矢筈岳


個人山行 報告 oza1
【日時】5月4日(水)
【天候】晴れ
【メンバー】単独
【コース】魚止山コース

【時間記録】
前日、倉谷林道終点登山口でテント泊
林道終点登山口4:45~魚止山6:45~1066mピーク7:55~駒形山分岐8:20~前矢筈岳10:25~矢筈岳山頂着10:55~矢筈岳山頂発11:25~
前矢筈岳11:50~駒形山分岐14:00~魚止山15:50~林道終点登山口17:15~テント撤収林道終点発17:40~車駐車地点18:50


【山行報告】
年初から今年矢筈岳に登ろうと考えて本やHPなどで色々な資料を見ていた。

3月20日に大方山に登った後、室谷林道の下見をした時は、かやぶきの里から先は除雪されておらず終了点は雪の壁となっていて、とても行けないと
気持ちが収縮する。

しかし、4月2日に魚止山まで偵察をと思い、林道を歩いたら足がずぼずぼと潜る上に、所々雪崩れているため決死のトラバース(個人的主観)をしたり
して林道終点まで3時間以上を要し、そこから1時間程登ったところで時間切れと疲労の為、撤退。

今度は5月1日に登ろうと4月29日に再び林道を下見に来るが1kmちょっとで通行止めになっていて日帰りは無理と断念。やはり駄目かとあきらめていた。

そんな折、5月4日はとりあえず一日中予定が空いたので、いろいろ考えた末、時期、天候、家の仕事の状況から、前夜に林道終点に泊まれば何とか
なるかもしれないと思い、矢筈岳を決行することにした。

夕方、通行止め地点に車を止め、林道終点までせっせと歩き、テントを張り、1人で軽く前夜祭をし、就寝する。

次の日、出来るだけ早く出発するつもりが、朝方寒いのでコンロをつけて寝ていたら気がつくと4時30分を過ぎていて、すでに明るくなっていた。
急いで仕度をすませテントはそのままにして歩き出した。登って行くとろうまん山房の赤布が所々についていて、比較的新しい足跡が雪の斜面にあり、
これを追えば登頂できると確信する。

この日をどれだけ夢見ただろう。一歩一歩期待が膨らむ。

魚止山手前の平らな部分に宿泊跡があり、少し行くと5人パーティがいた。お先にどうぞと譲られ、見ると沢登りで有名な高桑信一さんもいた。
ろうまんのパーティだ。

軽く言葉を交わし追い抜く。当日の足跡が無くなり、少し不安になったがなんとか魚止山に着いた。
魚止山頂から初めて矢筈方面を望んだが、最初遠くの粟ケ岳がそれと思い込みずいぶんあるなと思ったが、暫く歩いて間違いに気づいた。
次の1120mピークに向かう。

見晴らしのいい1120mピークから先は藪に突入するが、踏み跡は判る。とにかくせっせと進み1066ピークで一息入れた。

さらに進むと駒形山との分岐になり。テントが3張り張られていた。今日の足跡が続いていて、益々登頂を確信する。

最初にすれ違った人は吉田山岳会の人で、仲間の2人を見送ってきたという。次にすれ違った人も同じく吉田山岳会の人でしばし歓談する。
3人目は愛知の単独者、4人目は吉田山岳会の年配者、5人目は東京からの単独者だ。

トレースを使わせてもらい、急斜面を登りきると、前矢筈岳に着いた。ここでアイゼンをはずし、そこに置いて行く事にした。

踏み跡の薄い藪をしばらく漕いで、雪の斜面を登り山頂部に到着する。山頂近くには青里方面から来たという4名位のパーティが休んでいた。
1人と暫く話をして、山頂標識の場所に向かう。そこは雪が溶けて立派な標識と三角点もあった。

記念写真をとり、下で休んでいると更に男女2人がやってきた。青里方面からもずいぶん人が入って賑わう山頂だ。
川内の大展望を堪能し、下山にかかる、

先ほどの4名パーティとまた言葉を交わす。皆いい人達ばかりで、単独でも寂しくなく充実感で一杯だった。

前矢筈で再びアイゼンを装着し急斜面を下った。そこから、少し行った所でろうまんパーティとすれ違い、高桑さんと言葉を交わす。
少し気恥ずかしかったが、記念写真をお願いしてみた。前の女の人(岳人編集員とのこと)を呼び戻してくれ、一緒に写真をとってくれた。
今度はガンガラシの滝を登るのだという。

お礼をいい後は下るのみと急いで降りたら途中で転倒し、胸を強く打った。かなり痛くしばらく立ち上がれない。

その後、魚止山迄は辛く何度も休んだが、なんとか下りきり、林道終点に降り立った時はほっとするとともに、念願の矢筈岳に登頂できたたことに
大満足だった。

テントを撤収し、夕暮れの中、車を止めてある場所まで、今日の一日を振り返りながら歩き、帰路についた。


【行程図】