權ノ神岳(山スキー)

個人山行(山スキー・なんちゃってテレマーク)

【日時】2011227日(日)

【メンバー】T,M(悠峰山の会テレマーク突撃隊)

【天候】 晴れのち曇り

【山域】 川内

【地形図】 越後白山・粟ケ岳

【実録時間】 第一貯水池手前除雪終了地点(標高145m)7:15 − 580m尾根(小休止)08:3008:39    678m標高点09:16    標高770m(小休止)09:53~10:06    山頂11:12~11:24 標高770m <昼の憩い> 11:46~12:52    678m標高点 13:12~13:25    580m尾根 13:55~14:07    第一貯水池手前除雪終了地点 14:28


 權ノ神岳は,新潟市の栗の木バイパスや和合線など南々東に向いている車道を走っていると,道路の正面にまさに象形文字の山の字のように見える粟ケ岳の左隣に位置する山で,その山の字の書き順で第2画に当たるピークが權ノ神岳で,「山の象形文字第2画の山」として新潟在住の山好きには広く知れ渡っている(かもしれない).

雪のあるときに宝蔵山に登ると,權ノ神岳の山頂からすっきりと北西に伸びる雪庇の発達した尾根が,思わず登行(滑走)意欲を掻き立てる.今年はうれしいことに近在の山にも雪が多い.これは行かねばならぬ.ということで,今週は權ノ神岳に突撃である.

以前登ったときは,2回とも高柳の先の除雪終了地点から,夏道なりに突撃したが,今回は地元T氏の案内により加茂市の第一貯水池から一の沢沿いに伸びる林道を詰めて,夏道の稜線に至る作戦だ.確かに以前登った時に,貯水池側から登ってくる人たちを見たことを思い出す.高柳からよりも距離的には近そうだ.

除雪終了地点には,すでに数台の車が停めてある.7時過ぎに歩き出すが,車から雪面に至る車道が,本日一番危険であった.なにしろ,昨日融けた水がわずかに傾斜した車道で凍りついているのだ.こんなところで転倒して遭難してはいられない.なんとか,第2貯水池へと至る車道上の雪道にあがり,スキーをセットして歩く.キャンプ場を過ぎて少しのところからその車道から分かれ,一の沢の林道へと左に進む.以外にも今日つけたと思われるわかんのトレースが先についている.

その林道をどんどん歩いて行き,杉林の尽きる標高370m付近で,その道型もあやしくなり,尾根上に見える一本杉を目指して少し開けた斜面を登って行く.古いトレースも結構ある.

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林道の終点付近(標高370m)中央奥の一本杉を目指す

一本杉の尾根に出たら,わずかに登って,トラバース気味にさらに東側の尾根に乗り換え,その尾根を北に向け,ひたすら登る.それなりに急騰で木はまばらで,雪面の状態によっては厳しそうなところである.適当にジグを切って登ると,東西に伸びる尾根上にやっとこさ出る.そのまま西に進んで,標高580mのところで小休止し,噴き出た汗を拭く.ここで,ようやく權ノ神岳から粟ケ岳が大きく広がって望めるが,まだまだ遠い.

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最左が權ノ神岳,右の顕著なピークが粟ケ岳

ここから,高柳からの夏道のある678m標高点まで,標高差約100mをいくつものアップダウンを繰り返しながら徐々に登って行く.シールを付けたままでの下りはなかなか大変なのだ.

ようやく678m標高点のあるドーム状のピークに出ると,昨日付けたと思われるスキーのトレースが残っている.高柳から来たのだろう.

ここから,一気に標高差で60m以上下る.ここもシールを付けたまま,滑り下りる.

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678m標高点から望む宝蔵山

滑り降りた鞍部からは,もう登り返しはない.ひたすら登るのみ.その鞍部の先の急斜面が今日もクラストしているが,ところどころに以外にも新しい締まり雪があるので,それほど緊張することもなくやり過ごす.

この急斜面を登りきると,傾斜も緩み,二重尾根となって気分のいいところだ.ここで本日2回目の休憩だ.

尾根なりに川内の山々を見ながら登って行く.標高800m付近で,先行のわかんの二人連れと行き違う.山頂まで行かないで,引き返してきたとのことである.

標高850mから910m付近が,地形図では表現されていないが,本コースで最も急登で,ここもそれなりにクラストしている.ここには,わかんのトレースはもうない.先の二人連れは,この急登の手前で引き返したようだ.

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標高900m付近,宝蔵山から続く白山

この急登を終えると,山頂がぐっと近くなる.おとといの雨に昨日の陽気にもかかわらず,以外にきれいな雪が付いている.腐っても2月である.この辺では,どうやら雪が降ったようだ.昨日のトレースも風で一部消えかかっている.前日のトレースは,どうも雪庇の端に近づき過ぎているようなので,トレースの無いところを歩くと深いところでは20cm近く潜るところもある.

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【標高990m付近から望む山頂

過去2回の登頂では,山頂直下は急で灌木がそれなりにあって,さらにクラストしていて一番厳しいところだったが,同じようにクラストシテイルが,今日は締まり雪がところどころにあって全く問題ない.南側に大きく回り込み,山頂に出る.

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山頂から五剣谷岳,青里岳,矢筈岳(左から),手前の黒いピークは堂ノ窪山

すぐ近くには粟ケ岳が大きく迫り,登っている人たちまで分かる.西側に目を向ければ五剣谷岳,青里岳,そして矢筈岳と川内の主峰が連なっている.

時間も早く,風もあって寒いのですぐに支度をして下山する.

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粟ケ岳

最初は締まり雪とクラストが交互に続くが,それなりに楽しめる.滑りやすいところを滑っていると,T氏から右に寄りすぎていると指摘され,直ちに修正し,北西に伸びる雪庇が連なる尾根を一気に滑り降りる.たまりません.

クラストした急斜面もスキーがあれば実に快適,と調子に乗って滑っていると,新雪に足を取られ,転倒する.

あっという間に登りで休憩した,風のない標高770m地点だ.今日はここで昼の憩いとする.

昼の憩いも終わり,下山である.空模様も天気予報通り高層雲が徐々に広がってきている.まずは678m標高点への鞍部へと滑りこむ.雪はすっかり腐れ,それはそれで滑りやすい雪である.

鞍部からは,本日最大の登り返しだ.T氏はここでシールを付ける.私は板がステップカットソールなのを生かしてそのままジグと階段登行を交えて登り返す.678m標高点ピークに出ると,守門岳の山頂部はすでに雲の中だ.しばし,T氏を待つ.

T氏はここで一旦シールを外すが,登りで休んだ570m尾根至るまでの幾度となく現れる登り返しの途中で再びシールを付け直す.

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678m標高点から權ノ神岳

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678m標高点と標高580m尾根の間,こんな登り返しが数知れず

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580m尾根,写真左側の斜面に滑りこむ.

再び標高580m尾根でT氏を待つ.この先にもう登り返しはない.東側の急斜面を一気に滑り降りる,とはいかない.この辺りから,ちょっとターンがむずかしい雪になり,慎重に滑り降りる.

一本杉を過ぎて杉林に入ると,ちょっとではなくて,相当手ごわい雪となり,林道に出るとボーゲンまで交えながらだましだましなんとか滑る.沢がはっきり分かるようになると,再びなんとかターンできるようになり,最後は,林道をショートカットして貯水池への車道に出る.車に戻りT氏と分かれ,家路につくと加茂の市街を過ぎる辺りから天気予報通りフロントガラスに雨粒が当たるようになる.

今回の權ノ神岳は,新ルートで登ったが,このコースも変化があり,私の板の場合には登り返しもそれほど苦にならないので十分楽しめたが,ここはやっぱり高柳から夏道通りに登るのが無難なようだ.

                                                      
      
登路 -----------  降路 -----------