剣   岳

会山行  YAMA
【月日】7月19・20日(日・祝)
【山】剱岳
【山域】北アルプス北部
【コース】早月尾根往復
【天候】文中
【メンバー】6人


 この山には元々行く予定はなかった。というより自分の力量を考えたときに、行ける山だと思っていなかったと言ったほうが分かり易い。不安を感じながらも参加を決めたのは、この機を逃せば行くことはないであろうと思ったからである。意を決して参加のメールを担当者に送信する。

 早朝の出発となる。上信越道及び北陸道は、個人的にはこの日を入れて5週連続となる。しかし今回の山行は違う。鎖場で落ちた経験が、苦手意識を蘇えさせる。とりあえず早月小屋まででも良いではないかと思い、19日9時頃より歩き出す。



<番場島の駐車場にて出発の準備>

途中、下山者にガンバッテクダサイと声を掛けられるが、後になってこの意味がわかった。とにかく早月小屋まで約5時間、歩かねばと思い足を前に出す。地図などを見れば上り勾配で休み場所などないように見えた。優しい会長の段取りで1時間歩いて休みをとるパターンとなる。雨も樹林帯の中なのであまり気にならないでいたが、決断をしなければいけない様相になり、着れば晴れたり、脱げば降ったりの天気となった。昼過ぎ2時ころであったろうか、待望の早月小屋に到着。この時、雨具は着ていなかったと思う。上り途中、テント場が混んでいるように言われもしたが、我々の到着を待っていたかのように、6人用の設営場所は空けてあった。


 

<早月小屋(伝蔵小屋)                    <小屋前でのテント>


テント設営時周囲に溝を掘ったりするが、夜半の降雨では意味をなさなくなっていた。


 昼2時半くらいから、身体の疲れを癒すべく、ビールの泡に酔いしれる。久し振りに会長の昔話などを聞くことが出来て良かった。いつの時間からか雨となり、砂浜でテントを設営しているのではと思われる位にテントの底及び周囲を雨が元気良く流れ出す。

 夜半2時半、ふと目を覚ませば上空は満天の星空、素晴らしい。隣のテントではラーメンがどうのこうのと周囲の迷惑を考えないで話をしている。何とか眠らなければと努力をして、寝袋のなかに身を置く。

<早月小屋前より朝の雲海>

 いよいよ剱の頂上へと歩き出す朝を迎える。朝食は、あまり空いてはいないが、とにかく腹に詰め込む。空身に等しいザックで上へと向かう。ここで朝一番の歩き出しなのに、怪物のA会長は、ハイペースで歩き始める。やっぱりこの人は、負荷をかけないとダメなのだ。このペース配分では、到底山頂まではいけないので、マイペースで歩くこととする。緊張感の中、いつでも戻る気持ちを持ちながら、カニのハサミ、獅子頭とはどんな場所なんだろうと頭の中に思いめがらせながら進む。途中、雪渓あり、落石ありでかえって鎖場のほうが安心できたのは不思議でならない。

<山頂への岩稜>

 

緊張しながらも、予定の時間よりも早く山頂に到着。人が大勢いるのには圧倒される。無事この場所に立てた事に感謝をし、仲間と握手。二度と来ることはないだろう。しばし山頂で時を過ごす。何と富士の山が見えるではないか。またまた感動。

 

<山頂写真>                              <直下のテラスで>



<山頂より立山方面>

<山頂より八ツ峰>

下りでは雷鳥を見つけ写真を撮る。早月小屋で昼食をとるが、ビールを飲んだのは言うまでも無い。早月小屋から登山口までの間は、変化のあまりないただひたすら歩いた。たぶん二度と来ることはないであろうが、鎖場の緊張が薄れつつあり、多少なりとも自信の持てる山行となった。



< 雷 鳥 >