黒倉山(ハイカー山を滑る)

個人山行  山スキー突撃隊

【日時】202037日(土)

【メンバー】MY(悠峰山スキー突撃隊)

【天候】晴れ

【山域】関田山塊

【地形図】野沢温泉

【実録時間】温井(標高550m7:31 − 田茂木池(標高660m8:05    777m標高点付近 8:25    1220m鞍部 9:43    山頂1242m  9:48 <給食の時間>  10:53    田茂木池(標高660m11:33    温井取付き 11:45 


 


木曜日から金曜日に山では雪が降ったようだ.

今シーズン最後の粉だろう.

土曜日は確実に晴れそうだ.

突撃先を考える.

阿寺山にしようと思ったが,どうやら藪らしい.

先週の博士山が脳裏をよぎる.

2週連続で修業をしている場合ではない.

 

急きょ前夜になって雪がありそうな鍋倉山近辺に変更する.

雪はありそうであるが,鍋倉山は向かいの野沢温泉スキー場よりも人がいそうである.

今年は特に,雪を求めて人がいっそういそうである.

ここは,鍋倉山の隣の黒倉山にしてみよう.

鍋倉山の隣にひっそりとたたずむ黒倉山であれば,少しは静かだろう.

黒倉山に突撃である.

しかし,はたして温井に車を停めることができるのだろうか.


【温井の駐車風景】

ということで,久しぶりに早起きし,温井に到着すると,取付きからはるか下まですでに車でいっぱいである.

それでも,何とか最後尾に駐車して取り付きまでスキーを担いでアスファルトの路面を歩く.


【取付き】

取り付きでは,大勢が支度をしている.

やはり,本日は黒倉山にしなければならない.

鍋倉山で濃厚接触をしてはいられない.

 

田んぼの段差はいささか大きいように見えるが雪は十分ありそうだ.

ようやく藪と格闘をしないで済みそうだ.

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【田茂木池付近】

田茂木池先の最後の建物までは開墾地を歩く.

最後の建物の上を走る県道上越飯山線を越えるとようやく山登りの気分となる.

これまでのところ,雪は相当少ないようであるが,全く問題はない.

固く締まった雪にうっすらと新しい雪が載っている.


【県道上越飯山線】

田茂木池先の県道への急登をクリアして県道に出ると,もう一段のショートカットは小雪のせいか皆さん県道を辿っている.

当然,我々も藪を避け,道なりにぐるっと回って広い台地に上がる.

ここまで来ると,鍋倉山に続く尾根が目の前だ.


777m標高点付近】

わずかなアップダウンを繰り返し,777m標高点付近で休憩する.

前後に鍋倉山に向かう登山者が途切れない.

思い思いに鍋倉山に続く尾根に取り付いている.

ここまでくれば,どこでも登り放題である.


【標高870m付近】

標高950m付近で鍋倉山に向かう登山者のトレースと分かれる.

我々はそのまま,黒倉山に続く尾根に向かう予定であったが,鍋倉山と黒倉山の鞍部に向かうと思われるトレースが綺麗についている.

我々はトレースに弱いのである.

誘われるままにトレースを自然になぞるのである.


【鍋倉山と黒倉山の鞍部に向かうトレース:標高900m付近】

ここまで来ると,当初向かう予定であった尾根に乗るにには,結構深い沢を越さないといけない.

ここは,トレースなりに鞍部を目指すのがいいようだ.

このあたりから立派なブナが次々と出てくる.

しばらく続くトラバースもブナに癒されながら登れば,どうということはない.


【標高940m付近】


【標高1000m付近】

標高1000m付近で鍋倉山と黒倉山を分ける沢がはっきりしなくなり,トラバースから解放される.

周りはブナだらけである.

青空に霧氷が付いたブナが映える.


【標高1070m付近:鍋倉山側3D


【標高1140m付近】


1150m付近:黒倉山側】

鍋倉山側,黒倉山側どちらの斜面にもブナが広がっている.

藪はない.

博士山のような藪はない.

今年のような小雪でも,ここには十分な雪があったのである.


【鞍部直下】


【鞍部の様子】

鍋倉山と黒倉山の最低鞍部は意外と開けている.

尾根直下でも,それなりのブナがある.

霧氷がキラキラ輝いている.

風もないようだ.

 

ここまで辿ってきたトレースは,当然鍋倉山に向かうと思っていたら,我々が目指す黒倉山に向かっている.

結局,黒倉山に向かって全く無駄なくトレースされていた.

やや黒倉山寄りの鞍部尾根に出ると,霧氷の付いた灌木帯だ.

霧氷のパラパラ攻撃を避けながら,灌木を縫ってゆるゆると山頂に向かう.


【鞍部尾根】

ほどなく黒倉山山頂に至る.

そのトレースは更に関田峠の方に向かっている.

なんと山頂は我々だけである.


【山頂】


【妙高山,火打山】


【菱ケ岳と関田山脈】

山頂は鍋倉山と違い,灌木が邪魔で,妙高側の視界が利かない.

地形図に黒倉山と書いてなければ,誰も山だとは思わないだろう.

遠くから見ても鍋倉山は分かるが,黒倉山は気が付かない.

単なる鍋倉山から関田峠に続く尾根の一角である.

単なる一角のおかげで,静かな山でもある.

鍋倉山のようにドローンを飛ばす人ももちろんいない.

 

少し新潟県側に下って火打山,妙高山を眺めながら昼の憩いとする.

結局,山頂にいる間,スノーシューの登山者1名のみが黒倉山に来たようである.


【霧氷咲くブナ】

帰りは,登路を使わず,黒倉山トップからそのまま滑り降りる.

時間も早かったので,粉っぽい雪が固く締まった雪に載っていて結構滑る.

ところどころガリっぽいところももあるので,少しは慎重に滑る.

慎重に滑るが,なかなかに楽しい.


【標高900m付近の鍋倉山と黒倉山を分ける沢】

そのまま,県道まで真っ直ぐに黒倉山の尾根を滑る予定であったが,楽しい斜面を選んで滑っているうちに,鍋倉山と黒倉山を分ける沢にはまり込んで,結局標高900m付近で登りの平坦斜面と合流する.

 

去年の鍋倉山でも,ついつい沢にはまり込んで苦労したことを忘れている.

すっかり去年のことを忘れて,再び沢にはまり込む.

これを人はボケているという.

人は年を取ると自然にボケるのである.

人はボケると自然にハイカイもする.

ハイカイをしてついつい沢に自然とはまる.

これを人はハイカーという.

山スキーもするが,ハイカーでもあるのだ.


【県道上越飯山線の除雪状況】

最後の建物上の県道に至ると景色が変わっている.

なんと!登るときにはばっちり雪が付いていた県道が飯山市機動除雪隊により綺麗に除雪されていたのである.

ひと月も前から除雪していたかのようにきっぱりと除雪されている.

ついでにアスファルトまで削ったかのように除雪されている.

いくら小雪とはいえ,除雪が少々早過ぎるのではないだろうか.

飯山市の家族連れが関田峠を越えて海水浴に行くにはまだ早いような気がする.

 

それはともかく,本日は狙い通り好天と藪なしスキーを楽しめた.

粉とまでは言えないが,おそらく今シーズン最後の新雪にもありつけた.

まあまあ静かな山も楽しめた.

しかし,ハイカーはすぐに博士山の教訓をすっかり忘れ,またまたどこかの藪山をスキーでハイカイするのである.