槍平〜槍ヶ岳/奥丸山

個人山行ku-ninn158
【日時】2013535日(連休)
【メンバー】2
【天候】
【山域】北アルプス
【地形図】
【時間記録】
<5/3>晴れ 奥穂高温泉10:35 − 白出沢12:2012:35 − 滝谷14:05 − 槍平14:55
<5/4>曇り→小雪・ガス テン場5:55 − 槍ケ岳山荘9:0012:00(槍ケ岳往復)− テン場13:20
<5/5>晴れ テン場6:10 − 奥丸山7:30 − テン場8:259:45 − 滝谷10:10 − 白出沢11:30 − 穂高平12:1512:25 − 車13:10


 積雪期に登ってみたかった槍ヶ岳。今年の連休は天気も安定しているようなので、行ってみることにした。新潟を早朝4時半に出発。奥穂高温泉の登山者用駐車場はほぼ満杯状態だった。天気は晴れ。まずは雪のない林道を行く。穂高平小屋を過ぎ、少し行ったところで除雪が終わり、雪道となった。

 <槍平に向かう>

 白出沢、滝谷出合と進む。滝谷出合からは雪の中の沢をつめるようになる。トレースもしっかり付いていて、歩き始めはいなかった登山者が目立つようになった。山スキーヤーもいる。中急斜面の雪道は歩きやすく、思いのほか早く槍平に着くことができた。



 <槍平>

 槍平には2〜30張のテントが張ってあった。槍平小屋はまだ営業していなく、冬季小屋のみ。私たちもさっそく雪のブロックを積み、幕営。その後偵察に出、水場を発見する。2.5mほど雪が掘られたところに小沢が流れていた。水作りをしないだけでも大助かりだ。


<飛騨沢と奥丸山>


 夜は満天の星空だったが、翌日は雲が多い天気となる。パーティーが続々と出発し、私たちも急かされるように歩き出す。飛騨沢は雪がたっぷりと付いている。雪は安定していて、アイゼンを利かせ高度を稼いでいける。振り返ると、奥丸山が低いながらもそびえ立って見える。沢の方角が変わり、傾斜がきつくなってくるころにはガスの中に入り、風も強くなっていた。


<飛騨沢>

 飛騨乗越では風雪が強まる。視界はゼロ。雪の沢をつめてくるので、夏道のコースタイムより大分早く着き、槍岳山荘の喫茶室(?)で休憩とした。あまりの寒さに、温かいココア(500円!)を飲み、プラス、カップヌードル(400円!!)も大奮発する。様子見していると、雲が切れ始め、槍の穂先も見えるようになった。


<槍沢>

 槍沢を見ると、大勢の人が登ってくるのが見えた。点々と登山者が続いている。あの状態でトイレに行きたくなったり、お腹の調子が悪くなったりしたらどうするのか、と心配になってしまうほどだ。上高地側は営業している小屋が多いので、飛騨沢側よりも数段多い登山者が登ってくるようだ。



 <槍ヶ岳>

 風も弱まり、青空が見え始めたので、槍の山頂へと向かうことにする。夏道沿いの岩とハシゴのミックスされたルートを登る。最後の直角に付けられたハシゴを登りきると山頂だった。山荘では強かった風もそれほどでもない。雲がまた湧き始め、視界が利かなくなったのが残念。それでも緊張の中、登頂できた喜びは最高だ。一瞬見えた北鎌尾根の険しさは忘れられない。



<槍ヶ岳山頂>

下りはより緊張した。アイゼンを付けながらのハシゴ段下りは慎重そのもの。岩場の一歩もゆっくりと慎重に下る。天気がやや安定してきたので、登ってくる登山者も多くなっていた。登り以上に時間をかけゆっくりと下っていく。槍岳山荘に着いた時は安堵と満足感でいっぱいとなった。



 <北鎌尾根>

 山荘を出たあたりからまた天気は悪くなり、雪に近いみぞれ状態となった。ガスで真白くなった飛騨沢を下る。トレースははっきりとしているが、目印ポールを下部まで立ててくれているのでありがたい。山スキーヤーも快適に滑っていく。槍平まで数分?で下りられるのだろう。


<槍平小屋>

 槍平では雨になる。早くテントに戻ってきたので、昼寝をしたりしながらゆっくりと過ごす。前日よりもややテント数は減ったように見える。私たちと同じ、中日に槍ヶ岳往復のパーティーが多いようだが、1泊で下山するパーティーもいたのかも。夜には天気は回復し、満天の星空を楽しむことができた。


<奥丸山のルートを振り返る>

 翌日は快晴の朝となった。今一度槍ヶ岳アタック!?とも思ったが、気力、体力はなし。中崎尾根の奥丸山に登ってくることにする。積雪期に槍ヶ岳に向かうときに利用される中崎尾根。槍平からの尾根を登ると奥丸山だ。私の持っている1999年版の色地図には夏道が記されている。こんなチャンスはもうないじゃん!と、嬉々として出発した。



 <穂高連峰>

奥丸山へのルートにもしっかりとしたトレースが付いていた。登り始めからものすごい急登。それも針葉樹林帯なので、大分クラストしている。登りはアイゼンの爪を利かせ登るが、帰りが心配になる。樹林帯を抜けても急登が続き、やせた一本尾根上の雪道となる。振り返ると、穂高方面の山々が輝いて見える。



<中崎尾根と槍ヶ岳>


 <笠ヶ岳>

 中崎尾根に出たところで方向を変え、雪の一枚バーンを登り切ると奥丸山の山頂だった。雪のこんもりとした山頂だ。笠ヶ岳が優美な姿を見せ、輝いている。抜戸岳、弓折岳に続く尾根は双六岳に延びている。中崎尾根の向こうには槍ヶ岳が全容を現していた。もちろん、穂高連峰は目の前だ。乗鞍岳も雪で輝いている。これ以上ないくらいの展望が広がっていた。


<奥丸山>

下りは雪が腐り始め、それほど怖くはなかった。最後の針葉樹林帯は沢側に入り、槍平に下りた。槍平は春の日差しでいっぱい。登山者は少なく、静かな山を楽しめる。ゆっくりとした時間を過ごした後、テントを撤収し、槍平を出発した。


 <槍平>

 念願だった槍ヶ岳。奥丸山も楽しめ、最高の連休となった。光り輝く槍平を何度も振り返る。今春の槍平は残雪が多いと聞いた。沢はまったく出ておらず、水場も昨年より1メートル以上深く掘ったとのこと。降雪は少なかったみたいだったが、春の寒さで雪消えが遅いようだ。新潟の山菜の出はどうなのかな……なんて思いながら、アルプスを後にした。