白馬鑓ヶ岳(山スキー)

個人山行 sue

日時】201156(金)

【メンバー】Y

【天候】 快晴のち薄曇り

【山域】 北アルプス

【地形図】 白馬町

【実録時間】 猿倉駐車場06:50 白馬尻07:50 白馬-杓子最低鞍部12:15 鑓ヶ岳 13:55~14:20  2280m台地14:40 鑓温泉14:50~15:05 小日向のコル16:20 猿倉17:00


  ここ数日で一番の好天に恵まれ、麓からも山がくっきり見える。

 

〈右:杓子岳、中央:鑓ヶ岳、鑓の南東斜面をめざす〉

 

長丁場なので6時には出発したかったが、かなり出遅れてしまった。猿倉の駐車場にはすでに20台くらい車が止まっている。周辺の積雪は1mくらい。

 白馬尻を過ぎてしばらく行くとデブリが現れ始めるが、思ったより岩砕や木が少ない。連休も終わりに近く、登る人も下ってくる人もチラホラ。強い日差しで雪が緩んでシールが効かなくなり、標高2200m付近からはツボ足に切り替える。

 

〈代掻き馬近景(中央上部)〉

 

〈白馬尻から白馬岳〉

 

〈大雪渓下部〉

 

〈遠くに高妻、妙高〉

 

 標高2500m付近からは、白馬岳山頂とは反対の左方向にルートをとり、白馬岳−杓子岳間の最低鞍部に出る。黒部の渓谷を挟んで正面に毛勝三山が見える。

 稜線上は雪が少なく、夏道が出ている。少し薄雲が出てきたが風もなく最高の登山日和だ。

 縦走路は、杓子岳の巻き道以外は鑓ヶ岳までほとんど夏道が出ていて迷うことはないが、兼用靴での岩場歩きは辛い。

 

〈左側の鞍部をめざす〉

 

〈おなじみのアングル(左:白馬、右:小蓮華、手前は杓子)〉

 

〈おいしそうな旭岳の清水谷源頭部〉

 

 鑓ヶ岳の三角点周辺に雪はないが、長野県側はびっしりと雪が付いている。北側が杓子沢、東側が中央ルンゼでいずれも頂上からドロップインできるがどちらも上級者ルート。

 鑓温泉への滑降ルートは、頂上から中央ルンゼのへりを滑って少し下るとドロップポイントに立つ。

見下ろすととてつもなく広大な斜面が続いている。しかも雪崩の跡がまったくなく、スキーには最高の斜面だ。雪も適度に緩んでいるし、視界も良好。極楽スキーを満喫する。

 上部は35度くらいあるが、夏にはお花畑となる大出原のあたりまで下ると傾斜も落ちてくる。

 

〈最上部付近の状況〉

 

〈正面は天狗の頭〉

 

広大な斜面も2280m付近の台地で少し狭まる。ここから先行者のシュプールに導かれ左側のルンゼに入ったが、これば失敗だった。

 ここを、下ると鑓温泉に出るが、雪が多くて左岸側から風呂にたどり着けない。少し登り返せば右岸側に行けそうだったが、登り返す時間も体力もなく楽しみにしていた入浴をあきらめ退散する。

 

〈対岸は雪壁を降りればすぐに湯量豊富なお風呂。写真のさらに右手にはテント泊のパーティーも。〉

 

 鑓温泉からさらに広い沢の中を標高1600mくらいまで滑り降りると小日向のコルまで約200mの登り返しとなる。このわずかな登りが疲れた体には非常にきつかった。

 

〈小日向のコルへ向かう途中から鑓温泉方面を振り返る。滑降ルートは写真右上の岩稜の裏側を下りてくる。中央の黒く小さい「ノ」の字のところが鑓温泉〉

 

 やっとのことで小日向のコルに着く。ここから600mの最後の下りが待っている。コルは広くロケーションもよく、テントを張った跡がいくつもあり、多くのシュプールが交錯しているが、今はもう誰もいない。下山を急ぐ。

 コルからはまっすぐ下って、夏道のある台地に出るが、まだまだ下り斜面は続く。我ながらよく登ったものと感心する。

ブナ林の中のシュプールをたどって行くと直接猿倉の駐車場に出た。充実の1日だった。