八ヶ岳/赤岳・天狗岳

個人山行ku-ninn60
【日時】2009113日(正月)
【メンバー】2人+2
【天候】曇り/晴れ
【山域】八ヶ岳
【地形図】
【時間記録】 
1/1> 新潟5:30 = 美濃戸登山口10:25 − 美濃戸11:1611:21 − 小休止12:2312:28 − 行者小屋(テン場)13:49
1/2> テン場7:25 − 赤岳山頂8:47 − テン場9:3310:10 − 美濃戸11:40 − 美濃戸口12:25 = 渋の湯登山口13:45 − 尾根分岐14:4414:49 − 黒百合平(テン場)15:57
1/3> テン場8:08 − 東天狗〜西天狗 − テン場10:3013:39 − 渋の湯14:44


2年前のお正月にもチャレンジした赤岳、その時は深いガスの中の登頂だった。一度は赤岳からの素晴らしいだろう展望を楽しんでみたかった。2、3日と同じ八ヶ岳の天狗岳に入る仲間がいるので、赤岳を楽しんでから合流することにした。自分でも大胆な計画となった。

 元旦の朝は冬型の気圧配置で、妙高ではチェーン規制もかかっていた。これだったら八ヶ岳は晴れていると、車を走らせる。諏訪PAで朝食。快晴の朝を迎えていた。目の前には八ヶ岳連峰が広がっているが、こちらも小雪なのだろうか、心なしか黒々として見える。

 美濃戸口に車を止め、歩き出す。ここから美濃戸までは車道を行く。薄っすらと降った雪はすべて固まっていて、凍っている箇所もある。やはり、4WD車かチェーンを巻かなくては上がって来られそうもない。2年前は美濃戸まで車で入りたく、スッタモンダしたが、今回はそうそうに諦め、最初から歩き出す。

 美濃戸からは山道に入る。2年前に来た時よりも雪は少ない。登りはアイゼン無しでも十分だ。道は南沢沿いに行き、緩やかな雪原が現れ始めると小屋に着く。天気は予報通りで、雲が広がり、高曇りとなっていた。この日のうちの赤岳山頂ピストンはもちろん無理だった。行者小屋周辺にはテントが10張ほど張られている。テントを設営し始める頃から風が強まり、ガスが湧き始める。

 テント泊は一人1000円。だが、ここは流水があるので、トイレ使用も考えれば、妥当なのだろう。急いでテントにもぐりこむ。夕方強まった風は夜には収まり、穏やかな元旦の夜を迎えた。この日は何度まで下がったのだろう。水はもちろん、日本酒が凍り付いていた。日本酒の氷点は何度なのだろう?

 翌朝はガス。雲の流れが速い。暗いうちからアイゼン歩行の音が聞こえた。私たちも朝食を終え、出発する。雲間から青空が顔を覗かせるが、なかなか広がってくれない。

 傾斜のきつい文三郎尾根を登る。雪は思っていたよりも安定して付いていて歩きやすい。アイゼンの軋む音も心地よい。主稜線に近づくにつれ風は強まり、顔が凍てつくが、歩くのには支障ないほどだ。赤岳直下の岩場を慎重に通過し、山頂へと至った。

 山頂からの展望は今回も臨めなかった。上空に青空は広がっているのだが、白いベールを剥いでくれない。視界も数100mだ。ただ、先回気が付かなかった山頂直下の小屋が確認できた。「え〜〜っ、こんな近くに小屋があったんだ!!」という感じ。先回は深い、深〜いガスの中だった。

デジカメが低温で作動せず、記念撮影もなく下山にかかる。赤岳の展望はまた次回への楽しみにしておこう。テン場まで戻り、アイゼンを履いたままでテントを撤収し帰路を急いだ。先回アイゼンなしで下った登山道だったが、今回は途中まで付けて下山する。そちらのほうが絶対に歩きやすい。

 美濃戸口で食料などをパッキングしなおし、車で渋の湯温泉まで移動する。駐車場で仲間の車を確認し、登山を開始した。最初は針葉樹林帯の斜面の中、ジグザグに切られた道を行くが、尾根に乗るとなだらかになる。唐沢鉱泉への分岐を過ぎ、中急斜面を登りきると、テン場の黒百合に着いた。登り始めが大分遅かったので、気が急いたが、なんとか明るいうちに到着できた。

 仲間のテントの横に私たちもテントを設営する。ここのテント代も一人1000円、だが、流水がなく、なんとなく損をした気持ちになる。だが、積雪期はこれが普通で仕方がない。この日は新年顔合わせになり、大いに盛り上がった。

 翌朝もガスの中だった。アイゼンを付けて出発する。中山峠から稜線に上がると、強風にさらされる。登っていくうちにガスは晴れ、東天狗が姿を現し始めた。上部は雪煙も舞っているようだ。登山者の姿もたくさん確認できる。岩稜が交じる急斜面を登っていくと、山頂に着いた。

 山頂からの展望は最高だった。360度の展望が得られた。空は冬の蒼、凍てつく風は強く、寒い。冬の八ヶ岳そのもののようだ。だが、風は主稜線の南東側に少し下りると遮られ、大展望を楽しんもことができた。南八ツの赤岳、硫黄岳はもちろん、南アルプス、中央アルプスや北アルプスも見える。写真はこちらも低温でデジカメが作動せず、撮れず仕舞いだった。

 西天狗まで行ってみることにする。西天狗直下はトレースが消えており、雪の斜面を登る。山頂はこちらも360度の展望。風も主稜線から外れたからか東天狗よりずっと弱く、余裕で景色を楽しめた。帰りは天狗の奥庭経由で帰る。風のない陽だまりは暖かいの一言だ。

 テン場の黒百合平で昼食の大休止とする。風はなく、テントの中だと温室状態になり暖かいを通り越して、暑い。出発する時にはデジカメも作動し、天狗岳が見える高台に登り返して、今一度の展望を楽しんでから下山した。

 一度の山行で赤岳に登り、縦走せずに天狗岳にも登る。こんなヘンテコ山行を考えるのは私だけだろう。南八ツと北八ツをピンポイントで楽しんだ。天狗岳からは素晴らしい展望を楽しむことができた。だが、やはり一度は冬晴れの赤岳に登頂してみたい。また、チャレンジしよう。



<行者小屋>


<東天狗に登る>


<東天狗と西天狗>



<黒百合ヒュッテ>