo
【天 気】 2日間とも快晴
【記 録】《11日》上高地BT 9:35 - 明神10:30~ 10:50 - 徳沢11:40~11:50
- 横尾12:45~13:00 – 槍沢ロッヂ14:40~15:00 - ババ平15:35
《12日》ババ平5:05 - 槍の肩(山頂往復)8:40~10:00 - ババ平10:55~11:45
- 槍沢ロッヂ12:05 - 横尾13:30~13:40 - 徳沢14:35~14:45
- 明神15:35~15:45 - 上高地BT 16:40
《第1日》
連休直後だから空いていると思っていたが、沢渡発上高地行きのバスはほぼ満車。途中のバス停では乗れない人もいた。
乗客はほぼ全員観光客で大きな荷物をもった人は自分のほかに1名のみ。
1日目はババ平まで。急ぐこともないので写真を撮りながらゆっくり行くことにする。
歩き始めてすぐにドドーンとこの景色。
〈説明不要 日本一の山岳風景〉
これを見ただけでも来たかいがあったというもの。
河童橋周辺は平日とは思えないほどの混雑ぶり。それに外国人がとにかく多い。大きな荷物を背負ってゆっくり写真など撮っていられない。
横尾に続く道路も大勢の人が歩いている。そこにサルが出てきて遊んでいる。通行人が相当近づかないと逃げようとしない。
〈明神橋から新緑の梓川〉
明神から徳沢に向かって歩いていると若い外国人女性が私に「Where,Where」と言ってきた。大きな荷を背負ってどこへ行くのか聞かれたと思い「Yarigatake」と言うと、そのまま行ってしまった。
すぐ後ろからやってきた日本人男性が「クマがいた」と教えてくれた。あっ、そうか。WhereではなくてBearだった。
それにしても、サルといい、クマといい人間を恐れない。
〈徳沢付近から前穂高岳方面〉
徳沢を過ぎると極端に人の数が少なくなる。観光客はほとんどが徳沢までのようだ。
現在、新村橋が架け替え工事中で横尾へ行くには梓川右岸の工事用道路を迂回する。
〈横尾は人影もまばら〉
横尾の先、一ノ俣谷の手前の槍見河原で初めて槍ヶ岳が見える。木の間越しに小さく見える。遠い。
〈次に槍ヶ岳が見えるのはずっと先〉
上高地からはずっと平坦な道を歩いてきたけれど槍見河原の先あたりから傾斜が出てきた。登山道はしっかり整備されているが、重荷がボディーブローのようにきいてきてもうクタクタである。
おまけにザックに付けたスキーの先端が木の枝に引っかかって歩きにくい。木の枝よりも心のほうが折れそう。
〈槍沢ロッヂ〉
やっと着いた槍沢ロッヂでテント場代2000円を払う。この先テント場のババ平まではさらに40分だ。ババ平が近くなってようやく雪が出てきたが、さらに歩きにくくなった。
初日は楽勝のはずだったのにヘトヘトになってババ平にたどり着いた。明日は今来た道をまた重荷を背負って下らなければならない。これからの槍ヶ岳までのルートよりも帰り道の方が気になった。
《第2日》
ババ平の宿泊者はほかに単独行が1名のみ。この人は下山の日なのでゆっくりしている。
不要な荷物をデポして出発。長丁場なので早立ちするつもりでいたものの前日の疲れもあってか5時を回ってしまった。もう東鎌尾根には日があたりはじめている。
〈ババ平から先はずっと雪が続く〉
この時期としては雪は少ないようだ。今年の夏も水不足?
雪渓上にはずっと赤布が付けられていて、水流が出ているところもあるが心配ない。
〈大曲を過ぎたあたりからの槍沢〉
槍ヶ岳へは写真の右側に入って行く。
〈槍沢上部 標高2400m付近で撮影〉
広大な雪の斜面が続く。
〈槍沢上部 標高2600m付近で撮影〉
このあたりまで来てようやく槍ヶ岳がふたたび姿を見せる。
歩いても歩いても風景が変わらず槍ヶ岳が近くならない。
〈槍の肩への最後の壁〉
傾斜がきつくてスキーを外して担いで登る。
この写真に写っている若者は、この後大喰岳カールを滑り、横尾尾根を登り返し、横尾本谷を滑り降りるといっていた。自分は槍沢を戻るので精一杯。若いって素晴らしい。
〈槍の肩から槍の穂先〉
山頂へのルート上には氷結した雪が少し残っていた。でもまあアイゼンなくても何とかなるレベル。雪に埋もれたクサリも1カ所のみ。ただ、スキーブーツではちょっと辛い。
〈槍ヶ岳山頂〉
何人か登っていたけれどほぼ貸し切り状態。
雲一つない快晴。360度の大展望。
〈双六、三俣蓮華、薬師方面〉
〈穂高に続く稜線とその先に乗鞍岳〉
〈槍ヶ岳山荘と笠ヶ岳、遠く白山〉
〈富士山と南ア北部〉
〈槍の肩から槍沢を望む〉
槍沢の登りと槍のピストンで疲れた足を回復させて、
さあ、これから行きますよ~♡
〈大喰岳、中岳〉
槍沢上部の雪渓は雪崩のデブリや落石がなくとてもきれい。
〈ババ平から槍沢上流方向〉
ババ平に戻り荷物をまとめる。これからはお楽しみのあとの苦行。
ババ平を出てまもなく、スキーを背負った二人の若者が登ってきた。これからババ平にテントを張って、それから、明日は天気が悪そうなので今日のうちに槍まで行ってくるという。
もうお昼だよ。
頑張りまーす。と言って登って行った。
若いって素晴らしい。
槍沢ロッヂでバス時刻を確認する。最終バスには間に合いそうだ。
でも横尾でゆっくりビール飲んでいる余裕はなさそうなので自販機を横目に先を急ぐ。あと10㎞。
〈横尾と徳沢の間の梓川はほとんど工事現場。今日は休日で作業は休みのよう〉
横尾から徳沢までの間で会ったのは3人のみ。しかし、徳沢園まで来ると大勢の観光客でにぎわっていた。
〈徳沢園のテント〉
道路脇のニリンソウは小梨平から横尾のしばらく先までずっと続いている。明神~徳沢間で特に多いようだ。西に傾いた日差しを受けて昨日行くときよりも輝いていた。
〈こんなニリンソウがあちこちに〉
上高地に着くと河童橋周辺はまだまだ人が多かった。心配していた沢渡行きのバスも定時運行ではなく、シャトル運行になっていてひっきりなしに乗客を運んでいた。
〈穂高よさらば〉
今回は本当に疲れた。帰宅してビールを飲みながら、多くの観光客の中で重いスキーを背負ってヨロヨロ歩く自分の姿を想像して苦笑した。