大熊小屋

会山行ku-ninn35
【日時】20071117-18日(土・日)
【メンバー】2
【天候】晴れ/風雨
【山域】飯豊連峰
【地形図】杁差岳
【時間記録】
<11/17>大石ダム8:53 − 十貫平11:5412:53 − 大熊小屋14:47
<11/18>大熊小屋9:21 − 大石ダム15:15


 キノコ採りを主体にして山に入りたい…という欲求を大熊小屋だったら満たしてくれるに違いないと一泊で入ることにした。天気は両日とも荒天の予報だったのだが、土曜日は小春日和のうれしい予報となる。その反面、翌日曜日は大荒れになるということだった。

 大石ダムから歩き出す。今回はほぼ平坦な道ということと天気を考慮し長靴にした。たいしたもん蛇≠ェ吊るしてあるトンネルを越え、滝倉橋までは舗装道だ。赤い橋を渡り、山道に入る。紅葉は盛りが少し過ぎたくらいだ。西俣川の平坦なヘツリ道が続く。イツグチ沢へは大きく凹んでいて、それを巻き終え西俣川と中俣川が合流した所に雨量観測計がある。

そこから沢の渡渉を何本か繰り返すと十貫平というブナのうっそうとした台地に出る。2週間前に行った月夜平を思い出させるブナの美しい木立だ。ここでキノコ探索に回る。案の定、ナメコ、ムキタケ、クリタケなどを収穫することができた。秋の澄みきった空の下、自然の美しさと収穫の楽しさを満喫して大熊小屋へと向った。

<十貫平>

大きな沢を2本渡り平坦なヘツリ道をひたすら行くと、本流に架かる吊り橋が現れる。これを渡れると大熊小屋が大きく見える。ペンキを塗り直したのだろうか。私が思っていたよりもきれいな小屋になっていた。中も土間だったような気がするが、コンクリートできれいになっていた。釣り屋さんが入るのだろうか。生活必需品はすべて揃っているようだ。

時間も早いので、小屋の周りを歩いてみることにする。十貫平よりも見事なブナの林が広がっていた。これぞ原生林といった感じだ。それも少し歩いただけでナメコがびっしり生えていた。それも、すさまじいといった感じで。だが、残念なことに盛りが少し過ぎている…1週間早ければとグチッても仕方がないのだが、悔しいの一言。それでも食べ頃を選んで採ったら相当の量になった。小屋の前でナメコの選定をし、沢で軽く洗ってバケツに入れたら、2ケがいっぱいとなった。

 <大熊小屋>

薄暗くなるまで行動し小屋に入る。今回はより快適に過ごしたいと、小屋の中でテントを張る予定できた。小屋の中でも吐く息が白かったが、テントを張れば内はもちろん暖かい。それに荷物も小屋中に放り投げておけるので居心地満点だ。また、思いもかけず満天の星空を一時でも楽しめた。

予報通りで夜半過ぎから風雨となった。沢をいくつも渡るが本流ではなく支流なのでどうにかなるでしょ、季節も雪解け時季ではなく枯れた時季だしね、とゆっくりと朝を過ごしてから出発する。ナメコはというと20kgはありそうなのだが、なんとか担ぐ手はずを整えた。

来る時も水量が多いと感じたゼカイ沢は水かさが20cmも増えていたのだろうか。渡渉時に長靴に水が入ってしまい、中の水を出し靴下を絞る。現在の登山用品は本当に優れている…気温もあるのだろうが、今回も濡れた靴下を履きっぱなしにしていてもそれほど冷たく感じないのだ。一昔前とは比べ物にならないくらいに進歩している。今だったら加藤文太郎も山で死ななかったのかもしれない。

十貫平で前日デポしておいたキノコを回収し、よりズシリと重みを感じて歩く。沢の渡渉はゼカイ沢以外は増水もそれほどではなく、無事に通過できる。雨はというと止む気配はなし、気温も朝よりも寒く感じるくらいになっていた。今夜から明朝にかけて今冬一の寒気が入ってくるということだ。冬型とか寒気とかいう言葉を聞くとゾクゾクしてしまう。これはあこがれからくる一種の期待感からきているのだろうか……。