姥ケ岳(なんちゃってテレマーク・山スキー)

個人山行

【日時】2020321

【メンバー】MN型山岳会(NSDA),ゲストK

【天候】晴/曇り

【山域】 月山

【地形図】 湯殿山,月山

【実録時間】 志津車止め(標高725m7:32 −  国道112分岐(標高750m7:43    姥ケ岳(標高1870m10:59 − 11:15 − 標高890m  11:59 <昼食> 12:45  − 国道112分岐13:20


月山スキー場の姥沢までの道路は,志津の五色沼の先で通行止めである.

姥沢からの切り開きのルートは,五色沼の脇から歩き出すが,今日のルートは道路の西側を歩くので,ここからスキーを担いで一旦姥沢への除雪された道路を歩く.


【車止め】


【国道112分岐】

10分ほどで冬季閉鎖の国道112号との分岐に至る.

ここでスキーを履く.

姥沢への道路の除雪の仕上げをしている.

姥沢までは,323日にオープンするらしい.


【除雪の仕上げ】


【自然博物園】

除雪された道路脇を歩くとすぐに自然博物園への道路に出る.

ここで,除雪道路と離れ,概ね石跳沢の右岸側をゆるりと登る.

上り下りを繰り返しながら,少しずつ登っていく.


【標高860m付近】

歩き始めはカラマツが目立っていたが,次第にブナの林となる.

沢や窪地が複雑に入り混じって,ルート取りは難しいがブナを眺めながら歩くのは楽しい.

雪の量も十分である.

不足はない.

不足はないが,遠目には石跳沢は埋まりきっていないように見える.

今年は残雪期に石跳沢を滑るのは難しいようだ.


【野鳥観測小屋?】

標高930m付近に三角屋根の小屋が立っている.

どうやら自然博物園の野鳥観測小屋のようである.


【標高960m付近】

標高で950mから1000m付近までは開けた地形である.

どこでも歩き放題である.

この先から本格的な登りとなる.

効率よく高度を稼ぐ.

固くしまった雪にさらっと新しい雪が積もり,シールもよく利く.


【石見堂岳と赤見堂岳】

標高1060m付近で傾斜が一旦緩くなる.

振り向くと石見堂岳と赤見堂岳が正面に見える.

今のところ風はないが,上着を着ないと少々涼しい.


【標高1100m付近】

ここから1295m標高点の尾根まではややトラバース気味に適当にジグを切って登る.

ジグは切るが,キックターンが必要のない角度と雪の状態である.

終始ブナの林に癒される.


【月山スキー場】

1295m標高点に出ると,もう姥沢の上である.

月山スキー場のリフトが見える.

スキー場のオープンに向けてリフト下の除雪をしている.


【左手の尾根を行く.】

1295m標高点を過ぎると傾斜が緩み,尾根が一気に広くなる.

もはや,この上には灌木しか生えていない.

いつもなら,ブナが無くなれば,もはや山頂に至った気分である.

もうここで山頂である,と思う.

目的は果たした,と思う.

しかし,今日は風もなく今のところ青空が広がっている.

ここは,更に登るべきであろう.

 

斜面は,意外にも真っ白である.

こんな小雪の年でも,さすがに月山である.

とりあえず,左上に灌木が見えている尾根を目指す.

 

しばらくは真っ白な斜面をひたすら登る.

途中で,スプリットボードのテレマークの二人連れとスライドする.

 

標高1350m付近から次第に傾斜が増し,雪面もガリガリとなる.

灌木のついた尾根なりに登る.

シュカブラをガリガリ言わせながら登る.

風も次第に吹いてくる.


【標高1550m付近のシュカブラ】

標高1600m付近で傾斜も緩んでくるが,シュカブラもさざ波からうねりのような盛大なものとなる.

風は更に強くなってくる.

これでは,滑りは楽しめない.

年寄りは,ガリガリと風には弱いのである.


【山頂直下】

山頂近く,標高1630m付近の少し窪地となって風の弱いところを見つける.

本日の山頂はここでいいのではないかと後続を待っていると,DA隊員は弱っている年寄りには目もくれず,力強くガリガリと山頂に向かっていく.

仕方なく,力なくトボトボとその後を続くと姥ケ岳山頂である.


【姥ケ岳一等三角点とその先に月山】

山頂の一等三角点は基台から出ている.

その先には月山が大きく出ている.

鍛冶小屋跡に至る斜面も真っ白である.

全て真っ白である.

 

西寄りの風もそれなりに吹いている.

長居はできない.

さて,帰りの滑りである.

あのガリガリ斜面を滑るのは楽しくない.

灌木混じりのシュカブラ斜面は,なおさら楽しくない.

 

そのようなときに,あるよんどころなき危急の事案により,東側斜面に行ってみることになる.

これが,素晴らしき僥倖,もとい不幸なアクシデントではあったが,そこには粉が待っていた.

真っ白な粉が広がっていた.

締まった粉ではあったが,思いも寄らず快適な粉が吹き溜まっていた.

途中でスライドした二人連れが先に滑って行く.

我々も思い思いに滑って行く.


【姥ケ岳東面直下】

ここで,そのまま滑って行くと,月山スキー場リフトの東側斜面にまで至り,姥沢に下ってしまう.

適当なところで,登り返し気味にトラバースして月山リフトの上に出る.

 

後続を待っているうちに雲行きが怪しくなり,風も強くなってくる.

スキー場を下るころには,向かい風がブレーキとなってターンをしなくてもそのまま滑って行けるほどになっている.

1295m標高点に戻るため,雪庇の終わるところから尾根に出ようとするが,これがなかなか難しい.

高度を落とさないようにすると,足元の雪が下に崩れる.

グサグサ雪崩を引き起こしながらも,なんとか1295m標高点に戻る.


【謎の三角小屋付近】

後は快適なブナ林を滑り,適当なところでフライを張ってお昼とする.

標高1000mくらいからは雪も腐り気味となる.

いくつもの登り返しが出てくるが,大したことはない.

ウロコ板が最も楽しめる斜面が続く.

 

野鳥観測小屋を過ぎるあたりから,我々以外のトレースが増えてくる.

いたるところにトレースが付いている.

いくつものトレースの中から重力に逆らわないものを選んで滑って行くと,やがて国道112号線分岐に至り,スキーは終わりとなる.

 

この3連休には,近場では雪が無いので,秋田駒ケ岳周辺に突撃しようと計画したが,連れがいなく,急遽N型山岳会に潜入させてもらった.

おかげで,思いもよらず粉をいただくことができた.

感謝である.

 

そして,月山には今のところ十分な雪があった.ひと月は早いけど.


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