月  山  森

個人山行ku-ninn97
【日時】2010829日(日)
【メンバー】1
【天候】曇り/ガス
【山域】鳥海山
【地形図】
【時間記録】 滝ノ小屋登山口12:00 − 河原宿小屋12:55 − 月山森13:2513:35 − 河原宿小屋14:10 − 登山口15:00


 酒田に所用があり、鳥海山の一角にある月山森に登ってみることにする。滝ノ小屋口から登ると、1時間半もあれば行けるだろう。本峰の鳥海山に登るとなると、寄り道になるので、登ったことがなかった。高山植物もまだ咲いているかもしれない。以前から気になっていた山なので、いいチャンスとなった。

駐車場は車で満杯になっている。あたりはススキの穂が目立ち始めている。下界はまだ真夏日が続いているのに、山はもう秋の気配を漂わせ始めていた。天気は曇り。滝ノ小屋までは平坦な広い道だが、小屋を過ぎ、沢を渡ると八丁坂の急登となる。ガスが流れ、振り返っても滝ノ小屋は見えない。途中、心字雪渓の夏スキーを楽しむスキーヤーを追い抜かす。

河原宿小屋のあたりはガスが深くなり、視界は利かない。ここから千畳ヶ原方面に向かう。なだらかな湿原には秋の花々が咲いている。チングルマの穂が多く、季節がよければ群落になっているのだろう。数年前にはなかった木道が続く。左手に見えるこんもりとした山(?)が月山森だ。ボタ池を過ぎると、月山森への分岐点となる。

分岐点から数分で、ピークに着く。何もないピーク、ただ遭難碑だけが鳥海山を背に立っている。ここが月山森の山頂だろう。ガスが流れ、展望は利かない。晴れれば鳥海山本峰がドデンと見え、展望を楽しむことができるだろうに残念だ。少し休憩し、山頂を後にした。来た道を戻る。河原宿小屋の手前でガスが少し切れ、鳥海山が姿を現してくれた。

名前で憧れる山がある。山形県の神室山塊にある水晶森もそうだった。何かキラキラしているような感じで、美しい山に違いないと出かけたことがあった。真夏の天気の良い日、神室山から縦走し着いた水晶森はヤセ尾根のただのピークの一角だった。ヤブっぽく、キラキラ感はもちろんなかった。

月山森も鳥海山の地図を見るたび魅かれた山だった。湿原の中を行き、ほんの少し登り、着いた山頂はこんもりとして広い。そこには月山森≠ニ木のかわいらしい看板が掲げてある。もちろん鳥海山の展望は言うことなし…と想像をたくましくしていた。

人気のある鳥海山のメーンルートから一歩外れただけで訪れる静寂感。広がる湿原の木道をひとり歩き、着いた山頂も自分だけ。今回は展望が利かず残念だったが、目の前に鳥海山がそびえ立つロケーションも独り占めできる。すごく贅沢な山を満喫できるに違いない。鳥海山を横目に、あえて登った月山森。なぜか落ち着け、好きな山となった。また季節を変えて登ってみたい…少し遠い、かな。


<月山森>


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<鳥海山>



 <ボタ池>


<分岐>