八幡平・森吉山山スキー その2

(粉まくり‘09白い兎大作戦)
【登山形態】山スキー 個人山行
【山域】八幡平、森吉山
【メンバー】3人
【天候】記事中


2月6日(金)八幡平(巨大モンスター樹氷原の怪? 稜雲荘はいずこに・・)

 後生掛の湯に入りすぎて、身も心もふやけきった軟弱状態から、山スキーの態勢に切り替えるのはなかなか辛い。全館暖房の旅館から、エイヤッ!と粉雪の舞う雪の世界へ飛び出した。今日は八幡平を目指す日だ。昨夜からの新雪が20センチくらい積もっている。温泉の前では除雪車が出て道路の雪を押している。旅館の前からスキーを履いて歩きだす。10分ほどで八幡平アスピーテラインへ出る。しかしアスピーテラインの除雪は、後生掛温泉の取り付き道路までで終わっている。ここから蒸けの湯までは、雪上車の轍の跡を、スキーを滑らせて行く。一箇所ショートカットをしたがひたすら道路を行く。およそ一時間で蒸けの湯の分岐に着いた。駐車場の休憩舎が雪に半分埋もれている。道路下の谷底からは噴気が盛んに吹き上げている(地球は生きている?)。ここでアスピーテラインに別れて八幡平の登りに取りつく。始めは樹林帯の急登で、30分ほどの急斜面が終わるとなだらかな広い登りに変わる。途中、赤布が煩いほど付いている。ポイントと思われる木には5つも6つもついている。登るときにせっせと付けても、帰りはスキーで滑り降りて回収しないのだなーと想像するが、違うかな? トドマツやダケカンバの広漠とした樹林帯をダラダラと登っていく。次第に樹高が低くなり木の枝にびっしりと雪が張り付いている。2時間ほど歩いてそろそろ八幡平山頂が近いのではと思うころ、これまで煩いほどあった赤布がぱったりと見えなくなった。周りの景色も一変した。木は完全に雪に覆われいわゆる樹氷に変わった。風も強く粉雪が舞う白一色の世界になった。まわりは見渡す限り巨大モンスターの大樹氷原だ。幻想的な世界である。時折雲間から弱い日がさすと、さまざまな形のオブジェが微妙に色もついてくっきりと姿を表す。カメラを取り出すうちに、一瞬にして姿を変え白の世界へ戻ってしまう。八幡平の頂上には展望台があるはずだが、と探すがその気配もない。たぶん雪の下だろう、とあきらめて八幡沼畔の稜雲荘を目指す。地図磁石で方角を確かめ進むうちに、アレ!!スキーのシュプールがある。誰かほかのパーテイが?と一瞬思ったがそんなわけが無い。自分たちの足跡だ。我々は八幡平山頂の樹氷原でループワンデリングをやらかしたのだ。これでは小屋は無理かとあきらめかけたが、M氏が任せなさい!と力強く宣言してGPSを取り出し慎重に調べ始めた。こちらの方角です、と先頭に立って進み始めた。10分もしないうちに見事小屋にたどり着いたのである。GPSは偉い!!これさえあれば無敵なのだ!! 小屋は立派だったが、中は冷凍庫だった。震えながら気合でビールを飲んだ。帰りの滑りは快適の一言。3日目に続く(Y)