御前ケ遊窟、井戸小屋山

個人山行  oza1
【日時】 2006年11月23日(木)祝日
【メンバー】 単独
【天候】 曇り
【山域】 会越県境
【コース】 登り-シジミ沢コース、下り-ソウケエ新道

【地形図 2.5万】 安座
コースタイム
 駐車場発 8:15 – ソウケエ新道分岐8::50 – シジミ沢出合い9:45 – 御前ケ遊窟11:35 – 山頂着 11:55 発12:05 – 井戸小屋山 12:25 – ソウケエ尾根着13:00、発13:20 –駐車場14:45


今年の秋に是非登りたいと考えていた上川村の御神楽岳と御前ケ遊窟。御神楽岳は先月栄太郎新道から登ったので、あとは御前ケ遊窟に登りたいと考えていたが、なかなか予定がとれないでいた。又、11月も半ばなると天気も不安定となっていて冷たい雨の日も多く、何とか雪の降る前と思っていたところ、23日の祝日が天気予報も曇りとなったので行くことにした。朝6時半に家を出て磐越高速に乗る。そういえば先月の御神楽岳以来、用事はさまざまだが、6週連続でこの高速を使っている。同じ場所の紅葉の変化がよく判る。津川のコンビニで食料を調達し上川村役場を過ぎた交差点を左折、柴倉川沿いの道路をかみかわふれあいの森方面に向かう。わらび園を過ぎるとまもなく登山口だ。予想通り車は一台もなく、寂しく不気味な感じは否めない。出発の準備を整える。万一岩場を降りることができなくなった場合を考えて、懸垂下降用にロープやエイト環などもザックに詰め込んだ。最初ミドルカットのトレッキングシューズを履いて歩き出したが、前日の雨で道がぬかるんでいて、だめだと思い車に引き返し普通の登山靴に履き替えた。だがしばらく行くと今度は沢の渡渉があり、しかも水量も多い。長靴だったかあ?と思ったが二度も引き返すのはいやだったので強引に渡る。幸い靴の浸水は少しで済んだ。沢沿いの道をソウケエ新道の分岐を越え更に行く。かなり歩いたなあと思う頃、やっとシジミ沢出合い(とはいっても藪沢で見えない)に着いた。その後は赤テープを追いかけながら登って行くが、藪沢である上、岩にはヌル苔がついていて登山靴はツルツルすべってなかなかきびしい。張ってあるロープや潅木につかまりながら藪を抜けると今度は濡れたスラブで左岸には緑の苔が付いている。潅木やロープに捕まりながら登っていく。

<シジミ沢スラブ>

やめようかと何度も思ったが、途中まで登ってしまうと下るのも勇気がいる。ルートもわかりにくい場所があり、テープやペンキなども見失うことも多く、途中違う場所に二度迷いこんだ。滑落の危険のある緊張感が上部まで続き、体力、気力とも消耗する。山頂の岩峰群の直下にくると岩をくり抜いたような洞窟があり、ここが御前ケ遊窟だと納得する。


<御前ケ遊窟>           <御前ケ遊窟山頂>

山頂への矢印があったので目の前の岩場を直登するとだんだん厳しい状況になってきた。後戻りすることもできなくなり、やばいと思いながらも登るしかなかった。潅木とヒメコマツのある尾根に出たときはほっとした。本来のルートは左のほうから回りこむようになっていた。そのまま尾根を辿り山頂まで行く。山頂は展望がよかったが先ほどの岩場の怖さが残り、楽しむ余裕もなく、ビールも飲む気になれなかった。

<山頂からソウケエ新道の尾根>

そうそうに切り上げ井戸小屋山に向かう。藪っぽい痩せ尾根で岩場もあったが20分位で山頂だった。こちらの山頂は三角点があるが木々で囲まれて展望はあまり良くない。丸く刈り払われていて宴会などをするには丁度良いスペースなのだろうが、帰りのことを考えるとするべきではないだろう。



<井戸小屋山>            <井戸小屋山の山頂三角点>

ここでも昼食を取る気になれず下りのソウケエ新道の尾根に出てから食べようと思いすぐに引き返す。御前ケ遊窟までは慎重にルートをみて下った。そのまま下りソウケエ新道への分岐を過ぎると尾根に向かっての登りとなる。この登りもロープと潅木に頼る気の抜けない道だ。尾根にでてやっと昼休憩を取った。缶ビールが縮んだ胃袋に染み渡った。ほっとしたせいか急に空腹感を感じ、カップメンやおにぎりをがつがつ食べる。ここからはもう安心だと思ったが、下っていくと何箇所かある岩場は、鎖はついているが殆ど垂直に近く、ぶらさがって降りるという感じだった。尾根から降り、沢を渡渉すると今度は完全に中まで浸水したが、あと少しなので気にせず歩く。なかなか面白い山だが危険な場所も多いので人に勧めたり、誘ったりするのは慎重にしたほうがいいだろう