振り返ればまたそこに白太郎山

個人山行 山スキー

【山】白太郎山

【日時】33日(土)

【メンバー】2

【天候】晴れ

【時間】登り 登山口8:30→山頂11:00

    下山 山頂13:00→登山口 車14:00

【記録】

山スキーの隠れた名山、白太郎山へ行こうとM氏からの誘いがあった。前から行きたいと思っていた山なので喜んで誘いにのった。
丁度山スキーのシールを新調したばかりなのでそれも使ってみたかった。
 当日は朝から抜けるような青空、540分自宅を出発、途中コンビニで買い物をして待ち合わせ場所の関川道の駅に向かった。
 7
時半M氏と落ち合い同氏の車で113号を小国方面へ走る。
途中の横根スキー場にはまだ雪があって滑れそうな様子、このぶんなら白太郎山も大丈夫と喜びつつ小国から五味沢方面に入る。
 例年なら道路脇は雪の壁だが4〜50センチの積雪でさみしい。登山口の徳網には8時10分頃着いた。
 M氏は登山口脇の関さんの家へ挨拶に行き山の雪の様子を聞きにいった。
 何度もこの山を登っているM氏は関さんと知り合いになりいろいろとアドバイスを受けたそうだ。この関さんは茨城から移り住んで、夏場は飯豊のカイラギ小屋の管理人をしている山好きの人で、このような方と知り合いで話が聞けるのはうらやましい。

 車は関さん宅の前にとめてもらい、8時半道路脇の雪の壁を登って歩き始めた。雪はカリカリに凍り、シミワタリ状態だ。
 スキーを履いて登るのはとても無理なのでスキーはザックに付けてつぼ足で登り始める。すぐに見上げるような急斜面になる。
 カンジキの踏み跡が硬く凍っているのでステップを作りながら慎重に進む。
 急斜面を20分ほどで登りきるとゆるやかな斜面の杉林になる。見下ろすと関さんの 家の屋根が見えている。ここでやっとスキーを履く。
 スキーアイゼンも付けようとしたがどうも装着の仕方がわからない。
 苦心惨憺の末ようやく取り付けられた。山スキー屋として恥ずかしい限り。
 おつるなー。杉林が終わると開けた楢とブナの林に出た。
 さあいよいよ快適な山スキーのはじまりだ。見るからに滑りよさそうな斜面が続いているシールとスキーアイゼンがよく効いている。
 斜面上部は急になってきたが強引に登っていく。汗が吹き出てきた。

 地形図の776ピークに近づくとゆるやかになりあたりも開けてくる。見晴らしのよい尾根について小休止。荒川と徳網の集落をはさんで正面に徳網山が対峙する。三角錐のなかなか立派な山だ。ここからは小ピークを巻き広い尾根通しに進む。
 ブナの巨木が適度な間隔を持ってえだを広げている。山スキーは滑るときが最高だが、このように開けたブナの林の中をシールの音を聞きながらゆっくりと登っていくときも素晴らしい。
 山スキー愛好者の密かなる楽しみだ。850M付近は風で大きな吹き溜まりが出来ている。大きく抉れた雪の壁は3メートル以上もある。ブナと雪の造型を楽しみながら山頂に続く斜面を登る。
 木がまばらになり雪原が続いてしばらくで山頂だ。素晴らしい360度の大展望が待っていた。すぐ目に付くのが鋭く尖った頂の祝瓶山、その後ろには長大な朝日連峰、東には山スキー途中敗退の長井葉山も確認できる。飯豊連峰は渺渺として陽光の中に煙っている。
 朝日連峰をバックに記念写真を撮り、さてお楽しみの宴会だ。雪を掘り下げイスとテーブルをすばやく作る。
 いつものなれた作業だ。よく冷やしたビールで乾杯。グビグビグビ、プハー、至福の一瞬だ。(いつも同じようなことを書いているが、でもいいのだ。)
 しばらくすると山スキーの2人連れが登ってきた。このマイナーな山にそれも土曜日に登る人がいるとは。話してみると新潟の人だ。新潟の某山岳会所属で当会のWさん、Gさんを知っているとのこと。世間はせまいなー。
 1時、下山。いよいよお楽しみの大滑降が待っている。雪は凍った雪面の上が融けて滑りには最高の状態だ。M氏が身を躍らせて斜面を滑り出した。遅れじとこちらも続いて滑り始める。まったく申しわけのないような素晴らしいゲレンデ、ではない斜面だ。途中お互いの滑りをデジカメで撮りながらどんどん下る。登りのトレースを外さないように下るが、つい下りに向かって右の急斜面を滑りたくなってくる。
 766ピークもそれとわからぬ内に通り過ぎ杉林手前の広い雪原に出る。
 ここまでくるとさすがに雪も腐ってきた。朝、つぼ足で登った急斜面もスキーで難なく滑り降り、車の置いてある道路に着いた。
 ここまで上り返しも尾根のたるみもなくひたすら滑れる、まさに山スキーのための山だ。久しぶりに山スキーらしい滑りを堪能した。
 帰りは五味沢の白い森交流センター「りふれ」で入浴(500円)。風呂から振り返ればそこにいま滑ってきたばかりの白太郎山が光り輝いて見えている。