石見堂岳〜赤見堂岳

個人山行ku-ninn129
【日時】2012545日(連休)
【メンバー】4
【天候】曇り/
【山域】朝日連峰
【地形図】赤見堂岳
【時間記録】
<5/4> 新潟5:30 = 大井沢9:20 − 670mP10:1010:25 − 1080mP11:4512:00 − 石見堂岳12:4013:00 − 1200m鞍部13:30
<5/5> テン場7:00 − 赤見堂岳8:00 − テン場8:409:00 − 石見堂岳9:00 − 951mP9:5510:10 − 670mP10:4010:50 − 車11:30


 当初は2泊3日、3人で天狗角力取山から障子ヶ岳を越え、赤見堂岳まで行く予定だった。赤見堂岳界隈13回踏破という猛者のお迎え付きというハッピーな計画であった。それが、連休初日の予報が悪く、障子ヶ岳から枯松山のすさまじいといわれるヤブこぎは無理だろうと、鍋森から赤見堂岳の縦走とした。なおかつ、あまりの荒天予報に、1泊2日で石見堂岳から赤見堂岳ピストンとし、最終的には赤見堂岳は無理して行かなくてもねえと、天気の悪化にともない気持ちが萎えていき、仲良く4人での山行となった。


 
3月に開通したばかりの日東道に温海から乗る。温海から鶴岡までの区間が開通しただけでも時間が得した気分になる。新潟を出る時は降っていたが、登り始めは青空ものぞく良い天気。車道から小檜原川左岸の尾根に取り付く。林道歩きがないのがうれしい。尾根が細いと夏道が出ているが、ヤブこぎというほどでもない。ブナの新緑がまばゆく、イワウチワの花もかわいらしい。標高800メートルくらいから安定して雪の上を歩けるようになった。山スキーのトレースが薄っすらと残っている。



ブナの素晴らしい林が続く。新芽は大きく膨らみ、今にも芽吹きそうだ。3ピッチ目で石見堂岳に着いた。雪原が広がる山頂。魚沼の桑ノ木山にどことなく似ている。残念ながら月山はガスの中。これが青空だったら、どれほど素晴らしい光景が広がっているのだろう。さて、山頂へと向かう。山小屋と見間違うという大岩がある山頂だ。



 山頂の大岩は乾いていて温かい。高曇りの天気とはいえ、近くの山々はすべて見渡せる。赤見堂岳がドデンとして見える。クジラが寝そべっているように見えるという山容だ。春が浅いと、より白く輝いて見えるのだろう。そこから続くたおやかな尾根、その尾根の向こうに障子ヶ岳が見える。枯松山までは尾根が広く雪の上を歩けそうだが、そこからは尾根がやせており黒々としている。あそこのヤブはすさまじい!!と言わしめる縦走路だ。残雪が多いといわれている今年でも、ヤブこぎは必須の感じだ。


 どこにテントを張るか考えたが、翌日のこともあり、石見堂岳と赤見堂岳のほぼ中間の標高1200mの鞍部に幕営することにする。天気は下り坂で、赤見堂岳も見えなくなり、テントを張っている時に雨が降り出してきた。夜半過ぎには暴風雨となり、朝も深いガスの中。風もまだ強く、時折雨が音を出して降ってくる。何回も来ている1人はもちろん、もう1名も動く気はないらしい。せっかく来たのだから赤見堂岳まで行ってこようと2人で出かけることにする。


 1355mのピークで大きな尾根に乗り方角を変える。雪を拾いながら小さなピークをいくつか越えると、ヤブの中に赤見堂岳の三角点がヤブの中にあった。誰かがヤブ刈りしてくれているのだろう。ヤブの中にポツンとある三角点。探しものを見つけたときのようなうれしい気持ちになった。そして、三角点があるという以外、何も見えない山頂。どのような光景が広がっているのだろうか。今度来るときの楽しみにとっておこうと、山頂を後にした。



テントを撤収し、下山する。石見堂岳もガスの中。雪斜面を下っていくと、ブナの新緑が濃くなる。雨に濡れた新緑は美しい。この山に惹かれるのがわかったような気がする。ブナの林、たおやかな稜線、広がる雪原……魅力満載の山だった。また来たい。ガスの中を何回も振り返り、春真っ盛りの中に入っていった。