鳳凰三山 地蔵岳

会山行ku-ninn38
【日時】071231日〜0812
【メンバー】2
【天候】12/31 雪→曇り・1/1 曇り時々晴れ・1/2 晴れ
【山域】南アルプス
【地形図】
【時間記録】
<12/31>新潟6:00 − 御座石鉱泉12:36 − 西ノ平13:27 − 小休止14:2614:37 − 旭岳15:3115:41 − 燕頭山16:21
<1/1> 燕頭山8:47 − 鳳凰小屋10:17 − 小休止10:3510:44 − 賽ノ河原11:31 − 赤抜沢ノ頭11:49 − 小休止12:0812:17 − 分岐12:44 − 鳳凰小屋13:3013:50 − 燕頭山15:00
<1/2> 燕頭山10:34 − 旭岳10:53 − 西ノ平11:49 − 御座石鉱泉12:20


 猛烈寒波の年末となった。12月に入っても大雪がなかったので、飯豊の三国岳に入ろうかと話していたが、あまりの荒天・大雪予報で事前準備もしていない三国岳は無理だろうと、前から登ってみたかった鳳凰三山に行くことになった。冬型の気圧配置なのだから当然晴れているでしょう……と。

 大晦日の朝は霙模様。高速道路は除雪が間に合わず、シャーベット状の雪の中を行く。長野市近くでチェーン規制が解除されるも、登山口の御座石鉱泉に到着したのはお昼を過ぎていた。山梨県は遠い。燕頭山にテントを張りベースにする予定なのだが、到達できるか不安になる。

 天気は曇り。小雪がちらついていて寒い。針葉樹林の中を歩き出す。雪はサラッと振りかけた程度にしかない。だが、西ノ平を過ぎると急登が始まり、標高が上がるにつれ雪も多くなってくる。旭岳は祠のある小ピーク。そこからはさらに傾斜が増し、ジグザグ登りになる。北アの燕岳の合戦尾根を思い出させるような登りだ。同じ燕≠セからなのだろうか。

 なんとか明るいうちに燕頭山に着く。積雪は4、50cmほど、ザックの温度計は−10度をさしていた。気温が上がらないので、雪は降ると解けないのだろう。指先も冷たく感じる。樹林帯の中の山頂だが、笹原が広がっているので、テントを張る所には困らなかった。風の当たらないような場所を見つけ幕営。テントに入るとすぐにランタンが必要となった。大晦日の夜は風が強く、一晩中木のきしむ音を聞いていた。

 元旦。曇りで時折青空が覗く天気となった。アイゼンを付けて出発する。途中ガレ場や木の階段があるがそれほど凍りついていない。鳳凰小屋はテントを合わせて10人ほどいたようだった。雪は7、80cmくらいだろうか。はっきりと残っているトレース跡を辿る。

小屋を過ぎ、樹林帯を抜けると地蔵岳のオベリスクが近くなる。雪の急斜面を登りきると賽ノ河原でお地蔵さんが並んでいた。オベリスクはミニ槍ヶ岳のようだ。赤抜沢ノ頭には写真家さんが3人ほどいたが、北岳は残念ながらガスの中に隠れてしまっていた。

稜線を歩きたかった。積雪は吹き溜まりで膝くらい。風が強いのでザレ場は雪が積もっていない所が多い。今日は曇っているせいか、風もそれほど強くなく、気温もそう下がっていないのかもしれない。とはいっても、完全装備で縦走路を歩き出す。

三角点のある観音岳まで行ってみたかったが、鳳凰小屋への近道分岐、観音岳を仰ぎ見たところでタイムアウトと判断。積雪期は時間がかかるのに、朝ゆっくりとしてしまいすぎたようだ。視界もそれほど良くないのであっさりと断念する。

縦走路を赤抜沢ノ頭まで登り返す⇔鳳凰小屋までの近道を行く…近道は雪が深そうでトレースもない。だが、赤ペンキが所々にありそうで注意して下れば大丈夫なのでは、5分下って分からなかったら引き返そう、と、近道を行くことにした。

雪は思った以上に深く、腿は余裕にありそうだ。南アルプスってこんなに雪深かったの?って感じだ。赤ペンキを忠実に拾いながら、雪の斜面を下る。トレース跡も数時間で消えてしまいそうなサラサラ、フカフカの新雪だ。深い針葉樹林の中、赤ペンキがなければ絶対に無理だっただろう。無事小屋に着き、脇の大石の下から湧き出ている水を汲み、テン場にと戻る。元旦の夜は風もなく、満天の星空が広がり穏やかに過ぎていった。

2日は快晴。紺碧の空が広がっていた。テントに差し込む日も暖かい。もう一度稜線に上がってみたい!景色を堪能したい!と思ったが、自分の体力や帰路を考えてすぐに打ち消した。またもや、ゆっくりとした朝を過ごす。見晴らしの良いピークに上がって写真を撮ったりして、下山にかかる。

旭岳の下までアイゼンを付けて下る。暖かい日差しの中、下のほうは春山の様相だった。2時間足らずで登山口に着いた。暖かい日差しの中なのだが、車の中に置いていたペットボトルは凍りついていた。登山口でも相当冷え込むのだろう。途中で会った人から夜叉神峠への道が大晦日から通行止めになっていることも聞かされた。大晦日から元旦の天気は全国的に荒れたようだ。



<鳳凰小屋>



<賽ノ河原直下の斜面とオベリスク>

<主稜線と観音岳>