折居山〜松平山〜山葵山

会山行ku-ninn43
【日時】200821011日(日・祝)
【メンバー】2
【天候】曇り/晴れ
【山域】五頭山塊
【地形図】天王・出湯
【時間記録】<2/10>砂防ダム9:16 − 尾根10:00 − 小休止10:3510:40 − 小休止(610P11:4111:56 − 折居山13:0713:26 − 金鉢山13:37 − テン場(910P)14:36
<2/11>テン場8:57 − 松平山9:309:37 − 小休止(885P) − 山葵山10:51〜 14:14 − 虚空蔵山への稜線鞍部15:3315:41 − えん堤16:26 − 砂防ダム16:57


 思いがけず折居山から山葵山への縦走が決行できることとなった。天気予報も曇りで、荒れる心配はなさそうだ。今回も砂防ダムまで車が入り、そこから歩き始める。前日からの入山者がいるようで、車が一台止まっており、林道にはトレース跡も残っていた。

 ラッセルがない分、早い時間で尾根に取り付くことができた。林道が分岐し沢を渡ったすぐの尾根に取り付く。急な尾根腹だが、トレースがあるので比較的楽に登れる。尾根に上がると傾斜は緩くなり、針葉樹の混じった一本尾根を行く。数年前は折居山によく入っていて、この尾根も数回使ったことがあるが、赤テープも随所にあり、より道らしくなっていた。

 610mピークで小休止する。ここから南に伸びている尾根も使ったことがあるが、今回の尾根のほうがすっきりとしていて歩きやすいようだ。先週の山葵山よりもヤブもうるさく感じない。それだけ人が行き来しているのだろう。

このあたりからブナの林となってくる。途中のブナ林で大好きな場所があった。緩やかな斜面がカーブを描いており、そこに端正なブナ林が広がっている。こんなところでテントを張れたら…と思い描いていた場所だったのだが、先日入山した人たちのテントが正にそこに張ってあった。今日、上に出かけたらしく誰もいないようだ。このあたりは風でトレースが消えている所があり、トレースのありがたさをしみじみ感じる。

799mのピークを越え、杉木立のあたりで下りてくる先行者にあった。2人パーティーで、ラッセルのお礼を言う。そうしたら、真木山から松平山〜山葵山の縦走パーティーがまたまた先行しているということだった。それも、18人パーティーだそうだ。???!!!。思っても考えてもみなかったことだった。折居山への最後の登りで、金鉢山を登る大パーティーを見る。折居山山頂も大勢の人が休んだ形跡もあった。新潟の山岳会の人たちなのだろうか。それにしてもものすごい。狭い金鉢山の上にいる大パーティーは白いプリンの上にかかっているカラメルソースのように見えた。

折居山は大好きな山だ。ブナが点在する山頂とそこからの展望の素晴らしさが好きだ。夏道がついたとのことだが、積雪期に登るから好きな山なので、あまり他の季節に登りたいとは思わない。折居山から少し下って金鉢山に取り付く。金鉢山は尾根上のルートで登られていた。急登はクラストもしていなく階段状にトレースが付いているので登りやすかったので、先行パーティーにまたまた感謝であった。

30分ほど主稜線を行ったところで先行パーティーに追いつく。顔を合わせたところで、先週、山葵山でお会いしたパーティーの人たちだったと判明。ラッセルのお礼を言い、少しでも恩返しをと、先頭になりラッセルをする…18人パワーには焼け石に水なのだが……。先頭になってみると思いのほか雪が深かった。麓近くは春山の様相に見えたが、稜線はまだ厳冬の五頭、だった。

東側に尾根が分岐している900mのピークを少しいったところでテントを張ることにする。予定では金鉢山を越えるのに6時間はかかるとみていたが、5時間強でより松平山に近いところでテントを張ることができた。トレースのお陰だった。その18人大パーティーも近くに幕営していた。

私たちはいつものように雪の要塞を作りテントを張る。雨具の下を付けていなかったのでズボンが濡れてしまい、新聞紙を足に巻き乾かしながら夜を過ごす。満天の星と新潟の夜景が凄まじいぐらいにきれいだった。

翌日は晴れ。大パーティーは早朝に出発したが、私たちはゆっくりと出発した。松平山の山頂に立つころには飯豊連峰のガスが晴れ、真っ白な全容を現した。昨日の折居山頂は曇りで飯豊もガスの中だったので、喜びもひとしおだ。1月には出ていた松平山の道標は、今回は雪の下に隠れてしまっていた。

折居川源頭の山で、もちろん主稜線から外れ、独立峰となっている名も無きピーク、790mのピークがある。折居川沿いに行き、沢を渡渉できれば尾根に取り付けるので、ピークを踏むことができるかもしれない。時間が早いので、山葵山に下る途中の885mピークから少し下って様子見をしてみることにする。沢が深く回り込んでいるので、本当に孤高となっているピークだった。ぜひ登ってみたいピークだ。

山葵山から松平山間は1月よりも確実に雪が多く感じた。ヤブも気にならない。1月には夏道沿いに歩けたトラバース箇所も尾根に忠実にルートをとる。山葵山で昼食兼大休止とする。天気は冬の青空が輝いていた。温室状のテントの中は居心地がよく、3時間以上も居座ってしまった。

山葵山からの下りは少年自然の家ルートは完全なトレース道(それもワカン要らず)だが、折居ルートはラッセルしながらの下りだった。先週のトレースは当たり前だが消えており、目印にと付けた赤テープだけが健在していた。今回は見晴らしが利くので良いのだが、ガスの中だったら頼もしい存在となっていたであろう。それらを回収しながら行く。

雪は重く、下りでもラッセルはきつく感じる。昨日もそうだったのだが、ワカンに雪が付きダンゴ状態になって重く歩きにくいのだ。山葵山で長居しすぎてしまったので、時間と競争しながら下る。先週使ったルートを確実に下った…最後の沢に下りる時に、尾根を違えてしまったが……。

えん堤を越え、ひたすらラッセルをして赤倉林道を行く。下りで2日分のラッセルが凝縮されたように感じた。だが、折居林道はより立派なラッセル道になっていた。人の行き来がまたあったのだろう。砂防ダム手前で人影があり、近づいてみると会の仲間だった。差し入れを持って、大分待っていてくれたらしい。電話が通じなかったようだったのだが、分かっていたら、山葵山であんなに長居しなかったのに…待たせてしまい、申し訳なさと感謝でいっぱいだった。

翌日からは強い冬型の気圧配置となった。厳冬の五頭、本来の姿を見せているのだろう。今回の山行は天気といい、トレースといい、条件が良すぎた縦走になった。この1ヶ月通い続けた折居川周辺、こんな山歩きがあっても良いかなと思っている。


<金鉢山の登り>



<主稜線を松平山に向う>



<飯豊連峰>



<松平山からの折居山・金鉢山>