阿武隈川 南沢


個人山行  oza1

【日時】 201187

【メンバー】 3人
【天候】 晴れ後曇り
【山域】 那須連峰

【コース】 阿武隈川南沢~甲子山
【地形図 2.5万】 甲子山
時間記録】AM750 大黒屋下駐車スペース発  820南沢出合(入渓)-- 830 (F1)  1000(F4) 1130(F9)- 1250 登山道 - 甲子山山頂 13:1014:00 - 15:20大黒屋下駐車スペース着


南沢は、那須連邦の北端に位置する甲子山の南面を源頭とする阿武隈川の支流で、出合から稜線までの標高差570mの比較的短い沢と言われている。しかし、短い間隔で登攀要素の高い滝がF1~F10まであり、最大のF9は高さが30mある。コースタイムは4時間程度となっているが、技術の未熟な我々ではもっと時間がかかるだろう。

今回は車をOGが出してくれた。新潟を朝4時過ぎに出発する。日がだんだん短くなっており、まだ薄暗い。高速を会津若松まで乗り、一般道に降り、水戸方面と書かれた日光街道を進む。下郷町で左折し最近出来た甲子トンネルを潜り、715分頃に甲子温泉の大黒屋に到着。その下の駐車スペースに車を止める。既に何台か車は到着していた。隣の車の男性は我々と同じ南沢に入るという。支度を整え出発。今来た道を戻るように歩く。少し行くと沢支度をしていた単独の男性がおり、その方も南沢に入るというので入渓する道を聞く。その方はF4で引き返すという。教えてもらった通り道を行くが、途中でまた解らなくなり、別の方にもう一度南沢への道を聞いた。一緒に歩いて、ここ降りていくと南沢出合いだと丁寧に教えてくれた。おかげでドンピシャリ、南沢出合に着床した。南沢は入り口が樹木の枝がかぶさりわかりにくい、又ほんの少し上流には一里滝沢が流れこんでおり、これもよく間違えやすいらしい。おかげで迷わずここまで来れたが、標識など一切ないので誰にも聞かないで最初に来ようとするとかなり難しいと思う。

南沢に入るとまもなくF1が現れる。容易に越せるとネットなどに書いてあるものの、いきなり10mクラスの滝なので転落の恐怖感がつきまとい少々緊張する。その次のF2(10m)は先行の男女2人組みが取り付いている最中で、ロープ確保で登っていた。倒木が滝にかかっておりその右を登っている。先行が登り終える頃、先ほど声を交わした単独の人がやってきた。我々は遅いので先にどうぞと言ったが、いいえお先にどうぞと言われたので取り付きを開始する。残置ハーケンがあり、2ケ所にランニングをとる。上部で少し手間取るが何とか越せた。単独の人はゆっくりとだがノーザイルで上がってきた。

次ぎのF3(15m)は登れないので右側を大きく巻いた。続いてのF4(10m)も垂直に近く、簡単ではなかった。残置スリングの力を借りてやっとのことで越える。

F5はやや低く7mだが、どこを登っていいかわからない。考えあぐねているうちに男女のペアがやってきて、男の人が手がかりは乏しいが倒木がかかっている中央の壁をなにごともないようにするすると登って、女の人にロープを垂らした。とても出来そうになかったので俺とFUJIは右側のヒドを高巻き、OGUはロープ確保で中央を登った。

F6(12m)も先行ペアはロープを使っていたが、傾斜もやや緩く足場も豊富だったので、ロープなしで登る。続くF7(210m)、F8(7m)をフリーで越えるといよいよF9(30m)が現れた。難しくなさそうなのとランニング支点の箇所もなさそうだったのでフリーで登っていったが、上部では高さがある為、下を見て体がすくんでしまった。“ひょえ~”今日一番のビビりだった。後続はもちろんロープで確保する。最後のF10(6m)を越えると二股に着いた。先行のペアは右俣に行くという。調べた資料では最後がガレていて急だとのことなので左俣を選んだ。30分位歩き、だんだん水量が減ってきたところで、右に道跡らしきものがあり、詰めていくとやがて藪になった。5分位藪を漕いで、どちらに行こうかと迷い始めた頃、突然登山道に出た。そのまま登山道を20分位で甲子山頂へ到着した。二股で右俣に行ったペアがすでに到着し休んでいた。

山頂で50分ほど昼休憩をとり、午後2時に下山を開始する。1時間15分ほどで大黒屋に着いたが、なんと日帰りの入浴は3時までとなっていた。しかたないので近くの“ちゃぽランド西郷”に行く。なかなか良い日帰り温泉施設で運転のOGUには申し訳けないが、冷たい生ビールが最高に美味しかった。
 
 南沢はガイドブックでは比較的簡単そうに書かれているのだが、それは中級者の話しで、我々の技術ではまだまだ難しい沢だと思う。今回は運よく登れたが、安全確実に登るには、岩登り技術、臨機応変なロープワーク、確保技術などがまだまだ足りない。又、他グループのほとんどが使用していたようにF2とF9は50mロープが基本だと思うので、それを山で使いこなす技術、体力を身につける練習がメンバー全員に必要だ。


大黒屋



南沢出合 (奥が南沢)


F4(10m)


F9(30m)


登山道を下山