真 那 板 山

個人山行 sue

日時】 201329

【天候】 晴れのち曇り

【山域】 北信

【地形図】 越後平岩、雨飾山

【時間記録】  平岩駅7:10 12:00真那板山頂上12:30 13:50姫川温泉


昨年、真那板山に登ろうとした時は、豪雪のため大網の集落内に車を駐車するところが見つからず登山を諦めている。今回は駐車スペ―スで悩まないよう大糸線を利用して直接平岩駅から歩き真那板山の西の尾根から山頂を目指すことにした。

 

 

新潟県内の大糸線の駅はすべて無人駅になっているが、どの駅もきれいに除雪してあり駅舎もトイレも清潔だ。頸城大野駅前に車を置き634分発の平岩行きに乗車したが、乗客は終点まで自分一人だけだった。

 平岩駅周辺の積雪量は大雪だった昨年に比べると半分もない。駅を出ですぐに姫川にかかる橋を渡りスキーで登り始める。山頂までの標高差は1000m弱だ。

糸魚川を出るときは小雪がちらついていたが、こちらは青空が広がっている。

 見通しのきかないスギ林の中を真那板山から西に伸びる尾根を目指して登る。雪に埋まった車道を過ぎると、田んぼ跡地のようなところに出た。ここからは山頂方面が見えるが、目指す頂上はまだまだ遠い。

 

《奥が台地状の山頂部の西端》

 

 田んぼ跡地はすぐ終わり再び視界のきかないスギ林の中を登るようになる。標高520m付近でスギの林を抜け、展望の開けたところに「奥山半僧坊・・・」と読める石碑があった。この石碑は雪の中に埋もれている部分を考えると相当巨大なものだ。どうやってここまで運んできたのだろう。

 ここからしばらくはナラ林の広くなだらかな尾根を進むが、標高600mからはいよいよ急な尾根の登りとなる。振り返れば、木の間越しに赤禿山や明星山が朝日をあびている。

 

《スキーで人気の赤禿山》

 

 地形図をみると真那板山の西の尾根は標高650mから950mまでの間が特に等高線の間隔が狭くなっている。辛い登りになるだろうと思っていたが、本当に厳しい登行になってしまった。ガチガチにクラストした斜面に新雪が20pくらい積もっていて、スキーがズルッと滑ってしまう。滑るまいと全身に力が入るので体力を消耗してしまう。

標高950mを過ぎると傾斜も落ちてきて、ようやくスリップ地獄から解放される。この辺りは大きなスギの林となっているが、頂上に近づいてくると緩やかな斜面のブナの林に変わる。

さらに頂上は山名のごとくマナ板のように真っ平だ。数少ない真那板山の記録を見ると眺望の良い山と紹介されているが、山頂に着いた時にはガスに囲まれてしまった。それでも山頂周辺の雰囲気の良さは感じられる。

風もないのでしばらく山頂にいたが誰も登ってこなかった。やはりマイナー板山なのだ。

 

《山頂付近のブナ林》

 

 山頂から少し戻って大網集落に続く沢を下る。最初のブナ林は雪質も傾斜も立木の間隔も実にスキー向きで快適な滑降を楽しめたが、間もなく傾斜が急になり、ここでも新雪の下の硬い雪にスキーが引っ掛かり頭から転倒する始末。沢の中は狭いため左右の適当な斜面を滑ることになるが、この山は全般に樹木の密度が濃く爽快に滑降するという感じはない。

 

《大網集落を見下ろす》

 

まっすぐに下ると大網集落に出てしまうので左へ左へとトラバースし、スギ林の中で自分の登ってきたトレースに合流し登り口に戻った。大糸線の出発までたっぷり時間があるので、姫川温泉で冷えた体を温める。宿泊客が来るにはまだ早く、ここでも客は自分一人だけだった。

滑りの快適さから言えば、近くの大渚山や赤禿山に軍配が上がるが、真那板山山頂周辺の癒し系の趣も悪くない。