足沢山〜太郎助山〜百字が岳(毛猛山敗退)


個人山行ku-ninn108
【日時】201152122日(土・日)
【メンバー】3
【天候】<5/21>曇り/晴れ、<5/22>雨のち曇り
【山域】毛猛山塊
【地形図】毛猛山
【時間記録】
5/21> 新潟5:00 = 登山口7:30 − 762mP8:459:00 − 休10:1210:27 − 足沢山 10:58 − 1084mP11:2711:45 − 休12:3512:48 − 太郎助山直下(テント)13:3814:05 − 百字が岳14:5015:20 − テント15:57
 <5/22> テント9:45 − 足沢山11:5012:05 − 762mP13:3013:45 − 車14:35


 「今年は雪解けが遅いので、まだ毛猛山に行けそうだ!チャンスだ!!」の一言で、毛猛山に行くことにする。名前からにして猛々しい毛猛山。マイナー12名山の一座で、山深い、険しい、ヤブ+ブヨ、の山という印象があったせいか、今まで行こうとしなかった。インターネットで記録を見るが、残雪期にはそう手こらずに登頂できるかも、やはりチャンスだ!!と、あまり深くは考えずに出発した。初日はそこそこの天気で、夜から翌日曜日が全国的に雨模様となるらしい。

 国道252線と只見線が接近したところの広場に車を止める。ここから線路の鉄橋伝いに末沢川を渡り、すぐの尾根に取り付く。最初は踏み跡が薄い、とあったが、尾根上はヤブがうるさい程度で道ははっきりとしていた。これだったら楽勝かもしれない!と後から思えば能天気に登っていく。天気はどんよりとした曇り空だが、芽吹いたばかのブナの新緑やタムシバ、ツツジなどの花が美しい。

1ピッチで762mピークに着く。ここで初めて足沢山と太郎助山を見ることができた。ここからは明瞭なヤセ尾根の上を行く。途中右側からぶつかる尾根にはっきりと道が付いている。822m標高点に向かう尾根で、711m三角点ピークから私たちが登った地点に下りられる。本当に道形がはっきりとしているのだったら下りてみたい尾根だ。足沢山直下から雪渓の上を歩く。急な雪渓を登り切ると足沢山で、ここから方角を変え、縦走路に入る。太郎助山の右手には桧岳の三角錐が美しく見える。足沢山からは雪の上を歩くはずだったのに、ヤセ尾根の上のヤブこぎが続く。低い潅木のヤブだ。雪があっても割れていたり、切れている箇所が多く、ひたすらヤブの中を行く。

太郎助山の直下の雪渓上にテントを張る。ようやく到着できたという感じだった。だが、翌日の天気を考え今日中に毛猛山をピストンしたほうがよいのでは、と魔が差したとしか言いようがない結論に達し、幕営後すぐにテントを後にした。太郎助山山頂でようやく毛猛山が姿を現した。百字が岳、中岳、その奥に毛猛山が黒々として!?そびえ立っていた。太郎助山からの参考コースタイムは2時間だったはずだ。時間的にはギリギリ明るいうちにテントまで帰ってこれそうだ。朝方曇っていた天気は回復し、青空が広がっていた。

百字が岳へはほとんど雪渓上を歩け、距離と時間を稼ぎ百字が岳に着く。百字が岳から桧岳は地図上では尾根上に登山道が記されているが、現在は廃道となっているのだろう。ピラミダルな鋭鋒の桧岳、山仲間が以前から登りたがっている山だ。お土産にと、写真を撮る。

前を歩いていた仲間が大きな声で何か言っている。百字が岳の下りから猛烈なヤブとなったのだ。太郎助山から仰ぎ見た時黒々としていたのだから、ヤブこぎになると分かっていたはずなのに、ヤブが想像以上に深かったようだ。参考コースタイムの2時間はどのような状態でのタイムなのだろうか。時間を見ると3時。あと1時間では着かないだろう、2時間近くかかるかもしれない。明日の天気のことを考えると進みたいのだが、そうすると明るいうちにテントに帰れないかも、そんな危険を冒すのだったら引き返して早くテントで乾杯しようということになり、即座に回れ右をして毛猛山を後にした。夜は予報に反して静かに過ぎていった。

翌朝はガスの中。毛猛山ピストンは早々に諦め、せっかくだから桧岳をピストンしようかと話していたら本格的な雨となった。その時点で桧岳ピストンも止め、朝から宴会となり、ゆっくりとした朝を過ごす。深いガスの中、毛猛の方向を仰ぎ見る。昨日、太郎助山からやっと姿を見ることができた毛猛山。本当に山々の最奥に位置する山だ。山頂からはどのような光景が広がっているのだろうか。残雪期には日帰りピストンする人が多い山だが、私たちは1泊でも登頂できなかった。近くにいるのに未知の山となってしまった。

出発時もガスで何も見えなかったが、足沢山では雨も上がり、周囲の山々も見え始めた。登りではそれほどのヤブではないと思っていた足沢山からの下りも、ヤブがこれ以上ないくらいにうるさく感じる。最後は尾根を外してしまい、ブナ林の急斜面を只見線の線路に下りた。ヤブで疲弊し、すべてがびっしょりになって下山した。

ゴールデンウィークに続き、目的の山に行けずの山行だった。どの山にも登る適期がある。それを考えずに山を選んでしまっているのだろうか。それとも根性なし≠ノなってしまったのだろうか。ピークハンターではないが、自分なりの達成感が得られない寂しさがあり、チャンスを生かしきれない自分が空しかった。


 <鉄橋を渡る>



<ブナの新緑の中を登る>


<762mピークから見る足沢山>


<太郎助山と桧岳>



<太郎助山頂直下のテン場>


 <毛猛山・中岳・百字が岳>


<百字が岳からの桧岳>