万 助 道 〜 鳥 海 山

会山行ku-ninn12
【日時】200610月8・9日(日・祝)
【メンバー】2
【天候】曇り一時雨
【山域】鳥海山
【地形図】
【時間記録】
10/8>一ノ滝駐車場11:07 − 渡戸12:28 − 尾根渡り13:1213:18 − 万助小屋14:10
10/9>万助小屋6:20 − 仙人平7:40 − 鳥海湖分岐8:08 − 七五三掛8:57 − 文殊岳分岐9:30 − 河原宿10:35 − 千畳ケ原11:52 − 仙人平12:1512:29 − 万助小屋13:27~13:55 − 渡戸14:55 − 一ノ滝駐車場15:50


鳥海山の大きさを改めて実感した山行であった。天気には恵まれなかったが、快適な万助小屋、黄金色の千畳ケ原と十分に楽しめた山行であった。 連休には台風はとっくに通り過ぎているはずだったのだが、後半にならないと晴天は望めそうになくなってしまっていた。新潟からの道中も時雨模様で、強風も収まらず、日本海は高波がうねっていた。

一ノ滝駐車場に車を止め、傘を差して歩き出す。天気は雨が降ったり止んだりの時雨模様が収まらない。朝刊には北アルプスの遭難事故が報道されていた。発達した台風並みの低気圧ですさまじい荒天となったらしい。私たちはというと、今日は万助小屋までと森林限界より大分下なので心配もない。この万助小屋、「東北の避難小屋ガイド」で四ツ星が付けられている小屋なのだ。

 道中はブナ林なのだが、海に近い山なのか厳しい気象条件からなのか、いびつなブナが目立つ。天気のせいもあるが、暗い林に感じてしまう。それでも緩やかな林の中、ナラタケやブナハリを採りながら、ゆっくりと小屋まで歩く。

 かわいらしい小屋であった。先客がいるらしく、焚き火の匂いがする。横浜から来たという単独行の男性は、荒天で停滞していたそうだ。二階建ての小屋は引水してある炊事場、薪ストーブ、トイレなど、設備は整っている。最近付け替えられた入り口ドアや、つや光りした床は手入れのよさが表れているようだ。やはり素晴らしい四ツ星小屋であった。ましてストーブがあって助かった。

湿ったものを乾かしながら温まっていると、山形パーティー4人が到着し、宿泊は7人となる。外は相変わらず時雨模様であったが、私たちは関係なく盛り上がっていた。山形パーティーの手作り燻製チーズ、山形牛の焼肉は絶品だった。夜は夏用シュラフなので心配だったが、暖かで熟睡できた。

翌日も曇天、時々雨が通り過ぎていく。風も上に行くにつれ強くなっていく。主稜線に出た御田ケ原でものすごい風にあおられ、びっくり。行けるところまでまず行ければと思い歩いたが、御田ケ原は峠になっているので風が走るのだろうか、火口壁はそれほどでもなかった。文殊岳あたりには新雪の跡が残っている。強風の中、見晴らしも利かないので文殊岳の手前のトラバース道に入り、アザミ坂へと抜けた。連休の紅葉真っ盛りの100名山、だが、ほんの数人にしか会っていない。

天気は河原宿小屋が見えるあたりから速度を増して回復してきた。幸治郎沢を下り月山沢を渡ると、千畳ケ原となる。黄金色のじゅうたんが広がっていた。緩やかな起伏の台地に広がっていた。こんなに見事な草紅葉を見るのはいつ以来だろうか。これが青空だったら…と思ったが、流れるガスの中でもこんなに美しく雄大な草紅葉が見られたのだから、まあ、いいか!!と、輝く台地を行く。

万助小屋まで一回りをほとんど休みなく歩き、7時間ちょっと。やはり鳥海山は大きい。小屋に近付いたところで、青空が広がり始めてきた。帰りは天気のせいもあるが、同じ森でも明るく美しい森に感じた。行動時間、9時間30分。休んだのは1時間もないだろう。歩きっぱなしの一日であった。

車に乗り振り返ると全容が現れていた。山頂あたりが白くなっていたので、初冠雪だよ!なんて話していたら、やはりニュースでその旨が流れていた。この連休、北アルプスでは遭難事故が相次いだらしい。秋と冬の境目の時季。秋の美しさと冬の恐ろしさが合い成している時季でもある。

<千畳ケ原を行く>

 <万助小屋>