白太郎山(山スキー・テレマーク)
個人山行(山スキー・なんちゃってテレマーク)
【
【メンバー】WakaY&M(悠峰山の会山スキー突撃隊)
【天候】 薄曇り/風雪
【山域】 朝日連峰
【地形図】 徳網
【実録時間】 S氏宅(標高315m)10:09 − 山頂12:37〜12:51 − 標高855m尾根 <昼の憩い>13:04〜14:45 − S氏宅15:15
2週間振りの山スキーは昨年も会山行で行った白太郎山である.白い粉を期待しての突撃だ.道中日本海東北道は地吹雪がすごい.113号の路面もずっと白いままだ.小国に近づくと新しい雪が40cm以上積もっており,昨年よりも雪が多いようだ.
小国でこれだけあるということは,本日のラッセルは相当きついだろうと覚悟する.ところが取り付きの徳網あたりでは意外にも新雪が20cm程度で積雪も昨年と変わりがないようだ.
いつものようにS氏宅の脇から登り始める.昨日付けたS氏のトレースが残っている.底のある雪の上に20cm程度の新雪なので,ラッセルというほどのものでもない.杉林への急斜面は多量の降雪のおかげで,何回かのジグを切るだけで全く苦労せずに乗り上げることができる.
【S氏宅裏の急斜面から杉林に突き上げる.】
その杉林を10分も登ると,その上は樹間の広い広葉樹の雑木林がずっと広がっている.歩き始めこそ小雪が舞っていたが,しばらくすると青空が覗くようになる.
【ひたすら登る.】
S氏の付けたトレースがあり,せっかくなのでそのトレースを歩くが,微妙に角度が緩いのでときどきはトレースを外れて登ることになる.
標高650m付近で傾斜が緩み,左側が杉林となるあたりで本日初めての休憩だ.エネルギーを補給して再び歩き出す.
766m標高点の近くになるとようやく白太郎山の山頂が見えるようになる.この辺りからぶなが優勢となり,雪深き東北の山らしくなる.
【山頂が見える.】
766m標高点ピークは踏まずに,帰りも登り返さなくて済むようにうまく北側をトラバースして白太郎山山頂に続く尾根の鞍部に無駄なく出るようにルートを取る.
【雪をまとったぶな】
なだらかな真っ白な雪面に独特な木肌のぶなの林が広がっていて素晴らしい.S氏はこの手前で引き返したとのことで,もうトレースはない.この辺りで新雪が30cm程度だ.日が照っているとはいえ今日は気温も低いので,帰りのスキーが大いに期待できる.
【登ってきた尾根を振り返る.】
標高855m付近にいつもできている雪堤を過ぎるあたりから徐々に北寄りの風が強くなり,さっきまでの陽気が嘘のように横殴りの雪になる.標高900m付近から上は雪も変わり,ふかふかの新雪から風でパックされた締まり雪となり,シュカブラもできている.ラッセルはないが体重をかけると下にずれる歩きにくい雪のうえに,木の周りには風によって抉られてできた大きな段差ができていて,ルート取りにも苦労させられる.
【風雪厳しき山頂直下】
山頂近くになると,いよいよ風雪激しく,この前の八甲田よりもずっと厳しい.ようやくうっすらと木のない丸い山頂が見えるが,本日はそこには寄らずに山頂にできた雪庇の南側に風を避けるために逃げこむ.予想通りそこはそれほど風が当たらない.もう12時を過ぎているし,腹も減っているので一瞬ここで昼の憩いにしようとも考えたが,上の雪質が厳しいことと,これ以上悪天になるとまずいので昨年の昼の憩い場所まで戻ることにする.すぐにスキーをセットして滑りだす.
【そそくさと滑走体制】
パックされて曲がりづらく段差もできていて楽しめる雪ではないが,それでもスキーではあっという間,標高855m付近の昼の憩い場に滑り降りることができる.ここは尾根の向きが微妙に変わるところで,風をよけることができる.
本日は,おNewのテントを持ってきたのである.大方山でOza1氏のテント祭りの儀を挙行したのに続き,なんと本年2回目のテント祭りである.が,テントといっても中心にポールが1本だけ(スキーのポールで代用)のなんとも頼りなさげの送料込8,980円也の,しかもフライだけを持ってきたものである.6角形で固定箇所が多くてちょっと面倒であるが,2人で使うには十分広く,ベンチレーターがあるので結露もしにくいようでテントのフライよりは良さそうだ.
【モノポールテント/3D】
テント祭りの儀が終わる頃には,もう午後3時近くになっている.後は標高差約500mちょっとを滑って降りるだけ.しかも,ここから下の雪がなかなか良いのである.上とは違って下にある程度底のある雪の上にふかふかの新雪が登りよりも10cm以上加わり,40cmくらいはある.なんちゃってテレマークでも自分のあげた雪煙で全身真っ白けになる.たまりませ〜ん!WakaY隊員も滑りを楽しんでいる.
【標高650m付近】
もっと滑りを楽しみたいが,あっという間に杉林のへりを滑るとS氏宅が下に見える.最後の急斜面を滑り終えるとS氏が2階の窓から顔を覗かせている.軽く挨拶を交わし,本日の突撃終了である.
白太郎山は林道歩きもなく,取り付きから直ちに山スキーが始まり,斜度も適当で深雪を手軽に滑ることができる.本日はWakaY隊員も山スキーの楽しさを味わえたことだろう.上はちょっと厳しかったけれど.
--------- 登路 --------- 降路