初  雪  山

会山行ku-ninn69
【日時】2009321-22日(土・日)
【メンバー】6
【天候】21日・晴れ、22日・雨
【山域】
【地形図】小川温泉・舟見
【時間記録】 
<3/21> 新潟4:00 = 夢想塾7:38 −小休止8:26-8:36 − 鍋倉山9:379:55 − 大地山11:2111:33 − テン場11:3612:30 − 初雪山14:3514:45 − テン場16:23
<3/22> テン場8:33 − 大地山8:40 − 鍋倉山9:349:45 − 車10:55


 山岳雑誌に特集されていた「初雪山」。北アルプスの日本海側に近い、栂海新道の犬ヶ岳から伸びた尾根上に位置する山だった。残雪期ルートで紹介されていたのだが、写真は素晴らしいの一言。名前にしろ、山容にしろ、一目で気に入ってしまった。インターネットで調べると、日帰りで行けそうな山のようだが、遠い山でもあるので、3月の連休に1泊での山行となった。

 ルートは小川の右岸、小川ダムと発電所のほぼ中間地点から尾根に取り付くようだ。796mの三角点ピークが鍋倉山、1167mの標高点ピークが大地山というらしい。大地山までは夏道が付いているということだ。地図を見ているだけでも、とてつもなく距離が長く見える。標高差も尾根取り付き地点が200mもないので、1400m以上ある。いくばくかの不安をかかえながらの出発となった。

初日は晴れ。小川ダムの手前、発電所から小川の右岸に渡る。雪は無く、フキノトウがあちこちに顔を出している。林道終点に「夢想塾」という自然体験施設があり、車を止めさせてもらう。カモやヤギなど小動物がいて賑やかだ。

 夏道があるので登山口を探していると、沢が入っている左側に大きな道標があった。登山道は638mPまでは急登そのもの。ロープが張られているので、それを頼りに登る。雪はまったく無く、カタクリやイワウチワのつぼみが大きくなり始めていた。

 750mで主尾根になるが、その手前あたりから雪を踏み始め、鍋倉山まで来るとやっと雪一面の世界となった。先行者が数人いるらしく、トレース跡が残っている。鍋倉山から上はブナの林が広がり、尾根の傾斜も緩くなってきた。このルートは残雪期ルートでやはり人気があるらしく、木のペイントや目印テープがたくさん付いている。目印テープは高い所に付いており、今冬の小雪を顕著に表していた。

振り向くと、富山湾や遠く能登半島まで見渡せた。剱岳も白く輝いて存在を誇示している。3000m級の山々と海が同時に見渡せられるという最高のルートに違いなかった。

 大地山からの展望も素晴らしかった。そして、尾根続きの、いくつものピークを越えた向こうに初雪山がドデーンと大きくそびえ立っていた。雪が少ないせいか、まったりとした純白の光景ではなかったが、仕方がない。だが、標高差450m上のピークは果てしなく高く遠くに見えた。

大地山を越えた鞍部をテン場とする。いつものように雪のブロックを積み上げテントを張る。明日が荒天予報なので、今日のうちに山頂ピストンを決行する(オーバー!?)。朝のうちは雪は締まっていたが、大地山の下りで大分もぐったので、ワカンを付けて出発する。

地図上だけで三角点や標高点ピークだけでも5個ある。天気が良いので迷う心配はなかったが、途中の雪庇が張り出し、危険だろう箇所も小雪でほとんど無いに等しかった。アップダウンを繰り返し、雪原が広がる尾根をひたすら歩くが、ゴールピークの初雪山はなかなか近づいてはくれない。途中で下山パーティー3組とすれ違う。朝は冷え込んだので、アイゼン無しでは登れなかったそうだ。

最後の200mほどの急登を終えると、真白く輝いている初雪山の頂上鞍部に出た。電波塔(?)がよく分かる。残り50mの登りで山頂に着いた。やっと着いたという感じだった。風が強く冷たい。

電波塔が立っている山頂だ。三角点は北側の1595mピークにあるが、こちらのほうが1610mで標高が高い。山頂からは360度の展望が広がっていた。すぐそこに栂海新道が伸びている。北アルプスの剱岳や朝日岳、雨飾山や焼山もよく見える。だが、ちょうど太陽が隠れてしまい、風が非常に強く寒いので、ほとんど展望を楽しまずに下りてきてしまった。

 少し下りると風は弱まり、また陽が差し始める。同じ距離を歩かなくてはならないのだが、下り勾配なので少しは楽だ。また、いくつものピークを越えテン場へと戻った。夜は満天の星。他に誰もいないので、騒ぎ放題、歌い放題で夜は更けていった。

 翌日は予報どおり雨の朝を迎えた。ゆっくりとした朝を過ごし出発する。出発時はまだ初雪山も姿を見せてくれていた。気温は下がらず、暖かい雨の中を下る。急斜面はロープを頼りにいく。登る時にはツボミだったイワウチワも花を咲かせていた。一雨ごとに春は近づいてくるのだろう。

残雪のロングトレイルルート。もう少し雪が多いほうが、より美しい光景が広がっているのだろう。また登りたい山となった。次回は北側の尾根から入ってみても楽しいかもしれない。

 

<登山口にある道標>                      <鍋倉山の道標>


<大地山に海を背にして登る>



<大地山から初雪山の稜線>


<初雪山の登りで振り返る>

<初雪山への稜線>

<初雪山山頂直下・山頂には電波塔がある>