北海道〜旭岳・トムラウシ山・樽前山〜

会山行ku-ninn77
【日時】200991923日(シルバーウイーク)
【メンバー】9
【天候】本文中
【山域】北海道・大雪連峰
【地形図】
【時間記録】
<9/19>
 新潟 〜(フェリー)〜 
<9/20>
 小樽 = 旭岳 = トムラウシ温泉(幕営)
<9/21>
 トムラウシ山 短縮登山口5:30 − コマドリ沢8:10 − トムラウシ公園9:50 -  トムラウシ山頂11:2011:40 − 前トム平13:05 − カムイ天上分岐15:00 − 登山口16:00前トム平13:05 − カムイ天上分 岐15:00 − 登山口16:00
<9/22>
 トムラウシ温泉 = 樽前山 = 苫小牧
<9/20>
 〜(フェリー)〜 新潟


9/19(土)晴れ]今年は敬老の日と秋分の日の祝日が重なり、うれしい5連休(シルバーウィークと言うらしい)となった。この貴重な連休を有意義に使おうということになり、北海道の三山を踏破することになった。悠峰にとっては大きな計画となった。なんと言っても北海道である。参加メンバーもほとんどが初めてなのである。数ヶ月も前から北海道のことで盛り上がりをみせていた。

往復はもちろんフェリー。広い北海道を移動するのに車は不可欠、プラス楽しい船旅もできるし、安い料金もうれしい。山ノ下埠頭を10時半発のフェリーで出港する。9時から船内に入ることができ2等客室の良い場所を確保すると、デッキに出て乾杯を始める。蛍の光とともに船が動き出す頃にはもう、缶ビールの空き缶が山となっていた。眩しいくらいの日差しの中、お昼過ぎまで宴会をし、その後昼寝など思い思いに過ごす。ビデオ映画を見終わったら、もう夜の宴会の時間になっていた。22時の一応の消灯まで宴会が続き、船の心地よい揺れとともに爆睡に入ってしまった。船の旅は楽しい。一日なんてあっという間に過ぎてしまう。

 [9/20(日)曇り→晴れ]明け方4時半に小樽港着。2台に分乗し北海道の地に下りた。私自身は平成元年の北海道国体以来の北海道となる。が、20年も経っているので未開の地と同じだった。すぐに高速に乗り、大雪山の旭岳登山口に向かう。旭岳ロープウェーの乗り場に向かうにつれ、車は増えていく。最終駐車場は満車で手前の臨時駐車場に誘導され、そこから歩くことになった。

 15分ほどの待ち時間でロープウェーに乗ることができる。山頂駅は麓よりも人でごった返していた。お盆に行った上高地の河童橋付近を彷彿させるような人だかりだ。噴気活動も盛んで煙をモクモク上げている。天気は晴れの予報なのだが、雲が多く、目指す旭岳はガスの中に隠れてしまっていた。

 姿見ノ池からは観光客がいなくなり、やや混んでいるくらいの山道歩きとなる。砂礫帯の急斜面を登る。天気は回復し、旭岳山頂に着いたときにはガスは切れ、青空が広がり始めていた。広い山頂で記念撮影をする。それも参加メンバーお手製の山名入り木製看板での撮影だ。やはり北海道である。思い入れも違う。姿見ノ池より上部は砂礫帯だが、姿見ノ池より下は紅葉真っ盛り。特に山頂駅付近のチングルマ、ウラシマツツジは見事だった。

 山頂駅で順番待ちをし、麓に下りる。道路には駐車場の空き待ちの車が延々とつながっていた。私たちは美瑛〜富良野〜新得経由でトムラウシ温泉を目指す。大きな大雪連山をグルリと回り込むのだ。真っ直ぐに延びている道路、広い大地には畑や牧場が広がりたおやかな起伏のパッチワークの丘が続く。北海道の風景そのものの中をただひたすら車を走らせる。やはり北海道は広い。トムラウシ温泉のキャンプ場に着いた時はもう真っ暗になっていた。夕食は途中で買い出しをした刺身、鮨とジンギスカン。夜半には満天の星空となった。

 [9/21(月)晴れ]朝の冷え込みは厳しく、あたりには霜が下りていた。天気は良い。車で短縮登山口に向かう。登山口の標高は960m。山頂までの高低差は1200mほどになる。登山口には20台ほどの車が止まっていた。準備をして出発。登山道は整備され歩きやすい。紅葉は真っ盛り。朝方は相当に冷えたのだろう、霜柱を踏みしめながら歩く。

 カムイ天上分岐から03年に開かれた新道を行く。尾根上の緩やかな道で展望もよく、気持ちよい。十勝連峰の多分(?)美瑛岳、十勝岳、富良野岳だろう連山が見える。登山道はいったんコマドリ沢に下り、前トム平に登り返す。コマドリ沢周辺は夏には高山植物が群落を成すのだろう。紅葉もこのあたりが一番の見頃のようだ。ブナはないが、ナナカマドの赤やカエデ系の黄色が美しい。

 ジグザグの急登を終えると広い台地の前トム平だ。トムラウシ山が大きく見えるようになる。森林限界の上に出、高山的な感じが強くなる。道もここから上は砂〜岩礫帯を行く。あたり一面はウラシマツツジで赤く染められている。いったん下るとトムラウシ公園という巨岩に囲まれた庭園になる。草黄葉が美しい。周りは赤く紅葉したチングルマの葉が一面に広がっている。チングルマ始め夏のお花畑も本当に素晴らしいのだろう。

 トムラウシ公園から1時間半ほどで山頂に到着した。山頂からは360度の展望が広がっていた。大きな大きな大雪連山の真ん中に立っていた。20年以上も前の夏に層雲峡から入り、黒岳〜白雲岳〜五色岳〜トムラウシ山と縦走し、天人峡温泉に下山したことがあった。あの時はお花畑の素晴らしさに圧倒され、広く、どこもでも続く尾根を歩き通したことしか記憶にない。トムラウシ山からの展望はガスで皆無だった。今回幸せにもまた登頂でき、景色も楽しめた。ここでもメンバー特製の看板で記念撮影をする。それもトムラウシ山限定でカラーであった。

 下山も長い。大きな山容だからだろう。急坂は続かないが、距離が長い。歩いても歩いても、これでもか!といった感じだった。下山後はトムラウシ温泉で汗を流し、体を温め、テントでまた下山後の宴会となった。どっしりとした山容のトムラウシ山。厳しい気候が作り上げた自然美、素晴らしい景観、雄大なスケールの山々、そして変化に富んだ登山道。天候に恵まれ、北の山の魅力、雰囲気を思う存分楽しめた一日だった。

9/22(火・祝)曇り一時雨]夜半過ぎから降り始めた雨も朝方には止んでいた。テントを撤収し、車でまた大移動をする。夜、苫小牧から出港するフェリーに乗るのだが、その前にもう一山だ。清水から日高に抜け苫小牧に向かい、支笏湖の山、樽前山に登る。早起きして車を走らせても、やはり広い北海道だ。登山口に着いたのはお昼近くとなっていた。天気も雨模様。トムラウシ山登頂でみなの心は後退的だったが、やはり計画通りに登らなくては!と一念発起して!?歩き出す。この山は人気の山らしく車もたくさん止まっており、行き来する人も多い。

火山(活火山!)の山らしく砂礫の急登を行く。歩くにつれ、ガスは濃くなり風も強まってきた。展望も皆無に等しい。30分ほど行くと外輪に出る。ガスはしずくとなり滴り落ちてくる。山頂ドームの周りを外輪が囲み一周できるのだが、ハイキング気分の山にしたら荒天なので、すぐに下りることにする。ここでまたメンバー特製看板で記念撮影。そそくさと下りたが、晴れていたら支笏湖や山頂ドームの展望など素晴らしいのだろう。もう一度、晴れた時に登ってみたい山となった。少し遠いいが……。

苫小牧で遅い昼食を食べ、フェリー乗り場に向かう。天候にもほぼ恵まれた北海道。北海道の山、特に念願のトムラウシ山にみなで登頂できた。北海道の広さも実感できた。北海道を満喫できた。でも、もっと北海道を感じてみたい。奥深い自然に触れてみたい。もちろん違う山にも登ってみたい。北海の幸を堪能したい。観光も…etcなんて話が持ち上がる。また6年後にシルバーウイークになるという。その時にまた、なんて楽しいかもしれない。



 <9/20・旭岳>


9/21・新道からのトムラウシ山遠望>



9/21・コマドリ沢を登る>


9/21・トムラウシ公園>


9/21・トムラウシ山から表大雪連山方向>



9/21・トムラウシ公園〜前トム平に下る>


9/21・大雪連山を遠望・紅葉が美しい>