空沢山(山スキー・テレマーク)

個人山行(山スキー・なんちゃってテレマーク)

日時】201233(土)

【メンバー】Y隊長,M(悠峰山の会山スキー突撃隊)

【天候】 小雪

【山域】 頸城

【地形図】 湯川内

【実録時間】 笹倉温泉(標高460m8:56 − 892m標高点付近10:18 <休憩> 10:28    火打山川支流スノーブリッジ11:09    山頂(1420.9m12:38 <昼の憩い> 14:10    火打山川支流スノーブリッジ14:26 892m標高点南側林道14:50    笹倉温泉15:27

 


 

会山行の白鳥山は前夜現地(上路)に泊まって翌日の日曜日に登ることとなった.せっかく糸魚川まで遠征するからにはそのあたりの手軽な山に登ってみたい.そこで,まだ行ったことが無い空沢山に突撃である.

空沢山は地元有志による焼山ヘリスキーの着陸地点付近の山で,焼山や海谷山塊の眺めが素晴らしいとのことで,一度は進攻せねばならぬと密かに作戦計画を温めていたのである.

当初の作戦ではシャルマン火打スキー場のトップから放山経由で尾根なりに空沢山に至り,空沢と火打山川の間の尾根を滑って焼山北面ルートに合流し,その後は笹倉温泉に降りて温泉ですっきりしてからバスとJRで能生駅に置いた車を回収して上路に向かい,白鳥山登山口にテントを設営してビールでも飲みながら後発隊の到着を待つという,お気楽足慣らしプランを考えていたが,現在糸魚川市在住のY突撃隊長の「移動に時間がかかりすぎる!軟弱は人生の堕落である,笹倉温泉から直接空沢山に突撃じゃ!」の一言で,もともと十分に堕落はしているが,笹倉温泉からの突撃と相成ったのである.まぁ最近もスキー場外に出た人達が遭難騒ぎを起こしているので,その方が無難でもあるのだ.

午前9時前に笹倉温泉に到着すると,小雪というか霧雨のようなものが降っている.天気は回復傾向との天気予報に期待し,出発する.

意外なことに土曜日というのに我々の他には誰も登っていない.最近付けられたトレースもないようだ.それにしても雪の量が半端ではなく多い.電線に張られたワイヤーに手が届くところもあるくらいで道型も分からなくなっている.

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【かつてない積雪,左奥の正面を登る.】

雪はこのところの陽気のせいでぐさぐさだ.火打山川にかかる橋の上には写真のとおり雪がてんこ盛りである.この橋を越えるといよいよ本格的な登りが始まる.

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【火打山川にかかる橋,雪点てんこ盛り】

初めは杉林の中に付けられた林道をショートカットしながら適当に高い方に向かって登る.杉林を抜けると小さな看板があり,その先には見上げるような急斜面が正面にあり,そこには驚くことに林道がまさしく九十九折れに付けられている.そこもジグを何度も切りながらほぼ直登してゆく.雪は腐っていて登るのにどうということもないが,下のざらめ雪の上に湿り雪がのっていて,雪崩そうでいやらしい.実際そこいら中に古いデブリが残っている.おまけに,遠くからひっきりなしに雷のような雪崩れる音が聞こえる.標高750m付近から林道は892m標高点ピークの西側を巻くように付けられているが,雪が多いうえにそのデブリのせいで,それに気付くことなく標高800m付近まで登りすぎてしまう.一旦林道に向かうべくトラバースするが雪崩リスクが高そうなので,そのまま892m標高点のピークまで登って,ようやく休憩とする.

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892m標高点付近】

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【これから登る尾根(正面)と火打山川支流】

そのピークから少し降りるとこれから登る尾根と渡渉点が気になっていた火打山川がはっきりと見える.しかし雪がしっかりと割れて流れが出ているのは地形図の火打山川ではなくて空沢と火打山川の間の支流である.

空沢山の頂上付近には雲がかかっているが,天気予報のとおり,徐々に青空も覗き出し暑いくらいだ.

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【正面クラックの入った斜面の右側尾根を登る.】

標高差で30mも下ると,巨大な砂防ダムへと続く林道に出る.ここは,この雪でも道型がはっきりとわかる.そこから火打山川支流の渡渉個所を探して火打山川の広い雪原を歩く.地形図の火打山川は全くわからない.火打山川支流はこの大量の雪なのに深く雪が切れて水流が出ている.

ようやくY隊長が対岸に渡れそうなスノーブリッジを見つけ,なんとか対岸に渡る.雪の多い今年でも渡れそうなポイントは限られているようだ.尾根の取り付きが予定地点よりも上流側であるが地形図で見るほど急傾斜でもないので,そこから予定の尾根に向かってそのまま登る.

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【火打山川支流のスノーブリッジを渡る.】

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【山頂へ至る尾根:3D

そこから続く尾根が素晴らしい.穏やかで適当な傾斜が上下左右にずっと続いている.もうどこを登ろうと好きにしてくれ!である.

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【登る,ひたすら登る】

山頂が近付くに連れ,強い日差しは無くなって雲の中に入ってしまう.あっという間に視界が無くなり木が無いところでは白い斜面と白い空の境目が分からなくなる.

歩き始めて4時間近く,ようやく周りよりも申し訳程度に高くなった山頂立つ.どう見ても山頂というよりも火打山に続く尾根の途中であるが一応山頂は山頂である.

途中暑いくらいの日が差していたのに楽しみにしていた焼山の景観は今朝の天気予報とともに濃いガスの中である.

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【山頂】

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【一番高いところで昼の憩い】

ゆっくりと昼の憩いを過ごし,外に出ると相変らず周囲20キロメートルは霧の中だ.登るときには火打山川から上の尾根の雪は粉雪とまではいかないが,それなりに楽しめそうだと思っていたが,いざ滑ってみると意外に手強く,なんちゃってアルペンターンで滑る.Y隊長は軽快に滑り降りて行く.

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【登りと同じ渡渉点】

登りで使ったスノーブリッジを再度渡り,さらに892m標高点ピークと981m標高点鞍部を目指して登り返す.この辺から雪は腐り気味なのでステップカット板では問題なく登り返せるが,なんとY隊長もシールを付けることなく登り返す.さすがです!

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892m標高点ピークと981m標高点ピークの鞍部】

鞍部に出ると更に892m標高点ピークまで登り返す気力はどこにもなく,そのまま892m標高点ピークの西側を巻いて九十九折れの林道斜面に出ることにする.

今日の雪の状態では,この巻き道のルートはやはり雪崩リスクが大きいようで,登り過ぎたと思ったが登りに使ったルートが正解のようだ.

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【こんなところ滑ります.】

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【九十九折れの林道斜面】

九十九折れの林道斜面もほぼ登りに使ったルートそのままに林道をショートカットして滑るが,一度など止まったとたんに自分が滑って落としたずぶずぶ雪が斜面側の腕近くまで押し寄せてきてあせる.

その急斜面をクリアーすると後は杉林の中を適当に滑れば渡ってきた橋に出る.笹倉温泉はもうすぐそこである.

視界が無くて残念ではあったが,空沢山から北西に伸びる尾根は雪が良ければ,斜度も適当で素晴らしいところだ.条件の良いときにまた来たい.ただ,本日の空沢山は翌日の白鳥山の足慣らしどころか十分に足ごたえのある山だったのである.

なお,笹倉温泉には出発前に車の鍵をフロントに預けて駐車させてもらった.感謝である.

 

   登路 --------  降路 --------