月山・山スキー ―山スキーは楽し―

個人山行―YA

【月日】5月3,4日(土・日)
【山域】月山  【地形図】月山
【天候】2日とも晴れ

【メンバー】3名


5月連休の山は、月山の山スキーに決まった。メンバーは山スキー狂を自他共に認めるM氏、T氏と私の3名である。昨年の連休も同じメンバーで月山に行っているので、物好きといわれても仕方がないが、それだけここの山スキーは素晴らしいとも言える。

3日、6時半に豊栄道の駅に集合、M氏の車で出発した。天候は連休に入ってから、連日晴れが続いている。今日も文句なしの晴れ、明日も晴れの予報だ。345号を走り、岩船から7号線に入り北上する。合併で県境を越えるまで村上市だ。酒田から月山道路に入ると、これから向かう月山が見えてくる。昨年より雪が少ないのか、山体の黒い部分が多い。北には、ゆったりと裾野を伸ばした鳥海山が、朝の光の中に霞んで見えている。

月山トンネルを過ぎると、車窓右手に石見堂山、赤見堂山がまだたっぷりと雪を纏い、真っ白に陽の光に輝いている。月山ダムから左折して姥沢を目指すが、道路脇の雪の壁は昨年よりかなり少ない。姥沢には10時少し過ぎに着いた。駐車場は満車に近く、賑わっている。

早速仕度をして、駐車場脇からシールを付けてリフト乗り場へ急ぐ。姥ケ岳の広いゲレンデには、沢山のスキーヤーやボーダーの滑っているのが見える。リフトは行列が出来るほどの盛況だ。リフト下の雪消えの斜面には、フキノトウが沢山芽を出している。

リフト終点から歩き出す。広大な雪原には、山頂を目指すスキーヤーや登山者の姿が点々と見えている。姥ヶ岳と柴灯森の南斜面を水平に絡んで進む。陽光が雪面に反射してキラキラと光っている。汗が一気に噴き出して来た。牛首の鞍部は雪が切れていて、スキーを脱いで夏道を歩く。牛首の先で休憩し、ここから始まる山頂までの急斜面の登りに備える。

約200メートルの急な登りをジグザグにじわじわと登っていく。急斜面の終わりはまたも雪が切れていた。スキーを担いで山頂に続く平地に飛び出す。我々は山頂を省略して大雪城のほうへ向かう。雪が少なくごろごろした岩原を、スキーを抱えてよたよたと行くと、大雪城の端に着いた。ここでシールを外して待望の大滑降の準備をする。正面には月山葉山、南には朝日連峰が見えている。素晴らしい展望だ。

大雪城は見渡す限り、立ち木や岩が全くない、真っ平の大雪原だ。緩やかに月山沢のほうへ斜面を落としていく。滑り始めは泊まりの荷が重く、なかなか調子が出ない。徐々に傾斜が増してくると、スキーの滑りが良くなってきた。堅く締まった雪面の上が、わずかに腐っている状態で、春スキーの最高の雪だ。M氏とT氏はところどころ止まって、デジカメでお互いの滑りの写真を撮っている。足が張ってくるころ、ようやく下のほうに清川行人小屋が見えてきた。この先は急斜面になり、小屋へと続く。ここの滑りが今回の山スキーのハイライトだ。先に滑り出したM氏の姿が、斜面の下へ消えていく。息を弾ませながら急斜面を滑り終えると、小屋はすぐそこだ。小屋は2階建ての大きな建物で、小屋の後ろには冷たい水が出ている。小屋には5人の先客がいた。我々は1階の薪ストーブの前にゴザを敷き、テーブルを置いて(小屋備え付け)、よく冷やしたビールでまずは乾杯。思い切り滑った後のビールを飲む時は、人生の幸せを感じるひと時だ。遅れて3人のパーテイがやってきた。年配のリーダーと2人の若者だ。そのリーダーはなんと、浦和浪漫の高桑信一氏だった。よくこの小屋へスキーに来るのだそうだ。夜は、高桑氏や若者と一緒に酒を酌み交わし、川内の山の話で盛り上がった。

翌日も文句のない快晴。しかし頂上までの700メートル近い登り返しは、昨日の快適な滑りの付けで厳しい。2時間半の苦行の登りの後は、今度は姥沢までの快適滑降が待っていた。途中で最後に1本だけ残してきた缶ビールを飲みまわして、月山山スキーを締め括った。

今度は、紅葉の時期に快適な清川行人小屋に泊まってみたい。         以上