博士山(本峰:黄金沢ルート)
個人山行(なんちゃってテレマーク)
【日時】2014年1月3日(金)
【メンバー】M&T(悠峰山の会山スキー突撃隊)
【天候】 快晴
【山域】 会津
【地形図】 博士山
【実録時間】
奈良布(標高760m)8:13 − 標高970m橋 <休憩> 9:30〜9:41 − 標高1210m 林道<休憩> 10:47〜10:58 − 山頂12:18 <昼の憩> 13:50 − 奈良布14:35
2014年,年頭の山は博士山である.労することなく国道わきからブナ林に突撃である.
道中の高速道路から見える周辺は,雪が少ない.近在の山は滑れそうもない.
柳津を過ぎ,昭和村に入ると除雪作業をしている.下越では昨日雨であったが,このあたりでは雪だったようだ.
国道401号線を左折し,小野川を過ぎるとなんと!ゲートが閉まっている.国道401号線の博士峠は今シーズン既に全面通行止めなのであった.とほほ,である.昨年2月3日の悪夢がよみがえる.帰りの国道だけは滑り(歩き)たくない.まわれ右である.
登り口を琵琶首か,境沢からに変更しようと思ったが,道路を除雪作業中であり,駐車できるところがなかった.ということで,林道歩きが果てしなく長い黄金沢経由で博士山を目指すことにする.
奈良布のはずれの道路脇に邪魔にならないよう,ぎりぎりに車を寄せて駐車し,支度をしていると,大きなホイールローダーに乗った除雪のおじさんから「そこに駐車すると除雪の邪魔になる.」とお叱りをうける.ごもっともです.私が全面的に悪いのです.「拙者らは長州の者ではなかとですたい.越後の者ですたい.許してつかあさい.」と言いそうになる.
除雪の雪捨て場に置けば邪魔にならないとのことで,そこに車を移動する.実は,できればそこに車を駐車したかったが,除雪の邪魔になるといけないので,仕方なく道路脇にしたのであった.迷惑駐車にならないように気をつけているが,なかなか難しい.
それでも,すっきりと車を置くことができ,快晴のもと歩きだす.
【取り付き】
山頂ははるか先で,望むことはできない.田んぼや畑と思われるところをはじめは歩く.20cmほど沈むが,軽い雪でラッセルも苦にならない.
標高850m付近で,田んぼは終わり,その先は黄金沢沿いの林道をひたすら歩く.本当にひたすら歩く.
【杉林の先から黄金沢沿いに林道を行く.】
1時間以上も歩くと,ようやく標高970m付近にある落橋した橋に至る.ここで最初の休憩をする.板を外すと,腰近くまで潜る.降ったばかりの新しい雪だ.
【標高970mにある橋(渡れません.):3D】
落橋した林道から一旦離れ,右岸側をトラバースする.杉林を抜けると,再び上流にかかる橋の先で林道と合流する.
その先で初めてのS字カーブがある.こういうところは,なぜかショートカットをしたくなる.そのまま林道を歩いたほうが労力も少なく,時間もそれほど変わらないのにショートカットするのである.せっかく汗をかかないように歩いてきたのに深い雪の急登で息を切らし,汗をかくのである.脳の回路が短絡しているのである.
【林道のショートカット】
更にひたすら林道を歩く.両側の木が雪の重さでアーチを作る.なかなかに奇麗である.しかし,気を付けていても雪爆弾が無作為に落ちてくる.冷たい!
【標高1060m付近:3D】
その林道も1200m付近からは,かろうじて切り開きだけが分かるくらいで,道型はほとんど周囲の地形と同化している.
【王博士上空に幻日】
標高1300m付近で本コースの核心部に至る.ようやく林道歩きから解放され,開けたブナの林を歩くことができる.どこでも歩き放題である.ふと,振り返ると王博士の上空に彩雲が出ていると思ったが,よく見ると,なんと幻日である.現実の幻日を見るのは初めてのような気がする.
【黄金沢源頭のブナ:3D】
黄金沢の源頭は,ひたすらブナの林である.それほど大きなブナはないが,手つかずの自然な感じがする.稜線が近付くにつれ,雪を纏ったブナが青空に映える.
【1410m稜線近くのブナ:3D】
そのブナも次第に細く密になると,山頂だ.
すぐ下にザックをデポして山頂に立つ.視程はそれほどないが,四方を見渡すことができる.1月なのに風もなく穏やかな山頂だ.
【山頂】
【山頂から西方向】
【中央が王博士】
【山頂から南方向】
【昼の憩い:3D】
林道歩き3時間とはいえ,思いもよらず新年に博士山本峰に立つことができた.今年は何か良いことがあるだろうか.
帰りに柳津の岩井屋に鮎最中を買いに寄ろうとしたところ,T隊員がニュースで岩井屋が火事になったのを見たというではないか.確認のためにそこへ行くと,その一角が更地になっている.火事はどうやら本当であった.仕方がないので,途中にある店で買おうと思ったが,行列である.行列してまで買うつもりはない.ちょうど手前の店の駐車場が開いていたので,その店で粟まんじゅうを買うことにする.
ところが,私とT隊員で6個詰め2箱をお茶淹れに忙しい従業員約2名のうちの一人にやっとこさ頼んだが,なかなかできてこない.出来合いのものがそこにあるのに我々の後から注文された10個詰め4箱が優先されたようで,従業員約2名のうちのもう一人が餡を詰め出した.催促しても「今詰めていますから.」と10個詰めの包装をしている.結局粟まんじゅう6個詰め2箱の所有権移転に20分以上を要した.
せっかく新年からいいことがあったのに早くも暗雲が漂っている.
しかもそれを食べた妻が言う.「これ,粟使ってないよ.」
包装をみると,「日本一のあわまんじゅう」と大きく書いてあるが,裏の原材料は「もち米」となっている.たまたまその時に買った粟まんじゅうは桜餡だったので「日本一のあわまんじゅう」は,季節外れの黄色い「桜」まんじゅうであった.
日本一の「あわ」の意味が知りたい.あわて者の「あわ」,あわやの「あわ」,はたまたあわわの「あわ」であろうか.10個詰めを4箱も買った人のことが心配である.