アルツスキー場〜磐梯山

会山行ku-ninn21
【日時】2007211-12日(土・日)
【メンバー】4人+1
【天候】
【山域】

【地形図】磐梯山
【時間記録】
 <2/11・曇り→ガス>  ゴンドラ終点11:45 − 小休止12:2012:30 − 1550m地点13:25
2/12・ガス時々晴れ> テン場8:31 − 山頂9:209:25 − テン場9:5010:23 −スキー場上10:5713:50 − ゴンドラ終点13:55


 執念の冬の磐梯山だった。日帰りでアルツスキー場から入った年は荒天と時間切れで今回のテン場上部で断念。裏磐梯スキー場から1泊で入った年はこれまた荒天と深雪で息切れしてしまい1600mあたりで引き返した。そして去年はメンバーのケガで中止、今年の1月はこれまたメンバーのノロウィルスで中止となり、2月に再度計画をした次第であった。

 連休のせいか混んでおり、スキー場へは駐車場に入る時から大混雑だった。だが、誘導員に案内された原野の駐車場、結局は無料駐車場だった。トイレに行列し、ゴンドラ券購入で行列し、ゴンドラ乗車でも行列し、で、歩き始めたのはお昼近くになった。


<顕著な尾根を登る>

天気は曇りで、風が強くガスの流れが速い。ワカンを付け歩き出す。雪は締まっており歩きやすい。顕著な尾根なのだが、下りの万が一のために赤テープを付けながら行く。ラッセルがはかどり、歩き始めて2時間もかからないうちに尾根が終り、1550mの広い台地に出、予定通りここで幕営とする。視界は数メートル。風が強く横殴りの小雪が降っている。気温が低いのでサラサラの雪だ。

 時間があるので、テン場作りをゆっくりと行う。ここ数日で降った雪が断層になっているのがよくわかる。新雪が2、30cmくらいあるだろうか。1時間ほどかけて、雪の要塞の中にテント場を作った。明るいうちに宴会が始まり、暗くなっても延々と楽しい宴は続いた。

 夜半過ぎまで強かった風も明るくなると収まっていた。ガスの切れ間から青空も覗き始めてきている。ワカンを付け空身で出発。雪は適度に締まっており歩きやすい。まずは北側の中ノ湯に続く尾根を目指し、その尾根手前から南側に伸びている右手の尾根の腹の急斜面を行く。ガスが流れる中、樹氷化した木々の雪を落としたり、そこに赤テープを付けたりしながら慎重に登る。新雪で雪面がクラストしていないのでワカンのまま登る。標高が上がるにつれ風が強くなってくるが、15mほどだろうか、歩くのにそう支障ない。



<雪の要塞の中のテント>

急登が終り主尾根に乗ると山頂だった。あっけない登頂だった。ガスの中展望はないが、風も登りよりも穏やかだ、と感じるほどであった。山頂の石宮(?)を出し、記念撮影をして下山する。

風が強く雪が軽いので、登りのトレースはほとんど消されていた。ピッケルの刺し穴と赤テープを目印に登ってきたルートを忠実に下りる。下りもアイゼン無しで快適に下ってこられた。運が良かったのだろう。そういえば、テン場付近で犬らしきものを遠目に見た……動物に違いはないが、あれはなんだったのだろう。テン場に戻り、すぐにパッキングをして下る。今日、迎えに登ってきてくれる仲間がいるので、少しでもスキー場に近くまで下りたかったのだ。

「に、肉が食いてぇ〜〜!」歩き始めた時、ひとりが山頂に向って叫んでいた。魚の干物とか味りん干しばかりだったからかもしれない。我慢せい。

ガスは晴れていき、磐梯山も顔を出し始めてくれていた。もう少し早く…仕方がない、山頂からの展望は次のお楽しみにとっておこう。青空の中、キラめいた樺林の光景が美しかった。スキー場のゴンドラ終点の屋根が見えるところでお昼用のテントを張る。磐梯山もバッチリのロケーション最高の場所だ。仲間に電話をかけると、スキー場を出たところだという。「お〜い!」と叫んだら、山スキーを履いて姿を現した。仲間にしたら歩き足りなかったに違いない。

5人が揃っての昼の宴となる。乾杯したところで、ヒョイと仲間が焼肉用牛肉を差し入れてくれる!!???。テン場を出た時の声が聞こえたのだろうか。グッドタイミング過ぎるほどだ。ありがたく肉をいただきながら、いつもの長居となってしまっていた。スキー場まではほんの数分下り、私たちはゴンドラで下りる。このスキー場、登山の格好をしていると尋問にあうのだが、今回はあらかじめ計画書を提出してあったので、登りも下りもフリーパスだった。

今回の磐梯山登頂は状況に恵まれ、運が良かった。山岳雑誌に状況の良い時に登ってもその人の実力にはならない…とあったが、自分たちなりの目標をかかげ、それを叶えていく。山岳会のひとつの形でもあるのでは、とも思う。さて、次の目標はどこにしようか…。

帰りに喜多方ラーメンを食べていこうということになったのだが、お目当てのラーメン屋探しは山よりも難しかった。侮るなかれ、喜多方の街!である。


<磐梯山>