博士山(王博士)
個人山行(なんちゃってテレマーク)
【日時】2013年1月2日(水)
【メンバー】M&T(悠峰山の会山スキー突撃隊)
【天候】 晴れ/曇り
【山域】 会津
【地形図】 博士山
【実録時間】 国道401号線(昭和村標高985m)9:13 − 王博士 <昼の憩い> 11:09〜12:45 − 国道401号線13:10
今シーズン初めの山は博士山である.なぜかはわからないが博士山に突撃である.
出発前に朝6時からのニュースを見ていると,北アルプスで50歳男性が凍傷,60歳女性が動けなくて,携帯電話で救助依頼があったことを伝えている.北アルプスのどこかは知らないが,予報通りの荒天なのに「無線機じゃないのかよ」,「動けないのかよ」などと一人で突っ込みを入れてみたが,我々もなにかあれば,同じ高齢遭難者なのである.気をつけよう.
家を出るときには雨だったが,三川IC付近から本格的な雪となり,高速道の路面も圧雪となる.しかし,気温は高いようである.
高速を降りて,柳津に近付くといつの間にか雪もやみ,そればかりか雲間から差す朝日に山の斜面がオレンジ色に染まっている.新潟と違って,気温も一応氷点下のようである.昭和村が近付くにつれ,道路に積もった雪が思いのほか軽いことが,運転していてもわかる.巻き上げた雪煙が車体の後方にまとわり付く.期待できるではないか.
邪魔にならない場所に車を置き,歩き始める.風もなく雪が軽い.スキーをはいて30cm程のラッセルだ.厳冬期用の装備で歩き始めたが,すぐに暑くなり,20分も歩いたところでジャケットのベンチレーターを開けようとしたが,面倒くさくて脱いでしまう.
【軽い雪】
標高1040mくらいから明瞭な尾根に取り付く.春先の雪が少ないときには灌木がちょっとうるさいところだが,今日は全く問題なく登ることができる.標高差で100mも登ると,傾斜が徐々に緩くなり,1138m標高点から延びる尾根に標高1200m付近で合わさる.回収し損ねた赤テープがそのまま残っている.
【標高1200mの尾根に上がるあたり】
【標高1200m付近:3D】
この尾根に上がると僅かではあるがさすがに風が吹いていて,一気に冷えてくる.雪も風でパックされていたり,大きな木の風下側が抉れていたりしている.登りやすいところを選んで高度を稼ぐ.唯一の急斜面を登りきると博士峠からのルートと合流する.
ここは,もっとトラバース気味に登ると無駄がないが,今回はまだ積雪が少なく,藪っぽいので,そのまま尾根に合流する.
【柳沢峠ルートとの出合い:標高1350m】
しばらくは,だらだらと登っているのか下っているのかわからないような尾根を歩くこととなる.それでも尾根は明瞭で,迷うことはない.
【標高1356m標高点付近:3D】
【標高1370m付近:3D】
1356m標高点を過ぎても,しばらくはだらだら尾根であるが,ブナの木を愛でながら歩くうちに,最後の急斜面が目の前に広がる.急斜面といってもこのルートの中ではという程度である.雪が良ければ,直登もできそうだが,クラストしたところや,風でできた段差などが次々に現れるので,少しは頭を使って登らなければならない.
標高が1400mを超えるあたりから,霧氷から樹氷になりそうな木々が現れて美しい.傾斜も徐々に緩み,山頂も近いというのにそれなりのブナが点在して,雪質も軽くて快適だ.
【王博士直下の斜面:標高1420m付近】
【王博士直下】
【雪の華】
【王博士山頂:1455m標高点(右奥のピークは本峰)】
王博士の1455m標高点には,かわいらしい雪庇ができていて,その先には博士山本峰が望める.今日はここまでである.山スキー突撃隊は2時間も歩くと十分なのである.いや,十分過ぎるとさえ言える.
本年最初の昼の憩いの儀を滞りなく遂行し,あとは滑って帰るだけ.まだ少し藪がうるさいところもあるが,登りで気になったクラストも気付くことなく滑り降りてしまう.
特に山頂付近と,標高1200m付近からの斜面の雪は,大きなブナの林と風が当たらなかったおかげか気温は高いが,まだ雪質が良いままで,快適に滑ることができて十分楽しめた.
【国道401号線:取り付き】
いつものように西山温泉でひと風呂を浴びて,出発する頃には,みぞれというよりもみぞれに近い雨が降り始めている.せっかく積もった雪が腐ってしまうではないか.もったいないぞ.
とはいえ,この時季に会津にはそれなりの積雪があり,この後の寒気でさらに楽しめる山が増えそうだ.突撃!である.