アツラノ峰(山スキー)

個人山行(山スキー・なんちゃってテレマーク)

日時】2010110(月・祝)

【メンバー】T,M(悠峰山の会山スキー突撃隊)

【天候】 山頂風雪

【山域】 飯豊

【地形図】 大日岳・飯里

【時間記録】 弥平四朗手前コミネ沢(標高360m)8:19 − 弥平四朗(旧道?)からの合流地点11:13    山頂875.5m 11:26 <昼の憩い> 12:57    弥平四朗手前コミネ沢14:32


成人の日の山は,アツラノ峰である.弥平四朗から鏡山に至る連なりの途中にある875.5mの三角点のある小さなピークで昭文社の登山地図に名前が出ている.古い日地出版の登山地図には,「アツラ谷ガッチ」とあり,登山道が引かれているが,夏道が今でもあるのかはわからない.

昨年のレポートにもあるが,取り立てて何かがあるわけではない.地味である.わざわざここに登る人を私は知らない,が,変わった名前につられて登って以来,2時間程度の軽い登りで手軽にブナの木立が楽しめるスキー山として6回来ている.

しかし,成人の日は同じコースを登っていては成人としての示しが付かない.新しいルートを開拓してこそ成人である.ということで,今日は弥平四朗の2Kmほど手前,スノーシェッドの先300mのコミネ沢から突撃である.

コミネ沢の取り付き付近に至ると,ちょうど弥平四朗への県道の除雪作業中で,その雪捨て場の一角が作業の邪魔にならないことを確認してから車を置いて出発する.

コミネ沢には以外にも取りつきから林道の道型が付いていて,とりあえずそのまま林道を歩く.コミネ沢は流れが出ていて,対岸には渡れない.

いくらも歩かないうちに砂防ダムが見えてくる.この林道は,この砂防ダムのための作業道路のようだ.砂防ダムのすぐ下のところだけが雪がつながっていて対岸に渡れそうだ.そこからなんとか左岸側にあがると,傾斜のある杉林が続いている.

標高で500mくらいから尾根筋は杉以外にブナやミズナラが現れるが,相変らず周りは杉林である.

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【スキートップをなんとか出して登る.標高590m付近】

 

新しい雪が積もっていて,深いところでは膝くらいまでのラッセルだ.ただ,雪は軽いので,キックターンもそれほど苦にならない.628mの標高点までにもいくつかの小ピークがある.この雪では,登り返しが辛そうだ.大きな木の周りにできた風による段差を切り抜け,登りやすいところを探して登る.時には木に掴まってひたすら登る.

 

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628m標高点手前の尾根】

 

今日は,風雪厳しく,休むと体が冷えそうなので,休まないでゆっくり歩き続ける.いくつものピークをやり過ごし,深い雪をかきわけて進む.時折ウサギが走り抜け,癒される.

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【標高710m鞍部付近のブナとミズナラ】

 

標高700mを越えてもまだ杉林だ.尾根筋を外さないように登り続ける.標高800mを越えて,ようやく弥平四朗からのルートと合流するが,アツラノ峰はもうすぐそこである.

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【山頂手前】

 

山頂は,単なる尾根の連なりの小ピークで,ブナが数本立っている.風が強いので,すぐに横穴を掘り,フライを被せて昼の憩いとする.

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【アツラノ峰】

 

帰りの支度を終え,いよいよ滑降だ,とはいかない.雪が深く傾斜が足りないのでスキーが走らない.登りのトレースは風や降雪でほとんど消えている.なんと下山もラッセルだ!しかも数知れない登り返しが待っている.ふかふかの新しい雪の登り返しは少々きつい.

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【標高680m付近】

 

それでも標高600mくらいから斜度も増し,ようやく気持ち良く滑られる.左に寄りすぎたルートを修正しながら杉の急斜面を滑って行くと,砂防ダムの上流側に出た.その上流側も雪がつながっており,登りの下流側よりも簡単に渡れそうなので,そこから右岸側に渡り,砂防ダムを越して作業道路に戻ると間もなく新しい雪を被った車が見えてくる.

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【取りつき場所の県道脇】

 

標高差約500m程度に登り約3時間(休憩なし),下山約1時間30分,トータルラッセル4時間以上(帰りも含めて)のハードな山行であった.

このルートは登り始めの杉林にいくつかの赤テープが付けられていたところから,きっとここから鏡山やその先に行く冬ルートなのかもしれないが,山スキー(テレマーク)には,元服の儀式以外には使うべきではないだろう.

 

テキスト ボックス: アツラノ峰

                --------- 登路   --------- 降路