烏帽子岳〜野口五郎岳〜水晶岳

個人山行ku-ninn163
【日時】2013921日(土)〜23日(祝)
【メンバー】2
【天候】晴れ/曇り
【山域】北アルプス
【地形図】
【時間記録】
<9/21>新潟4:30 = 七倉 = 高瀬ダム9:47 − 三角点12:45 − 烏帽子小屋13:55 −テン場14:15 − 烏帽子岳15:05 − テン場16:00
<9/22>テン場5:40 − 野口五郎小屋7:458:10 − 野口五郎岳8:20 − 水晶小屋10:30 − 水晶岳11:1011:25 − 水晶小屋12:0012:10 − 野口五郎岳14:28 − テン場16:50
<9/23>テン場7:50 − 高瀬ダム10:50 − 七倉12:05


 天気は晴れのうれしい予報。裏銀座コースから入り烏帽子をベースにし、中日に水晶岳をピストンする計画とする。七倉の駐車場は満杯。高瀬ダムまではもちろんタクシーを使う。登山口にあった指導標は12コマ。1ピッチに3コマ進めば4ピッチで烏帽子小屋だ。


 <登山口にあった指導標>

 まずはしっかりとした鉄階段を行く。歩幅も程よく歩きやすい。アルプス3大急登のひとつといわれるブナ立尾根だが、登りやすい道だ。木々の紅葉は緑にほんの一滴黄色を落としたような感じ。風は涼しく、日陰だと寒いくらいだ。すれ違う登山者はポツリポツリ。アルプスの中の静かな山道だ。


<鉄の階段>

森林限界の上、振り返るとナナカマドの赤い実の奥に唐沢岳と餓鬼岳が大きく見えた。3コマと7コマで休み、烏帽子小屋に着く。アルプスのテン場はここ最近混みあっていることが多い。受付をしてそそくさとテン場へ向かう。



<唐沢岳と餓鬼岳>

 深い森の中のテン場といった感じのキャンプ場。向こうには三ツ岳が大きく見える。心配していたテン場もゆったりとテントを張ることができた。天気は快晴。こんな良い天気を逃してはならないと、テントを張り終え、烏帽子岳に向かう。



 <キャンプ場と三ツ岳>

 ドテンとした烏帽子岳が目の前に現れた。烏帽子に来たのは4回目。過去3回とも天気が悪かった。そのうち2回は烏帽子岳はパス、1回はガスの中の登頂だった。今回初めて烏帽子岳の全容を見、大興奮。こんなにも尖った山頂だったんだ!



<烏帽子岳>

 ゆっくりと山頂を楽しみテン場に戻る。陽が当たっているうちは暖かく、外で宴会。小屋で買ってきたビールは雪で冷え、うまい。夜は満天の星。それよりも月明かりで夜空は照らされていた。夏用のシュラフにダウンを着て就寝する。


<赤牛岳>

 翌日は雲が多いながらも晴れの天気。長丁場なので、早めのスタートとする。三ツ岳へ登りきればあとは稜線歩きとなる。東沢谷をはさんで読売新道の長大な尾根が延びている。餓鬼岳から燕岳、大天井岳への稜線もよく見える。野口五郎岳の横にはくっきりと槍ヶ岳が姿を現した。



<野口五郎岳と槍ヶ岳>

 野口五郎小屋で一休みし野口五郎岳へと向かう。野口五郎小屋は昨晩が今期最高の宿泊客だったそうだ。七倉の駐車場の車の数にしては静かな山だと思っていた。昨日登った人たちはほとんどがこの小屋まで来たのかな。小屋の前のテン場は数年前に幕営禁止となり、元の自然に返り始めていた。



 <野口五郎岳山頂>

 野口五郎岳に登ると今までの景観とは変わり、北アルプスの最奥の山々が見渡せるようになる。前回来たときは槍ヶ岳の雄姿に歓声を上げた。野口五郎岳はなだらかで大きな山容。どこか安らげるような気がして好きな山となっている。縦走路はいったん下り、竹村新道分岐を経て、水晶小屋へと向かう。



<鷲羽岳>

 アップダウンの多い道を東沢乗越まで下る。鷲羽岳がどんどんと大きくなり、急斜面を登り終えると水晶小屋だった。大勢の人が行き来していて、にぎわっていた。ここから水晶岳まであと少し。黒岳とも言われる水晶岳。黒っぽい山肌で大きくそびえ立っている。



<水晶岳>

 水晶岳山頂は人でいっぱいだった。北アルプス南部から北部の山々がすべて見渡せられ、最高の展望が広がっていた。雲ノ平はすぐそこに台地上に見え、立山から薬師岳〜黒部五郎岳、三俣蓮華や双六小屋、槍〜穂高や夏に歩いた西鎌尾根。遠くに笠ヶ岳や後立山連峰など北アルプス中の山々、グルリと360度の展望が得られた。もちろん赤牛岳、読売新道へ続く稜線も連なって見える。赤牛岳まで…果てしなく遠い。

<水晶岳からの展望・鷲羽岳、槍ヶ岳、笠ヶ岳>

 水晶岳からの展望を楽しみ、来た道を戻る。水晶小屋からは登山者も少なくなり、静かな山道となる。野口五郎岳からはガスの中に入ってしまい、ただひたすら烏帽子のテン場まで歩いた。出発してから11時間。空身ピストンとはいえ長距離を歩き、くたびれた一日となった。夜はガスが晴れたが、雲が多い。そのせいか前の晩よりも暖かく感じられた。



<水晶岳から続く読売新道、赤牛岳>

 最終日は下るだけなので、ゆっくりとした朝を過ごしテン場を後にした。登る時は乗ったタクシーも下山時は歩く。高瀬ダムは巨大なロックフィルダム。ダム湖の砂の堆積が問題となっているそうで、登山口までも砂浜を歩いているようだった。排出作業のダンプもこの日はお休み。ブラブラと車へと戻った。



<高瀬ダムのダム湖畔>

 何年も前に読売新道を登り、赤牛岳から水晶岳に登頂した。長い登りを経てやっとの思いで踏んだ水晶岳山頂。ガスで何も見えず、通り過ぎただけの山頂となっていた。その山頂から望む展望は最高の一言。北アルプス中の山々が見えたようだった。さて、次はどの山に行こうか♪