折居〜790m峰

個人山行ku-ninn46
【日時】2008316日(日)
【メンバー】2
【天候】晴れのち曇り
【山域】五頭山塊
【地形図】天王・出湯
【時間記録】 砂防ダム9:28 − 折居山取付9:57 − 尾根取付10:2126 − 620P11:2811:36 − 790m峰12:0314:05 − 折居川15:00 − 砂防ダム15:43


折居川源頭の山々を背にしてそそり立っている標高790mの無名の独立峰。主稜線から外れ、沢が深く入り込んでいるので孤高の山といった感じ、だが、鋭鋒ではない。山頂部分は樹木がなく、2月に縦走した時にも真っ白く輝いていた。地図を見ると、折居川沿いに行き、支流が分かれ本流がS字に曲がる手前を渡渉し、すぐの尾根に取り付けば山頂に立てるのでは…あのピークに立ちたかった。

天気は晴れ。今冬数回目の砂防ダム、から歩き出す。雪はびっくりするほど消えていた。折居林道も雪消えが進んでおり、ワカンなしで歩く。折居山への冬ルート登口を越え、上流へと歩く。地図上では折居川右岸に道が進んでいるが、道は途中から左岸を行くようになる。支流の小沢を渡り、本流がS字に曲がったところの尾根下に目印用なのだろう、山屋らしいテープがしっかりと付けられていた。地図とは違い、渡渉しなくても良かった…渡渉といっても長靴だとまったく問題ないが……。

雪のない急斜面を登るとすぐに尾根に出、あとは尾根上を行く。最初はヤセ尾根でヤブがうるさかったが、620mピーク下あたりから尾根は広がり歩きやすくなる。この尾根は照葉樹が少なく、ナラなどの広葉樹が広がる尾根だ。ナラの立ち枯れが痛々しいほど目立つ。

ピークで小休止。金鉢山がそそり立って見える。ここからはブナ林の中、安定した雪の上を歩くことができる。雪が締まっているせいか距離も稼げ、30分ほどで790m峰に着いた。ピークから見て大きなラクダのコブ3個目、見えなかったピークが790m峰だった。

山頂からの展望は素晴らしいの一言。想像通り、いや想像以上の大展望台だった。もちろん360度の展望だ。今冬歩いた折居山〜松平山〜山葵山、そして虚空蔵山までの大パノラマが広がっていた。目にするといつも真白く照り輝いていたピーク、一度は立ってみたいと思っていたピークに立てた。それも晴天の日に、である。最高だった。

テントを張って大休止とする。白い雪原の頂点に「目立つぞ〜!」と言わんばかりの黄色いテントであった。ピークに立てたこと、素晴らしい景色を独占できることが嬉しく、なぜか叫びたかった。日差しは暖かいのだが風がやや強く冷たいので、雪の要塞ブロックを作りテントの中に入る。

主稜線に行くには801m水準点Pを経た尾根を行き、2月の縦走時に幕営したあたりに抜けるのが良いのだろう。ヤセている尾根だが、行けないことはないだろう。それにしても、このピーク周辺は沢が深く入り込んでいる。先に進むには、いったん沢筋まで下りなくてはならない

下りはワカンを付ける。春が駆け足で来ているのだろう。マンサクの花があちこちに咲き、ブナの芽も柔らかくなってきているような感じがした。林道脇にふきのとうも顔を出し始めていた。この2ヶ月通った折居川源頭の山々、厳冬から初春までの季節の移り変わりを感じてきていた。砂防ダムも毎週のように目にしていた。なのに、進捗状況がまったくつかめてなく、自分の観察力の無さにあきれ返ってしまった。来冬はもう完成してしまっているのだろうな。



<山頂に向かう尾根>



<山頂・奥が松平山>



<折居山と金鉢山>



<山頂からの下り>



<完成真近の砂防ダム・右岸の杉林の中に山ノ神がある>