槍平〜槍ケ岳〜西鎌尾根〜笠ケ岳

個人山行ku-ninn55
【日時】2008814日〜17日(お盆)
【メンバー】2
【天候】曇りベース
【山域】北アルプス
【地形図】
【時間記録】
<8/14> 駐車場10:27 − 新穂高温泉10:40 − 穂高平小屋11:4011:50 − 白出沢12:37 − 小休止12:5913:09 − 滝谷・藤木レリーフ14:0014:14 − 槍平テン場15:00
<8/15> テン場6:30 − 水場7:247:30 − 小休止8:128:219:099:20 − 飛騨乗越10:03 − 槍ケ岳小屋10:1611:30(槍ケ岳往復) − 千丈沢乗越12:27 − 小休止13:0713:1514:0914:18 − 樅沢岳15:10 − 双六テン場15:38
<8/16> テン場6:43 − 鏡平分岐7:47 − 弓折岳7:558:09 − 大ノマ乗越8:26 − 小休止9:109:3710:0810:13 − 秩父平10:24 − 抜戸岳11:2011:35 − 笠新道分岐11:44 − 抜戸岩12:2012:27 − 笠ケ岳テン場12:50(笠ケ岳往復)
<8/17> テン場6:40 − 笠新道分岐7:367:42 − 杓子平8:248:33 − 林道10:4710:53 新穂高温泉11:44 − 駐車場11:57


<8/14> 早朝5時に新潟を出る。天気は雨模様。昨日まで晴天だったのに、である。空梅雨だったので、梅雨の分もまとめて降っているようだった。それでも、岐阜県に入ると曇り空となる。登山基地となる新穂高温泉では無料駐車場に運良く止められる。先回来た時に止めざるを得なかった有料駐車場は、24時間=2000円だった記憶があるので、今回はラッキーだ。

新穂高温泉のバス停付近はどれほどの登山者がいるわけでもなかった。ロープウエー付近にも観光客が少なく感じる。天気が良くないとはいえ、登山人口も減ってきているのだろうか。下山者はそれなりにいるが、私たちと同じ登山者も見かけない。

 白出沢出合手前あたりから雨が降り出し、傘を差しながら歩く。運良く槍平のテン場に着いた時に雨が上がり、テントを張ることができた。が、夕暮れ前にはまた土砂降りとなった。槍平のテン場は20張強のテント数だ。さて、今回はオリンピックが開催されていることもあり、ラジオという新兵器を持参してきた。水泳、北島の金メダルで沸きながら、夕食とした。

<8/15> 出発する時は雨は上がっていたが、水場を越え、飛騨乗越へのジグザグ登りに差し掛かるとまたガスの中に入った。高度を上げていくと雨になり雨具を着る。せっかくのお花畑も黙々と通過する。

 槍ケ岳山荘の前は登山者で賑わっていた。槍ケ岳に登る登山者の大半が上高地から登るのだろうか、槍沢から人がどんどん登ってきていた。ガスが薄くなってきていたので、もしかしたら展望が得られるかもしれないと、淡い期待を抱きながら槍の山頂に空身で向かう。

 山頂からの展望は無理だった。流れが速い雲間には青空も顔を見せるのだが、北鎌尾根と硫黄尾根の一部が見えただけだった。ここ数年、夏の北アルプスを歩いている。それらすべての尾根、山々を一望したかったが、残念ながら、ガスが流れる山頂を後にした。

<西鎌尾根を行く>



 <西鎌尾根・随所にお花畑が広がる>

西鎌尾根を下る。まずはジグザグの急斜面を千丈沢乗越に向かって下りる。双六を早朝出発したパーティーとすれ違うが、この斜面の登りもきつそうだ。千丈沢乗越からは尾根道となる。高瀬川と蒲田川の分水嶺になっている尾根だ。登ってきたルートも眼下に見えた。天気はというと、ゲリラ雨模様というのだろうか、雨が降ったり止んだりで、雨具を着たり脱いだり、傘を差してみたりで大騒ぎだった。

 見事なお花畑が続く中を行く。ハクサンイチゲ、シナノキンバイ、ハクサンフウロ、ミヤマキンポウゲ、トリカブト、チングルマなど、競って咲いている。樅沢岳を越えると、眼下に双六小屋やキャンプ場が見えた。大きな小屋、広いキャンプ場だ。何度も何度も振り返ったが、結局、槍ケ岳は姿を見せてくれなかった。念願の西鎌尾根だったが、ガスで展望が何も得られなく黙々と歩いただけだった。もう一度景色を眺めながら、楽しみながら歩いてみたい尾根になった。

双六池の近くにテントを張る。この日は30張以上あるみたいだ。食事で定評のある双六小屋。厨房を除くと、夕食は揚げたてのテンプラのようだった。雲間に鷲羽岳や野口五郎岳、唐沢岳が姿を現し始めていたので、それを見ながら、私たちも奮発して生ビールで乾杯した。



<双六小屋とキャンプ場>

<8/16> 雨は降っていないとはいえ、ものすごく深いガスだった。今日は笠ケ岳までコースタイム5時間半くらいだ。夕方前から雨、それも土砂降りとの予報なので、お昼過ぎにテン場に着けば良いのだろうと、ゆっくりと歩く。

鏡平分岐手前あたりからガスが晴れてきて、弓折岳では槍ケ岳から穂高連峰が一望でき、大歓声を上げる。鏡平山荘も真下に見える。だが、その時が一番の展望で、それからはまた高い山はガスの中に入ったままになってしまう……。

こちらも昨日と同じ、花々が咲き乱れる中を行く。曇天が良かったのか、雷鳥の家族と幾度か遭遇する。雷鳥にとって天敵は人間ではないのだろう、私たちの目の前のお花畑の中で無邪気に遊んでいた。

<弓折岳・ガスが晴れた>



<雷鳥>

沢装備をしたパーティーにすれ違う。打込谷を遡行してきたそうだ。金木戸川の上流で双六谷と分かれている沢のようだ。沢中で2泊と言っていた。大きな沢なのだろう。覗いてみたら上部のスラブ帯が

辛そうに見えた…前の週に遡行した北沢本谷の思い出がオーバーラップしてしまった。

カール状の秩父平からひと登りすると、抜戸岳に向かう尾根に出る。緩やかな砂礫の尾根が続いている。抜戸岳は笠新道分岐にもなっている。ここも晴れていたら素晴らしい展望を得られるのだろう。そして抜戸岩を過ぎると、テン場はすぐだった。

ゆっくりとテントを張り、笠ケ岳の山頂に向かう。雲は流れているのだが、なかなか切れ間を作ってくれない。山頂はやはり何も見えなかった。明朝は期待できるかもしれないと望みをつないで後にした。

3時過ぎから雨模様になってきた。雨具を着込んで数パーティーが小屋に向かった。到着した時はまだ数張だったテントも増えてきていた。ラジオでは洪水警報のニュースを流している。私たちはというとオリンピックの前半総集編なるものを聞きながら、ゆっくりと夜を過ごした。



<チングルマ>

<8/17> 夜半過ぎまで大雨だったが、朝には上がっていた。Iモードの天気予報は晴れなのだが、ガスは晴れていない。出発時には晴れるに違いないと期待したが無理なので、下山にかかる。抜戸岳から笠新道に入るとカール状の杓子平に出る。お花畑が点在する楽園みたいだ。晴れていれば笠ケ岳も目の前に居座っているのだろう。笠ケ岳の優美な姿を見たかったが残念ながら姿を現してはくれなかった。

途中で東京と高知の山登り団体ツアーを追い越す。どちらも20人強のパーティーだった。杓子平からは岩稜っぽい道で、忠実にジグザグに切られた道を行く。天気もまたゲリラ雨模様で傘を差したりしなければならず、急坂ではないのだが、岩っぽい道は歩きにくい。天気予報はどうしちゃたのだろう。

下は広葉樹林帯で、沢の音が大きく聞こえるようになると林道に着く。水場もある登山口だ。ここからは林道を歩き新穂高温泉に戻った。

 夏は北アルプスに一度は入りたい。雄大なスケールの自然の中で遊びたい。今回はガスばかりだったけれど、晴れればより最高の山になる。また来よう!!