窓明山〜三岩岳〜会津駒ヶ岳

個人山行ku-ninn107
【日時】2011535日(連休)
【メンバー】2
【天候】曇り/晴れ
【山域】尾瀬山塊
【地形図】内川・檜枝岐・会津駒ヶ岳
【時間記録】
<5/3> 新潟5:00 = 小豆温泉9:00 − 休9:5010:00 − 休11:0011:10 − 家向山分岐 11:50 − 休12:0512:20 − 窓明山13:5014:00 − 坪入山15:11 − 1754mP15:33
<5/4> テント6:40 − 坪入山7:10 − 窓明山8:30 − 休9:009:10 − 三岩小屋9:40 − 三岩岳10:2510:35 − 休11:2511:35 − 大戸沢岳12:25 − 休12:3012:45 − 会津駒ヶ岳13:2013:30 − 駒ノ小屋13:4013:55 − テント14:05
<5/5> テント8:40 − 登山口10:07 − バス停10:37


今年の連休は天気も良さそうなので、昨年計画倒れになった会津丸山岳を計画した。縦走だと公共交通機関がなくタクシーのみなので、途中の良さそうなところをベースにして丸山岳をピストンすることにする。会津朝日岳か窓明山からの入山になるのだが、朝日岳からはヤブこぎがあるとのことなので、窓明山から入り坪入山を越えたところにベースを作り、中日に丸山岳をアタックすることにした。2万5千分の1の地図を見るとやたらに長い、インターネットで見てもどのパーティのコースタイムも大分かかっている、が、どうにかなるでしょ、と深くは考えずに出発した。

 天気は晴れ。夏道の登山道を行く。登り始めが急で、ここでバテ気味となる。尾根が広くなり始めたあたりから雪が出始め、家向山へのブナ林の登りから雪道となった。アイゼンを付けた先行者がいるようだ。相方が「あっ、アイゼン忘れた」がつぶやくが、気にも留めずに歩く。家向山分岐からいったん下り、そこから窓明山頂まで400mの登りとなる。荷物が重く、ブナの素晴らしい原生林の斜面も景色を楽しむ余裕などない。いくら歩いても山頂に到達できないように感じる。青空だった空も高曇りとなり、風が冷たい。

 窓明山に着いた時は疲労困憊状態。こんなことで丸山岳まで行けるのだろうか。そうそうアイゼンがないと、早朝クラストしていたら出発できないかもしれない。でも、丸山岳に行けるのは今回がチャンスかもしれない。でも、もう歩きたくないなあ。などと、いろいろな思いが錯綜したが、とりあえずは北に向かおうと坪入山へ向かう。尾根が西に方向を変え、少し下ったところで単独の人に会う。丸山岳から縦走してきたそうだ。何時間くらいかかったか聞いてみると、「丸山岳の北側の肩から10時間」。??!!!情報としては仕入れていたのだが、実際に聞いてみてやっと実感する。坪入山から少し行ったところをベースにし、丸山岳をピストンしたいと言ったら、空身なので可能ではないですかとの返事。それでも片道6〜7時間はやはりかかるのだ。往路、復路ともアップダウンは同じなので、倍だと12〜14時間ととてつもなく長丁場だ。テントまで無事に帰ってこられるのだろうか、と心配になる。それでも今日の目的地までは行こうと気を取り直して歩く。坪入山から方角をまた西に変え、1754mピークにテントを張った。夜は星空はなく、夜半過ぎから風も強まってきた。

 翌日は晴れ。さて、丸山岳ピストンをどうするか。テントの周りはクラストしていないようだか、尾根はわからない。早朝に出発しても明るいうちに帰って来られないかもしれない。と、消極的になってしまい、行く気は失せてしまっていた。ゆっくりと会津駒ヶ岳へ縦走することにし、テントを撤収して昨日のルートを窓明山に戻ることにする。丸山岳は遠くに見えた。いくどもアップダウンを繰り返した尾根の向こうにそびえ立っていた。そこだけ朝日に照らされて何をも寄せつけないような輝きを放っているようだった。

 窓明山から窓明湿原にいったん下り、三岩小屋に向かって登り返す。小屋は半分以上雪に埋まり、使えない状態だ。三岩岳山頂ではガスの中となり、風が冷たく雨具を着て縦走路を歩き出す。十数年前の同時季に縦走したルートだった。こちらは標高差が少ない、時間的にもゆったりとしている。トレース跡がしっかりとついているので、この時季、縦走する人は多いようだ。少しずつ高度を上げ、大戸沢岳に着く。風が強く、雲の流れが速い。はやり丸山岳に行かなくて正解だったとひとり合点する。登山者の姿を確認できたと思ったら会津駒ヶ岳山頂だった。山スキーヤーが多く、スキーのトレースがものすごい。天気は回復しガスは晴れ、青空が戻り始めていた。駒ノ小屋は営業しており、登山者でにぎわっていた。この日は少し下りた樹林帯でテントを張る。昼間強かった風も夜には止み、夜中は満天の星空となった。

 最終日も晴れ。天気が良いので駒の山頂まで行ってくることにする。昨日と違い誰もいない山頂からは360度の展望が得られた。尾瀬はもちろん、平ヶ岳から奥利根の分水嶺の山々を追いかけて見る。中ノ岳や越後駒も大きく見える。素晴らしい展望が広がっていた。そして丸山岳も昨日の朝と同じ輝きを放っていた。昨日頑張れば行けただろうか、と少し後悔が頭をよぎる。奥深いところに位置する、遠い遠い山だ。いつかは行けるのだろうか。私には遥か遠い山となってしまった。

 あまりの多くのトレース跡で歩きにくい雪面を下る。登ってくる登山者も多い。針葉樹林からブナ林になり、一箇所急斜面を下りると尾根腹にジグザグにつけられた夏道になる。木の階段を下りると林道だった。沢沿いの林道をフキノトウを採りながら行く。春の日差しの中、ひたすら歩く山よりも、のんびりとした山がいいなあ、と思ってしまうひととき。山は逃げないけれど、気力、体力は衰えていく……。


  <初日のテン場からの丸山岳>


  <坪入山の下りから窓明山を見る>





<窓明湿原から三岩岳に向かう>



<三岩小屋>


<三岩岳からの縦走路>






<会津駒ヶ岳から小屋に向かって下る>



<駒ノ小屋>




 <最終日の駒ヶ岳山頂>


<2日目のテン場>


 <ブナ林を下る>