笠 ヶ 岳

個人山行ku-ninn141
【日時】20121067日(土・日)
【メンバー】1
【天候】10/6曇り・10/7晴れ→曇り(一時雨)
【山域】北アルプス
【地形図】
【時間記録】
<10/6> 新穂高温泉6:00 − 登山口7:05 − 標高17008:008:10 − 標高21009:009:10 − 杓子平10:2510:45 − 抜戸岳12:0512:20 − 笠ヶ岳山荘13:30(山頂往復)泊
<10/7> (山頂往復)小屋7:30 − 抜戸分岐8:459:00 − 杓子平10:0010:20 − 192011:45− 登山口13:05 − 新穂高温泉14:00


 天気予報も悪くはないので笠ヶ岳に登ることにする。数年ぶりにお盆に行った際にも荒天だったので、晴れている笠ヶ岳に登ってみたかった。今回は単独で、小屋泊まりの計画。食事付の小屋泊まりはウン十年ぶりとなる。連休中日だと駐車場や小屋が心配なこともあり、金曜日の夜に新潟を出、土日の計画とした。新穂高温泉には深夜0時過ぎに着く。無料駐車場の入口にガードマンがいて、説明を始める。「無料駐車場はすでに満車で、ここから車で5分、歩くと30分の別の無料駐車場か、奥の有料駐車場に止めてもらうしかない」「???」コースタイムが8時間近くもあるのに、プラス30分も歩くなんて考えられない。即座に奥の有料駐車場に車を入れる。明るくなり車から出てみると有料駐車場は満杯、車道脇にもびっしりと車が止まっていた。登山者がどんどんと歩いていく。天気は高曇り。笠ヶ岳へ向かう人は少なく、ほとんど小池新道に向かっていった。笠新道は最初はブナ林のジグザグ道。ブナの紅葉はまだこれからのようだ。ブナ林を抜けると槍ヶ岳や穂高連峰がよく見えるようになる。




ガレた急斜面を息を切らせながら登り、コルに出る。と、ドデンと笠ヶ岳が目の前に現れた。「うわっ!」思わず声が上がった。大きな笠ヶ岳から抜戸岳への稜線が連なり、杓子平のカールが広がっているではないか。過去2回ともガスでまったく見えなかった光景だ。見てみたかった光景が目の前にあった。それも杓子平は紅葉真っ盛りとなり、美しさを際立たせていた。稜線へと傾斜はきつくなり、急斜面を登り終えると、抜戸岳分岐となった。時間もあるので、抜戸岳を往復する。まだ登っていない山頂だった。抜戸岳山頂からの展望も素晴らしかった。笠ヶ岳はもちろん、槍〜穂連峰は目の前に横たわり、西鎌尾根から双六〜黒部五郎や薬師岳、鷲羽や水晶、野口五郎岳も見える。高曇りながらガスが湧いておらず、最高の展望が得られた。




笠ヶ岳への縦走路は稜線漫歩を楽しめる。途中、何人かとすれ違うので、「どちらまでですか」と聞くと、「小屋泊まりの予定だったが、小屋が混んでいるので下山する」とのこと。「???」こりゃ大変だ、と急いで小屋に向かう。急いでも混んでいることに変わりはない、のだが。小屋に着き宿泊手続きをする。部屋は女子部屋で、混み具合で布団1枚に1人か2人だということだ。さっそく荷物を置いて、山頂を往復する。笠ヶ岳山頂からも360度の展望が広がっていた。槍〜穂連峰はもちろん、夏に登った焼岳も前の前だ。乗鞍岳と御嶽山が優美な形で美しく見える。




 小屋の夕食は5時から。3ラウンドあり、30分で食べ終われということ。ウン十年ぶりの山小屋の食事は美味しかった。完食とする。夕食後も薪ストーブを囲み、歓談しながら過ごす。新穂高温泉の無料駐車場は私が到着する1時間くらい前に満車となったということだ。遠い駐車場から歩いた人も多く、その駐車場にも止められない車が出たらしい。紅葉シーズンにこれほど登山者が集中するということに改めて驚く。また、女子の単独のテント泊の人もいるのには敬服しきり。さて、この日の小屋はほどよい満杯状態、みな布団1枚に1人で、私も朝までゆっくりと寝ることができた。








朝起きたら雪が積もっていた。初雪になるのだろうか。 昨日も寒く、雪がちらついていたなあ、と思い起こす。朝食を食べ(これも美味しかった)、山頂を往復する。雪ですべてが輝いていて、とても美しい。周りの山々は雲の中で展望が得られないのが残念だった。小屋に戻り山頂を振り返る。と、青空の中、笠ヶ岳がこれ以上ないくらいに輝いていた。こんなチャンスはもう2度とないだろうと、今1度山頂に向かう。周りの山々の雲はとれていないが、笠ヶ岳だけ晴れている。朝日に輝き逆さ笠≠ネるものも見られ、感激しきりとなった。





陽が当たると雪はすぐに解けてしまった。抜戸岳分岐まで来ると、ガスが湧いてきてしまう。杓子平もガスの中。それでも紅葉が素晴らしい。コルで笠ヶ岳のほうを仰ぎ見る。何度来ても晴れなかった山だった。どんな展望が得られるのだろう、どんな光景が広がっているのだろうと思い、山を後にしていた。今回その念願が叶って、最高となった。小屋泊まりも癖になりそうなほど楽しかったし。杓子平から下で、登りの人たちと大勢すれ違う。この日の小屋は予約だけでも定員以上あるということだった。長い下りを終え登山口から林道を歩いているとき、雨がポツポツ当たってきた。稜線は雪かな、などと思いながら、ブナ林で収穫したブナハリタケを片手に車に戻った。有料駐車場の料金だが、6時間=500円で、3500円也となった。それでもプラス30分の労力には代えてられない。