前川・大滝沢

会山行ku-ninn32
【日時】2007年8月26日(日)
【メンバー】3人
【天候】晴れ時々曇り
【山域】吾妻連峰
【地形図】天元台
【時間記録】
 新潟4:30 = 滑川温泉7:50 − 大滝8:43 − 大滝上9:02 − 小休止9:33〜9:51 − ホコガイ沢9:54 − ワイヤ橋跡11:22 − 小休止11:52〜12:05 − 沢分岐12:11 − 登山道12:53〜14:20 − 沢分岐14:38 − 大滝展望台15:27 − 滑川温泉15:50 = 新潟20:30


 吾妻連峰に美しい沢があり、グレードもそれほど高くないらしい…自分たちだけで行けるのでは?!と、計画してみた。岩、沢登りから離れて大分経つ。昨年あたりから沢登りをしてみようでは!!という声が出て米子沢に行き、今年も今回の遡行となった。インターネットで情報を集めたり、遡行図を求めたり、自分なりに研究してからの山行だった。

 天気はうれしい限りの晴れ模様。喜多方から大峠トンネルを抜け米沢経由で、登山口には3時間あまりで着いた。滑川橋の脇には2台の県外車が止まっていた。人気の沢だとのことだったので思っていたよりも少なく感じる。すぐに沢に下りられるので、沢装備をして出発。最初からナメが続いていた。F1は大釜があり、滝下に行くまでに私だと胸あたりまでもぐった。トップがザイルを出してくれたが、足場を整えるのにひと苦労。ザイルを手がかりに強引に登る。

<F1・左壁を登る>



<滑床が続く>

美しいナメ滝が続く。傾斜もほどよく、サラサラ!?とした流れの中を歩いていく感じだ。沢全体が赤茶けているのは鉱山があったということで、水はサビ臭くて飲めないそうだ。沢がカーブしたか…と思ったら、ドでかい滝が目の前に現れた。滑川大滝である。100mは超えるだろう滝だ。沢登りでこんなに大きな滝を目の前にしたことがないのではないか。見上げると水の飛沫がすごい。悠々と水が流れ落ちている。写真を撮るにしても、私のデジカメだと入りきらないほどだ。

もちろん、左壁を高巻く。ある程度まで高度を上げ、あとはトラバース気味に行く。ルンゼを横切る箇所が悪いとあったので、慎重に通過し、大滝上に出る。この高巻きは思ったよりも楽だった。

 そこからはまた、ナメ滝+大釜の連続だ。難しい滝もなく、フリーで滑ったとしても大釜にポッチャンといくだけなので冒険心も旺盛、へつらないで大釜をスーイスーイと泳いでいくのもOK。これでもか!!と続く、美しい滑床とエメラルドグリーンの釜。素晴らしい遡行を楽しみながらいく。

 右岸にネコノ沢、左岸にホコガイ沢を確認しながらいくと、水量豊富な10m強の滝に出合う。垂直なのだが、右壁が階段状になっているので直登する。ここ数日は雨もなく水量が少ないのだろう…そう、今回はもっとも恵まれた遡行なのだろう。水の量で滝の登り方や釜の渡渉、壁のへつり方が変わってくるのは当然だ。この10m強の滝も水量が多ければ、もっとも大変な滝となるに違いない。

 上に古びたワイヤ橋を見ると、沢も大岩のゴーロ状になってくる。夏道につながる右岸の枝沢を確認し本流へと進む。沢はより細くなっていき、話し声で見渡すと沢は夏道と並走しており、渡渉点にぶつかった。話し声の人たちも同じ遡行者で10人近くいたようだった。


<大滝>



<緩やかなナメ滝と大釜>

ここで、大休止とし、あとは夏道を下るだけとなった。夏道は鉱山だっただろう古い跡が残っており、トロッコの軌跡を下る。途中の大滝展望台にも鉄の大ヤグラが残っていた。展望台からの大滝はヤブの中に遠くに見えた。せっかくなので、ヤブ払いをすればいいのにと思ったが、ベロンと見えるより神秘めいて良いのかもしれない…と勝手なことを考えていた。ここから大滝直下まで下る道がついている。名滝は苦労して直下まで行き、見上げたほうがよりすさまじく見えるのだ。

 滑床と大釜、そして小滝が続く変化に富んだ美しい沢だった。流れる水の輝きと釜の深い色の素晴らしさを堪能できた。天気も良く、水量も少なくて最も恵まれた遡行だった。この沢は増水すると様相は一変するらしい…沢はみなそうなのだが……。自分たちの力量で行ける、このような美しい沢を選んで楽しみたいなあ。

 <ナメ滝が続く>



<大釜を泳ぐ>



<連滝帯>



<展望台からの大滝>