巻機山・米子沢

会山行ku-ninn10
【日時】2006910日(日)
【メンバー】4人+2
【天候】晴れ時々曇りのち雨
【山域】奥利根源流
【地形図】巻機山
【コースタイム】桜坂6:00 − 沢に下りる6:15 − 沢装備を付ける6:43 − 340m滝上部7:337:41 − 小休止8:108:17 − チムニー滝9:15 − 大ナメ9:38 − 小休止9:5010:07 − 二俣10:50 − 巻機小屋11:1513:11 − ニセ巻機13:23 − 5合目14:50 − 桜坂15:31 


 米子沢に行こう!ということになって、杉滝岩に練習に何回か行った。国体を卒業?してから岩からは全く遠ざかってしまっていたので、杉滝岩では久しぶりの岩の感触を楽しんだ。なんとなく昔の感も戻ってきた気もしていたので、ワクワクした思いの米子沢遡行であった。米子沢はそれこそ4半世紀まえに3回ほど登ったことがある。女性メンバーだけのこともあった。何年も岩を触っていなかったとはいえ初級者ルートとのこと。練習も何回かしたし、もしかして楽勝?!と思ってもいた。今回はメンバーにデラシネ山の会の人が一人入ってくれて、また新潟山岳会も登るという情報を得られ、安心材料もそろった入渓となった。

 前夜に出発することにする。当日は片貝花火の日で、小千谷ICを中心に渋滞が続いている。私たちも車中から花火を楽しむことができた。桜坂の駐車場にテントを張る。巻機山は雪のある時季はここ数年登っているが、無雪期は初めてという感じだ。明日は晴れで夕方近くから雨が降り出すらしい。

 明け方から到着する車の音や人の声で目を覚ます。晴天の中、私たちも用意をして出発する。私が知っている米子沢はゴーロ歩きから始まるが、今は堰堤がいくつもできているので、林道を行き、途中から沢に下りていく。林道入り口で新潟山岳会に会う。この情報も教えてくれたのだ。私たちのほかに県外者なのだろうか、30人ほどのパーティーが入渓する。初級者の沢とはいえ、大所帯。びっくりしてしまった。滝が見え始めたところで、フエルト靴、ハーネス、ヘルメットなど沢装備を付ける。始めて履いたフエルト靴なのだが、どうも滑りそう。これにスポンジ製の脚半まで付ける。すべて数年前に計画した会津丸山岳の時に買ったものだった。

滑りそうな心配の上、足が重たく調子が出てこない。最初の小滝を登る。沢水はとてつもなく冷たい。こんな冷たい沢水の中に落ちたら心臓麻痺でも起こしてしまいそうだ。3段40m滝、他の3人は直登するようなので、私は迷わず右岸を巻く。この巻き道、明瞭なのだが、沢を巻くなんて何年もしていない私には非常に長く感じ、稜線まで出てしまうかと思うくらいだった。ここで疲れもより増してしまった。この滝が一番大きいようだ。途中、ひとつの滝で、それほど難しくはなさそうなのだが水量が多く直登ができない。後から続々来てもいるので、仕方なく左側を巻く。メンバーによると、ここが一番残念だったそうだ。

チムニー滝まで来て、過去の記憶がはっきりとした。この滝を登るのが楽しみだった。だが、今回は怖そう…怖いという気持ちが離れないので、左岸を巻き、直登するメンバーを確保する。このチムニー滝と、その上部のぬめった滝はよく憶えていた。ぬめった滝でいつもザイルを出していたのだ。その滝には、2ヶ所、ハーケンに細引きがかかっており、下の細引きに足をかけて、上の細引きに力をかけて越えた。陽も高くなり沢水も温く感じてきて、気持ちがよい。


<大ナメを行く>

大ナメまで来ると、新潟山岳会が待っていてくれた。そこでビールをプシュと美味しそうに飲んでいる。私たちは尾根隊の2人と小屋で待ち合わせているので、乾杯は先にして、ハーネス、ヘルメットを外す。まあ、私はとても飲む気にもなれなかったが…。

 大ナメを滑らないように気をつけて行き(私だけのようだったが)、小滝をいくつか越えて二俣に着いた。疲れた、足が重たかった、怖かった。なんで?、でもそうなんだもの仕方ない。若い時の沢の経験なんて、なんの足しにも自慢にもならなかった。体力、脚力、腕力、バランス感覚、柔軟性、判断力、慣れ…若い時には勝てないんだよなぁと実感し、寂しい気持ちになってしまった。だが、他の3人は余裕だったようだ。


<二股・右俣には入らないようにとある>

巻機小屋は新築されていた。私が悠峰に入り最初の山行が12月の巻機山で、小屋での1泊山行だった。その時も決してきれいではなかったような気がするが、数年前にやっと新しくなったようなので、崩壊寸前で新築されたのだろう。新潟山岳会が追いついて来、山頂を往復してきたデラシネの尾根隊2人が合流し、荷揚げてくれたビールで乾杯する。尾根隊に感謝である。宴会が進み、大勢いた登山者もいなくなっていた。米子沢で一緒になった大パーティーがまだ到着していないのが気がかりだったが、雲も広がってきていたので、私たちも記念撮影をして下り始めた。

 ニセ巻の斜面は網で保護され、木の階段が作られていた。ここ何年もの自然保護活動での自然回復作業なのだろう。15時から雨の確率がドンと上がっているので、雨が絶対に降り出す!!とのことだった。本当に15時前、5合目の米子沢見晴台で雨が降ってきた。樹林帯なので走れば大丈夫なのでは、などという降り方ではなかった。土砂降りとなり、途中で雨具を付けたものの、駐車場に着いた時には沢登りよりもぐっしょりと濡れてしまっていた。沢登り大パーティーも続々と下りてくる。でも、なんで天気予報もこんな時だけ当たるのだろう。