火   打   山

会山行ku-ninn9
【日時】2006827日(日)
【メンバー】3
【天候】曇り一時晴れのち雨
【山域】妙高連山
【地形図】
【コースタイム】笹ケ峰7:50 − 富士見平9:52 − 高谷池ヒュッテ10:24~10:40 − 火打山頂11:4611:51 − 高谷池ヒュッテ12:4614:15 − 富士見平14:47 − 笹ケ峰16:09


 会員で「妙高の火打山に登ってみたい!!」というのがいて、そんなにも言うのだったら…ということで計画をする。実は私も夏の火打山には登ったことがない。山を始めるきっかけとなった新潟市の登山講座で秋の妙高山&火打山を登り、後は会社の同好会で初夏の6月に登っているだけである。6月だと十二曲り上部と天狗の庭のから上は雪で覆われており、雪のない火打山は四半世紀ぶりに登ることとなった。

 当日は高曇りの天気となる。先週の飯豊、カモス峰から比べると格段に涼しく感じる。さすが人気の山であり、笹ケ峰の駐車場は県外ナンバーが多い。また、周辺にはランナーっぽい人たちがたくさん走っている。大会かなにかあるのだろうか。以前からの登山口は移動しており、駐車場もより広くなっている。入口には登山客数のカウンターまで設置してあった。

 ゆっくりと登り始める。黒沢までは道もゆったりとしており、ほとんど木道の上を行く。前回はいつ来たのだろう…10年は経っているだろうが、整備はより良くなっているようだ。十二曲りも道がジグザグに切られているので登りやすい。2人は先に行ってしまったので、ひとりでゆっくりと歩いていく。すれ違う人も少なく、静かな山登りとなった。針葉樹の中に入り緩斜面になると、富士見平に着いた。一息入れようと思ったが、後はトラバース道なので、そのまま歩くことにする。高谷池ヒュッテが見え始め斜面をまくと湿原になり、高谷池に着いた。2人がベンチでビール!?を飲みながら待っていてくれた。ここまでは息もあがることなく、1ピッチで来られた。火打山って案外楽に登れるじゃない、景色も良いし、だから人気の山なんだ!!なんて、甘く考えてしまった。

 昼食はヒュッテでとることにして、山頂を往復する。砂礫地帯にはハクサンコザクラやイワイチョウなどが、また、湿原にはワタスゲやイワショウブなどが咲いている。あと半月早かったら、より美しく咲き乱れていただろう。今回は、その上からのトリカブトが見事だった。斜面が紫色で染まっている。今夏は飯豊のマツムシソウといい紫色の花の当たり年なのだろうか。後から教えてもらったのだが、妙高山系には妙高トリカブトという固有種があるらしい。

 さて、天狗の庭からの上部は未知の世界と同じだった。四半世紀前のことなんてまったく憶えていない。山頂直下の砂礫帯には木の階段が作られている。平成13年と書いてあるので最近整備されたのだろう。ビールを飲んだ仲間はもちろん、今まで甘く見ていた私も息が切れ始める。火打山での高谷池は5合目くらいでしかないのではないか、と思ってしまったほど急坂だ。山頂からはあいにくガスで視界が利かなかった。4回目の登頂となったが、過去3回も多分展望は利かなかったのだろう。記憶にないのだから。山頂は登山者でにぎわっているが、想像していたよりずっと少ない。お盆過ぎなのだからだろうか、それとも登山ブームが去ったのだろうか。

 高谷池まで戻って、お昼とする。先ほど休んだ時は肌寒かったが、薄日が差し始めてきたので暖かい。お盆が過ぎると山は涼しくなる。山頂直下のウルシの葉は色が変わり始めていたし、ナナカマドの実も赤く熟し始めていた。秋はすぐ隣まで来ているようだ。

湿原が見渡せる所で休む。この高谷池、湿原の中の一軒家といった印象を持っていたのだが、ヤブっぽいイメージになっていた。長年で草木が伸びてきたのだろうか、それとも自分の中でよりきれいなイメージに変えてしまっていたのだろうか。

 雲行きが怪しくなってきたと思ったら、雨がポツポツと降り始めてきた。急いで帰り支度をして、下山する。途中、雨足が強くなってきたが、雨具を汚したくないし面倒くさいので(両方とも良いことではない!!)、そのまま急ぎ足で下る。一雨ごとに秋の気配が強くなっていく。あと1ヶ月もすれば、みごとな紅葉に染まっているのだろう。


   
<今年の火打山はトリカブトがみごとだ>