八幡平・森吉山山スキー そのT
(粉まくり‘09白い兎大作戦)
【登山形態】山スキー 個人山行
【日時】2009年2月5日〜8日
【山域】八幡平・森吉山
【メンバー】3人
【天候】記事中


2月5日(木)焼山(恐怖の橋、果たして無事渡れるか)

 「‘09白いうさぎ大作戦」の始まりは、いきなり厳しい試練が待っていた。昼過ぎ後生掛温泉に着いて早速山スキーの仕度をする。焼山へは湯治部の建物を抜けて道がある、と聞いて小さな案内板に従っていく。湯治部の廊下の途中から温泉の裏に出ると5〜6メートルの沢が流れていて、対岸は急な斜面になっている。沢には狭い橋が架かっていて1メートルも雪が積もっている。その幅5〜60センチ、もちろん誰も通ってなく降った雪がそのままである。沢までは2メートルくらいだが落ちたら痛そう。M氏は大胆にもスキーを履いて橋を渡りだした。足元の雪が少し崩れたが無事渡りきった。YO氏はスキーを持ってつぼ足で渡った。これも微妙なバランスで渡った。私もつぼ足で渡ろうと橋にかかったとたん足元の雪が崩れて、転落してしまった。さいわい沢の手前の岸に落ちたので無事だった。なんとかこの恐怖の橋を通過して、対岸の急斜面を登る。急な河岸段丘を登りきると、眼下に後生掛温泉を見下ろすことが出来る。その先は広いブナ林になる。ほとんど傾斜がないので帰りの滑りが心配だ。雪は靴が埋まるくらいの新雪で、気持ちの良いシール歩行だ。途中赤布をつけながら1時間ほど歩くとゆるやかな登りになってきた。周りの木もオオシラビソなどの針葉樹に変わってきた。雪も深くなってきてトップを変わりながら進む。国見台へは林が切れて急な登りになる。シラビソも矮小化して樹氷に変わった。先行の2人は力強く登っていくが、この登りも厳しい。歩き始めて2時間で国見台へ着いた。天候は曇りで小雪まじりの風が吹いて気温はかなり低い。ここは晴れていれば展望の良いところだが残念だ。ここから焼山へは毛せん峠、焼山山荘を経てゆるやかに続いているが、今日は時間的にここまでだ。たちまち体が冷えてきたのですぐにシールを外し滑降体制に入る。国見台からの急斜面は素晴らしい滑りだった。一気に新雪をけ立てて滑り降りる。これぞ“粉まくりだ”。白い兎(おじさん兎2・おじいさん兎1)になって雪原を行く。雪質が良いので緩斜面になっても滑りは大丈夫だ。温泉を見下ろす急斜面の上に着いて一息入れる。YO氏は温泉の全貌をカメラに収めている。登りに苦労した斜面もなんなく滑り降りて問題の橋の袂に着いた。今度は全員スキーのままで恐怖の橋を渡った。この橋の通過が本日の最大の難所だった。あとは後生掛温泉の湯が待っているだけだ。

 ここで後生掛温泉について少しレクチャーする。後生掛温泉は「馬で来て足駄で帰る」と言われるほど療養効果の高い温泉だ。湯治部もあり年間を通じて賑わっている。温泉は7種類あり、建物も湯船もすべて木で作られている。中へ入るとぼんやりと湯煙で煙っている。7種類の湯は一番大きな「神経痛の湯」、気泡の湧く「火山の湯」、木箱から首だけ出して温まる「箱蒸し風呂」、自然の蒸気を利用した「サウナ風呂」、美肌効果のある「泥の湯」、マッサージ効果のある「打たせの湯」そして「露天風呂」だ。いずれも個性的で趣があり、温泉好きには堪えられない。ぜひ一度たずねてみる価値のあるお勧め温泉である。

2日目に続く。(YA)