大菩薩嶺

個人山行ku-ninn81
【日時】201012日(正月)
【メンバー】2
【天候】晴れ
【山域】
【地形図】
【時間記録】
裂石登山口7:50 − 上日川峠9:25 − 福ちゃん荘9:50 − 大菩薩峠10:45 − 賽ノ河原 -避難小屋11:0511:35 − 大菩薩嶺12:05 − 丸川峠13:0513:15 − 登山口14:20


 当初の予定は日光白根山で、元旦の朝、沼田へと関越自動車道を車を走らせる。前日からの寒波で高速もチェーン規制が敷かれており、路面も圧雪状態。沼田からの一般道も凍結していて、登山口の丸沼高原スキー場に近くなると、吹雪となってしまっていた。駐車場でウロウロしていると、ロープウェーは風が強くて止まっていると教えてもらう。天候はというと、強風の中、これでもかと雪が降りしきっている。話し合う、地図を見る、ということはまったくせずに即、中止とし、スキー場を後にした。

 沼田まで来ると天候は回復してきていて青空も見え始めていた。やはりお正月はカラッとした山に登らなくちゃ、と考えた挙句、大菩薩嶺に登ることにした。富士山が真正面に見える山で、初級者ルートの山歩きという知識しかないが、メジャーな山だから大丈夫でしょ、と向かうことにした。高速を花園インターで降り、元旦から開いている本屋を見つけ登山口など情報を得る。天気は快晴で風もなく暖かい。この日は山梨県の裂石登山口の駐車場でテントを張る。

 翌日も良い天気で、朝早くから車が到着する。ナンバーを見ると県外が多く、さすがは大菩薩嶺、冬富士を見に来たのだろうと一人合点する。ルートは上日川峠〜大菩薩峠〜大菩薩嶺〜丸川峠の一周コース。天気は良いのだが、気温は低く、フリース、手袋、帽子など防寒装備で歩き出す。靴もプラ靴だ…これしかないので仕方がないのだが……。

 車道から離れ登山道に入る。雪は薄っすらと付いている程度。斜面をジグザグに登っていくと、上日川峠に着いた。ロッジ長平衛という営業小屋があり、車が10台ほど止まっている。駐車場から先は一般車通行止めなのに??宿泊者は入れてもらえるのだろう。車道は福ちゃん荘という営業小屋を過ぎたあたりまで続いていた。

 広い登山道を登りつめたところが大菩薩峠だった。ここにも営業小屋の介山荘がある。稜線に出ると風が強くなり雨具を着込む。少し歩くと、富士山が目の前にドデンと現れた。当たり前だが白い、冬富士だった。冬富士を大きくしっかりと見てみたいと、過去に数回、こちらの方の山に出向いたことがあった。だが、数回とも不発に終わっていた。今回、思いがけずチャンスに恵まれた。鮮やかな写真を撮り、来年の年賀状に使おうと(気が早いが…)チャレンジするが、冬の太陽は富士山を基点に動いているのではないだろうかと思ってしまうほど、富士山から太陽が離れてくれない。

 親不知ノ頭から少し下ると避難小屋があり、そこで昼食とする。木造の小屋で、泊まっても快適そうだ。ここから先の稜線も富士山とともに歩いていく、ピークとなる大菩薩嶺からは絶景が待っているに違いない、と胸を弾ませながら歩く。雷岩あたりから樹林帯に入り、雪も多少深くなる。斜面を登ったところ、樹林帯の中が大菩薩嶺山頂だった。展望は木に囲まれているので、もちろん皆無。開けたピークを勝手に思い描いていた自分がただ悪かった。

山頂から丸川峠への下りはコメツガの林の中を行く。雪も格段に多い。樹林が終り、開けると丸川峠で丸川荘という小屋があった。この山域、本当にたくさんの営業小屋がある。峠からはすぐに雪は無くなり、急斜面を下る。同じ標高を登ってきたのだが、こんな標高を稼いできたのかしら、と思うほど、登ったコースはジグザグにうまく道が付けられていた。こちらのほうは尾根が細いのか、尾根上を真っ直ぐに道が付けられている。尾根を下り切ると林道に出、駐車場に戻った。


<富士山>


<大菩薩峠からの主稜線>


<避難小屋>


<大菩薩嶺>





〜おまけ〜

御 前 山

個人山行ku-ninn82
【日時】201013日(正月)
【メンバー】2
【天候】晴れ
【山域】奥多摩山塊
【地形図】
【時間記録】
栃寄登山口8:10 − 登山口8:20 − 御前山山頂9:359:45 − 避難小屋9:55 − 登山口10:55


 大菩薩嶺を下山し、車を奥多摩方面に走らせた。天気も良いし、せっかく上京!?したのだからと奥多摩の山を登って帰ることにする。有名な奥多摩だ、なにしろ東京都の山だ、と山間の道路を走らせる。しかし、名前を聞いたことがあっても奥多摩≠ニいう大きな山域でしか分かっておらず、山のピーク名や登山口がまったく分からない。山の間を走っているので、山がたくさんあることは分かる。でも、それだけしか分からないのだ。

登山者の姿を多く見かけるようになると「奥多摩駅」が現れた。奥多摩の山を登る時、起点にする駅だ。「へぇ〜ここが」なんて感心している場合ではなく、登山者に奥多摩の山の情報を得ようと声をかけた。そうしたら幸運にも「奥多摩の山」というガイド本をくださった方がいた。

次はテン場探しにかかる。キャンプ場は当たり前だが、冬季で閉鎖されている。また、登山口に駐車場がない。登山者の移動は電車かバスなのだろう。ガイドブックに目を凝らし、東京都体験の森?なるところに駐車場マークを見つけ、なんとかテントを張ることができた。そこは御前山という1405mの山の登山口となっていた。ガイド本には奥多摩三山のひとつで堂々とした山容、森も深く、良さそうな山だ。

翌日、空身で往復してくることにする。車道の車止めから少し歩くと道標があり、そこから登山道に入る。最初は斜面をジグザグに切った急登。斜面を登り切ると体験の森が広がっている。炭焼き小屋や、あずま屋、展望台などが森の中に点在し、それらに合わせた散策路が交錯している。御前山→、という道標にしたがって登っていく。針葉樹に混ざりブナなどの広葉樹も多い森だ。春にはカタクリの群落もあるらしい。体験の森が終り、T字路にぶつかると縦走路に出た。

左に行くと御前山の山頂に着いた。山頂は広く、眺めも良い。遠くに富士山も望まれた。それにしても山または山が連なっている。ほとんどの山に登山道が、そして、それらの山々は縦走路でつながっているのだろう。1月でも雪はなく、カラッとした天気の下、陽だまりハイクを楽しめる。落ち葉が敷きつめられている登山道はきれいに整備され歩きやすい。道標も至るところに設置されている。電車の便も良く、登山口にはバス停もある。半日ハイクから本格的な縦走もできる、山遊びにもってこいの奥多摩、といったように感じた。

山頂を後にして、避難小屋経由で下る。この避難小屋にもびっくり。明るい台地に立つログハウス風の小屋で、水場もある。テラスの窓は大きなガラスの履き出し窓で、日光がサンサンと入り、中は温室のようだ。新潟市近郊にこのような小屋があったら、私たちの溜まり場になっているに違いない。

私たちが普段登っている山とは違った奥多摩の山。雪に閉ざされ、厳しい冬の間、ただひたすら春を待っている新潟の山々が無性に恋しくなってしまった……暖かな日差しの中の山歩きを楽しんだ後、高速で帰路に着く。水上あたりから雲行きが怪しくなり、関越トンネルの前から雪が降り出し、トンネルを越えると吹雪の世界であった。現実に戻され、下山後の恋しい思いはすっ飛んでしまった。


<御前山山頂>


<縦走路を行く>


<避難小屋>