越 後 沢 山

個人山行 oza1
【日時】200854-5日(日・祝)
【メンバー】2
【天候】晴れ/曇り一時雨
【山域】上越国境
【地形図】国土地理院1/25000/岳、昭文社1/50000/越後三山
【時間記録】
<5/4>十字峡8:30 − 丹後山登山口 9:00 − 鉄砲平 9:30  − 丹後山避難小屋14:45
<5/5>丹後山避難小屋5:30−越後沢山8:30−本谷山10:0011:00 −中尾ツルネ途中13:2014:20 −内膳落合15:30 −十字峡 17:10 


 5月の連休は以前からバリエーションルートと思っていたところ、A会長とGさんから丹後山から下津川山〜ネコブ山へと縦走するということで案内をいただいた。しかし、23日の予定が厳しいのと体力的にも自信がない為、一泊だけとし、友人のOも一緒に途中までの参加とすることにした。

当初は2日目を早立ちし、下津川山まで縦走し、一気に下山してしまおうと思っていたが、やはり今の体力、残雪の少ない状況などから無理だと思い知らされることになる。

6時に高速の黒崎パーキングで待ち合わせ、車2台で六日町の十字峡に向かう。三国川ダムの管理施設を過ぎ右岸を進んでいくとバリケードもあるが、とりあえずという感じなので気にせず通り抜けた。先着車が数台止まっている十字峡の駐車スペースに付き、登山の支度を始める。俺とOは残雪期の登山道の無いルートが混じるので、アイゼン、ピッケルはもちろんのこと万一の場合も想定しスワミベルトをつけ、30mのロープも携帯した。泊まりの装備とあいまって日帰りとは違う重いザックに体をふらつかせながらトボトボと林道を歩き始める。所々のデブリを慎重に通過し30分ほどで丹後山の登山口に着いた。最初から、かなりの急坂となりゆっくりと地面を踏みしめながら登る。辛い登りが続くが芽吹いた樹木の新緑が残雪の景色と重なりとても美しい尾根だ。

<丹後山への登りからネコブ山>

A会長やGさんになんとかついていこうと思いがんばるが、長丁場の登りは序々に体力を奪い、筋肉痛も起こり始めた。最初は丹後山からもっと先へテント泊にしようかとの話だったが、結局今日は丹後山の避難小屋に泊まることになった。

腰をおろして周囲を眺める。すばらしい景色だ。

<丹後山登山道から中ノ岳>



<丹後山登山道上部から越後沢山方面>

 小屋に着くと先着の人が23人しかいなく、十分余裕がある。天気も良かったのでしばらく外でくつろぐこととした。Gさんがみんなの空ペットボトルを集め、水を汲みに行ってくれた。ほんとにすまない。いつもお世話になりっぱなしだ。小屋に入り、日本酒や焼酎などを飲み始めるといつの間にか意識がなくなって眠りに入ってしまった。夜中目を覚ますと風が強く、戸を開けるとガスで何も見えない。今日これからの天候が気になった。

440分に起き、Gさんが作ってくれた朝食を食べ、出発の準備を始める。一足先にと530分に小屋を出発する。この時点では下津川山まで行くつもりだった。外はガスでなにも見えない。GPSと他人の足跡を便りに歩く。一瞬ガスが切れる時に方向と距離を確かめた。思ったより険しい道に見えた。



<一瞬ガスが切れ行く手に越後沢山が見えた>

途中、ルートに迷い、猛烈な藪に捕まり30分以上ロスしてしまった。貴重な時間と体力を無駄に使ってしまったような気がした。ガスでなにも見えない中で越後沢山を通過する。小屋を出てからここまで3時間、Gさんから2時間位と聞いていただけに、下津川山は遠い山となった。ここから先は尾根が細くなり、膝から腰位までの藪を歩くことが多くなる。急峻なピークを超え下りきると本谷山の登りとなった。急にガスが一気に晴れ、周囲の山が見え始めた。振り返ると後ろのピークに2人の姿が見えた。オーイと声が聞こえる。ゲゲ!もう追いつかれたのか?本谷山頂に着くと時間は10時、下津川山までの稜線は残雪はなく完全に藪。この時点で下津川山はあきらめて中尾ツルネを降りることに決めた。

そうと決まれば今度は余裕、ここで店開きだ。

A会長、Gさんに互いの安全と健闘を祈り、別れを告げた。その後ゆっくりと昼食を食べていたら突然雨が降り出した。

急いで雨具を着て、山頂を後にする。しかし、ここからはずっと登山道があるので気が楽だ。小穂口の頭から中尾ツルネを下る。

<中尾ツルネの下り>

急な登山道をどんどん下っていく途中、温かい場所でもう一度、大休止をとる。急坂ではあるがこの尾根もタムシバや石楠花、イワウチワなどが咲き乱れ、周囲の山の景観や残雪と新緑のコントラストがとても美しい。のんびりと下りたい尾根だ。

<美しい残雪のブナ林>

やがてこの尾根の登山口である内膳落合に降り立つ。ここからは、十字峡までは平坦な林道のはずだったが所々のデブリの通過には難渋することになった。

<デブリの通過>

何箇所もあるデブリを慎重に通過しながら、結局十字峡まで2時間近く歩く。車に乗り込むと同時に雨が降ってきた。風も強くなってきて、山中にテント泊の二人は大丈夫なのかと気がかりだったが、ベテランの二人だ。きっと楽しくやっているに違いない。来年こそは下津川山とその先の小沢岳に是非行きたいなと思いを巡らせ帰りの車を走らせた。