南アルプスを歩こう④

北沢峠~仙丈ヶ岳~(仙塩尾根)~塩見岳~三伏峠


個人山行 ku-ninn276
【日  時】2024年8月11~14日(お盆)
【メンバー】
【天  候】記録時間参照
【山  域】南アルプス
【時間記録】<8/11>晴れ/曇り  上諏訪駅 = 伊那北駅 = 北沢峠11:40 - 馬ノ背ヒュッテ14:50
      <8/12>晴れ/ガス  馬の背ヒュッテ3:50 - 仙丈ヶ岳5:20 - 大仙丈ヶ岳5:55 - 高望池
                8:20 - 野呂川越10:05 - 三峰岳13:45 - 熊ノ平小屋15:00
      <8/13>晴れ→雨  熊ノ平小屋4:30 - 小岩峰6:05 - 北荒川岳7:50 - 塩見岳10:50
                塩見小屋12:10 - 三伏峠小屋15 :45
      <8/14>晴れ    三伏峠小屋5:50 - 鳥倉登山口8:00 = 伊那大島駅 = 上諏訪駅



 南アルプス仙丈ヶ岳と塩見岳をつなぐ仙塩尾根、全長40km近くある長大な尾根だ。これまでに塩見岳から三峰岳、三峰岳から仙丈ヶ岳と2回に分けて、どちらも2泊で歩いたことがあった。今回は仙丈ヶ岳から塩見岳に向けていっきに歩くことにした。
 
 初日は馬ノ背ヒュッテまでなので、仙流荘発10時05分発のバスに乗った。今年も北沢峠~広河原間のバスが運行されていないので、早朝のバスはそうとう混んだらしい。
 北沢峠でお昼休憩をして歩き出す。下山してくる人たちに道を譲ってもらいながら、樹林帯の中の道をひたすら登っていく。陽がまだ高いうちにヒュッテに着くことができた。

 2日目は暗いうちに歩き出す。雲が多かった空も仙丈ヶ岳山頂では快晴となっていた。
 仙塩尾根は仙丈ヶ岳と塩見岳をつなぐ南北に連なる尾根、仙丈ヶ岳からは南下しながらいくつものピークを越えていく。大仙丈ヶ岳直下はザレた急斜面、樹林帯に入ると歩きやすい道となる。伊那荒倉岳、横川岳と標高を下げていき、鞍部となる両俣小屋分岐の野呂川越の標高は2290m。ここから三峰岳までは700メートルの登りとなる。

 展望のない樹林帯の中の登りが延々と続く。やっとの思いで着いた三峰岳。見晴らしは良いはずなのに、悲しいことに重いガスの中で視界はゼロ。そして700メートル登ったと思ったら、小屋までは500メートル下らなくてはならない。
 仙塩尾根の山深い森の中に建っている熊ノ平小屋。長い縦走路の中で頼もしくもあり、心に安らぎを与えてくれるオアシス的な存在の小屋だ。小屋番さんも良い人だった。
 
 3日目は明るくなってから歩き出す。少しずつ標高を上げ、展望が良い小岩峰を過ぎると森林限界を越える。北荒川岳からの展望は素晴らしいの一言で、歓声を上げてしまった。
 天気は快晴。たおやかな稜線が続く向こうにピラミダルな山容の塩見岳がドドンとそびえ立っている。振り返ると自分が歩いてきた仙塩尾根も連なっていた。塩見岳は目の前にそびえ立っているが、仙丈ヶ岳は果てしなく遠くに見えた。
 
 北荒川岳からはまず針葉樹が点在する草地を行く。天上の楽園を歩いているよう。徐々に傾斜が増していき、塩見岳の手前、北俣岳直下はザレ場の急斜面となる。
 このあたりからガスが湧き始め、塩見岳山頂はガスで真っ白となってしまった。展望を楽しむこともできないので、小休止で山頂を後にした。
 
 岩稜帯を下り塩見小屋まで来ると雨が降ってきた。雨脚が強くなる中、三伏峠に下る。下山なのだから楽に違いない、という思いは間違いだった。標高が塩見小屋2760m、三伏峠2580mなので、200メートルも違わないのだ。
 コースタイムは3時間。塩見小屋と本谷山の直下が急斜面の下りだっただけで、あとは登りばっかりだったような気がする。三伏峠小屋に着く頃には雨も上がっていた。
 
 最終日は下るだけ。ゆっくりと朝を過ごし、ゆっくりと鳥倉口に下山、鳥倉口9時15分発のバスに乗った。中央本線で伊那大島駅から岡谷駅、上諏訪駅と戻ったのだが、ものすごい人で混雑状態。お盆だということを思い出した。
 
 今年はトランスジャパンアルプスレース(TJAR)の年だった。2年に1度の開催で、日本海から太平洋まで北・中央・南アルプスを縦断、約415キロメートルを8日間で走破するレースだ。
 レースの年なので関心のある人が多く、道行く人や小屋で一緒になった人とTJARの話で盛り上がった。今年は日程的に選手たちとは遭遇できなかったが、今回歩いた仙塩尾根ももちろんTJARのコースとなっている。三伏峠はチェックポイントでもあった。
 自己責任、自己完結が理念のこのレース。選手たちはみな爽やかで山を楽しんでいるよう。そんな選手たちと同じルートを歩きたい、同じ景色を見たいと、アルプス通いが続いていく。

 
 <藪沢から見た甲斐駒ヶ岳>
  
 
 <大仙丈ヶ岳からの仙丈ヶ岳>
 
 
 <仙塩尾根を振り返って見た大仙丈ヶ岳>

 
 <仙塩尾根を振り返る。左が大仙丈ヶ岳、右が仙丈ヶ岳>

 
 <仙塩尾根。針葉樹林帯の中の道が続く>
 
 
 <奥の鋭鋒が三峰岳。この登りがつらかった>
 
 
 <仙塩尾根を振り返る。間ノ岳と農鳥岳>
 
 
 <北荒川岳。塩見岳の絶好の展望台となっている>
  
 
 <振り返って見た仙丈ヶ岳。遠い…。>
 
 
 <北荒川岳を振り返る>
 
 
 <塩見岳>
 
 
 <天上の楽園〟を歩く。右奥が塩見岳>
 
 
 <北俣岳から見た2920mピーク>
 
 
 <塩見岳。手前が西峰、奥が東峰>
 
 
 <トランスジャパンのチェックポイント>
 
 
 <マルバダケブキ>