博士山(大岐沢途中敗退)

個人山行(なんちゃってテレマーク)

【日時】202031日(日)

【メンバー】M&T(悠峰山の会山スキー突撃隊),NSD&AN型山岳会)

【天候】 風雪

【山域】 会津

【地形図】 博士山

【実録時間】 境ノ沢先(標高735m)8:51 − 標高820m9:12    標高940m 林道9:26    標高1170m林道11:29  <昼>  12:24    標高820m14:12    境ノ沢先14:20


博士山は古くはイザナギイザナミの二神が祀られたこともある古の山である.

煩悩を振り払い,心静かに登る山である.

先週のジャクズレガッチでは,それなりに雪があった.

雪があったことに味を占め,助平根性丸出しで今週は博士山に突撃である.

心静かに登ろう.

 

大岐沢からのコースは,山スキーを始めたころに何度か登っている.

登っているが,林道歩きや途中の杉林などから久しく登っていない.

なんと15年ぶりに登る.

 

林道の入り口がちょうど2台の車が駐車できるように除雪してある.

今日は雪も降らないし,邪魔になることはないと思われるので,ありがたく駐車させてもらう.


【大岐沢取付き】

標高830mの橋までおよそ20分だ.

雪は予想よりかなり少ない.

このまま林道を進むか大いに悩む.

悩んだが,基本的に林道歩きは登山という気分にならない.

ここは,林道から離れて杉林に向かう.


【標高830m橋から登る杉林】

林道から離れてすぐに小沢で雪が切れている.

ここは大股を広げてスキーを外さずに通過する.

先が思いやられる.

久しぶりのルートであるが,雪が異様に少ない.

その後,この辺りは伐採されたようで記憶とだいぶ違う.

だいぶ違うが,どこを見ても藪である.

しかもでこぼこがある.

切り株や倒木を避けながら,以前登った沢なりに登る.


【伐採跡】

藪の薄いところをさまよいながら,ようやく標高940m付近の見覚えのある平坦地に出る.


【標高940m平坦地】

これまでは,平坦地先の尾根には左側から緩やかに登って1011m標高点のある尾根に乗っていた.

本日もそのルート取りをしようとしたが,藪が濃すぎる!

ここは,杉林の急斜面を突破である.

藪をかき分け,枝を掴みながら登る.

雪も少なく,すぐに地面が出る.

これは,もはや藪スキーでは言えない.

スキーを履いて藪漕ぎをしている!

せめてもの救いは,クモの巣がないくらいか.

しかも,ビンディングのリリースレバーが藪に引っかかって,何回も靴が板から外れる.

フリーライドは雪が下駄になって粉にも向いてないが,藪漕ぎにも向いていない!

当たり前か.


【標高1000m付近】

尾根に乗っても藪は続くが,少しは雪が付いているせいか,まあ何とか歩ける.

歩けるが,もはやここで引き返すわけにはいかない.

とても,この藪を滑って帰ることはできない.

エスケープルートの林道までは何とか登らなければならない.


1011m標高点先の杉林】

1011m標高点は,いつの間にか南側を巻いて通過する.

杉林に入ると,藪はそれほどでもなくなる.

このあたりで,琵琶首からのルートと合流する.

1050m付近で南側に林道が走っているが,歩きながら見ても道型が分からない.

ここは,もう少し登って1170mで横切る林道に出ることにする.


【標高1050m付近】

標高1050m付近で杉林は終わり,ブナ林が広がる.

雪が多ければ藪も消えて綺麗だが,ここでも藪が目立つ.

しかも風による段差も次々と現れる.

ルート取りも大変だ.


【標高1100m付近】


【標高1140m付近】

ようやく1170mで横切る林道に出た.

やれやれである.

当然本日はここまで,真四角のテーブルをセットし,昼の憩いに突入である.

風もなくフライなしで寛ぐ.


1170m林道】

後は林道をゆるゆると滑って帰るだけ,とはいかなかった.

この林道も,灌木が立派に育っている.

もはや藪である.


【林道の様子】


【林道の様子】

藪をかき分け,かき分け滑る.

枝が容赦なくあたる.

ヘルメットだけでは足りない!

フェースガードが必要だ.


【雪切れ】

標高990mのところで雪が切れている.

ここは,板を外さず何とか通過する.

この下に地形図にはない砂防ダムができている.

水流による雪切れがいくつもできていて,標高950m付近の林道の道型がはっきりしない.

沢沿いに滑っていきたくなる衝動を理性で抑え,なんとか林道を外さずに下る.


【標高970m付近】


【標高920m付近】

標高890m付近で,とうとうとても越せない小沢が出ている.

なんとか板を外さずに渡れるところがないかといったり来たりするが,無駄な労力であった.

結局渡渉である.

林道で渡渉である.

もはや,これは林道とは言えない.

廃道である!

それでも,この後は道型もはっきりし,邪魔な枝も無くなりようやく「林道」となる.

標高830mの橋で登ったトレースと再会し,推進滑降でようやく取付きに戻る.

 

普通,林道に出れば一応登山は終わった気分である.

やれやれ今日も終わったなと思う.

だらだら滑るのはなんだかなとも思う.

だから林道は,とも思う.

しかし!

本日は登りの藪漕ぎも強力であったが,林道滑りも十分足ごたえがあった.

足ごたえどころか顔に当たった枝で傷までできた.

顔ごたえもあった.

血を流しながら滑るのだ.

終いにはタラの木のとげとげ攻撃も待っていた.

藪から棒ならまだしも藪からタラの木だけは勘弁してもらいたい!

 

いにしえの博士山は,よこしまな煩悩者には手厳しいのである.