浅草岳(入叶津)
個人山行
【日時】2014年4月27日(日)
【構成員】単独
【天候】 快晴
【山域】 只見・守門
【地形図】 只見,守門岳
【実録時間】
入叶津(標高420m)07:48 − 平石山スノーシェッド(標高455m) 08:11
− 山神の杉(標高770m)09:17 − 小三本沢(標高705m)09:23 − 安沢出会(標高780m)09:45 − 山頂(標高1586m)12:36 − 標高1300m<昼の憩い>12:46〜13:56 − 安沢出会14:15 − 小三本沢14:28 − 山神の杉14:53 − 平石山スノーシェッド15:13 − 入叶津15:30
大花山爾来,3週間ぶりに突撃せり.
4月も暮れなれば近き雪ある山は限られること自明なり.
ここは守門岳,浅草岳,博士山が脳裏に浮かぶなり.
今は昔,同じ山に度々突撃せること巷間はやること止められず.
今シーズン入広瀬側から浅草岳に登りしは只見側にて登りしこと必然なり.
ここは浅草岳にて再突撃せり.
入叶津のはずれには既に4台の車停まれしこと大型連休なり.
国道289号にて平石山スノーシェッドまで進行せり.
天気晴朗この上なし.
しかれど日焼け止めクリーム忘れること,いと悲し.
途中にて即刻顔面塗り潰すなり.
顔面白色舞妓のごとし.
途中2か所雪切れありしもスキー外せし1度なり.
【平石山スノーシェッド】
平石山スノーシェッド脇の温度計,働けどマイナス66度で点滅せし.
熊,冬眠覚醒時期逸せしこといささか心配なりける.
【第2堰堤下の状況】
第1堰堤に上がりたれば雪解け進みて,いつもの左岸側に渡りたるもスノーブリッジいささか頼りなきこと勝てないサッカーチームのゴールキーパーのごとし.
ここは気合でささっと渡りけり.
左岸側に渡りたれば雪付き十分と見受けたり.
休みやすみ歩けども汗噴き出し袖まくりけり.
【平石山】
途中にて,もとより平石山から落ちたる雪崩走路となりける沢の北側支沢の沢床に移りけり.
標高700m付近にて沢床暫時傾斜強きなりけり.
適当なところにて左岸側尾根に移ること必然なり.
【沢床を詰める.】
山神の杉に至れりトラバースは平石山からのデブリいと夥し.
歩き易きルートなれば,いつもよりも余計に上がりて進むなり.
そのデブリの上部に3人の人影あり.
夏道ならずブロック雪崩夥しきところ登りけり.
ブロック雪直撃必殺なり.
トラバースすること必然素早くなりけり.
【平石山からのデブリ(登攀中の3人が見える.)】
山神の杉にて先行の2人に追いつくなり.
山神の杉,一等の目印なり.
山神の杉,もとより雪は切れし良き休み場となりけり.
【山神の杉】
シールにて滑り下りれば小三本沢の渡渉点,雪解け水の勢い滝のごとし.
この時季どこでも渡れりと思えども,その考えまっこと浅はかなり.
下写真左の一ところのみ渡れしこと確認せり.
賞味期限迫りしこと明白なり.
【沼の平側から小三本沢渡渉点(後続の2人が見える.)】
沼の平素晴らしきところ異存なし.
残雪とブナの梢に垣間見れし沼のごとき,心洗われしこと必定
【沼の平(後方は猿崖)】
沼の平からわずかに下れりば標高780mにて小三本沢が支流,安沢出会いに至れり.
ここにて夏道とも分けざれば安沢を進むなり.
出会いが先の安沢を眺めるば,いくつか沢身が出ていれど腐れし春の雪なればいささかも不都合なし.
右岸側をそろりそろりと進むべし.
【安沢の核心部】
こここそ核心なり.
ここを越すなれば,もとよりこの先難しきところなし.
暫し広い沢床をゆったり進むことこの上なし.
されども雪の様によらずんば両岸迫りくる沢床故,雪崩リスク大いにあること肝に命ぜらんこと忘れるべからず.
【安沢】
標高900m付近で安沢とも別れり南側支沢にて登りけり.
息も絶え絶えようやく1135m鞍部に至れり.
【安沢を離れ,支沢を詰める.】
ここより,にわかに景色ひらけし遥かに矢筈岳もその姿を現すべし.
川内の山々その白き峰々を眺めしも山頂までいと遠きこと悲しきかな.
【標高1135m鞍部から青里岳(左奥)と矢筈岳(右奥)】
ここに至れば,もはや急登は無かりけり.
されども体調すぐれず,いと辛きことこの上なし.
10歩進みて暫し休みけり.
【標高1380m付近から山頂方向】
大きなブナの林,標高1300m付近までなり.
山頂見えずともその白き頂,常時前方にありけり.
目標物なき白き斜面は,登れどものぼれども変わりなし.
両足,攣りそうになれども,だましだまし一歩一歩登りけり.
右手に守門岳が見え始めれば山頂近づきこと自明の理.
なんとか気合で山頂に至れば入広瀬側から来たれり若者一人のみ.
【山頂】
風少々強きことあり腹は減りしも風無き所まで下るなり.
雪面でこぼこなれどもストップ雪無きは,いと嬉し.
疲れし足なれど滑りは,また楽しけり.
途中,避難小屋を探せしも見つけること叶わず.
標高1400m付近で後続の2人と接近せり.
疲れしも気合で転ばなきよう涼しき顔して滑るなり.
風無き標高1300m付近にて前回も昼を食せしところに至れり昼の憩いに突入す.
お湯を沸かしつカップラーメン注ぎしも,ザックを枕にマットに寝転ぶうちにいつの間にやら寝入ること我知らず.
【昼寝の図】
のんびりと疲れを癒せしも帰る時やがて来たれり.
標高1150m付近までは緩やかな広大な斜面続くなりけれど視界があれば迷うことなし.
しかれども登りで一ところだけ付けたる赤テープ回収怠ること反省深し.
安沢にて登りと異なる支沢を滑りたる.
このあたりまでは雪も白く奇麗なりけり.
【沼の平】
いつしか安沢から登り返しを交えつ来たれりルートにて沼の平から小三本沢渡渉点に至れりば登山者2名が渡渉場所を探すことなり.
渡渉場所を示しつ対岸に渡れしも,およそ標高差70m最後の登り返しが待つことなり.
山神の杉まで登り返さざる者帰り付けないこと世の常なり.
気合で登り返すべし.
【熊の足跡】
山神の杉近くに至れば熊の足跡あり.
爪の跡まで分かるほど新しきものなり.
その姿,近くにて見てみたい気もすれど尻を咬まれなきよう気を付けるべし.
山神の杉からトラバースを越え,デブリの少なき斜面を選びし登りの沢に至れり.
国道289号線近くの堰堤まで右岸側から進入すべくルートを探すなり.
右岸側斜面もわずかに雪繋がりしところあり,登りに使いしスノーブリッジ渡ることなし.
案の定,件のスノーブリッジ次の写真のごとし.
渡れし愚か者,冷たき水の流れに洗われること必定なり.
されど左岸側より来たりなば,およそ間違いなくここを渡る我なり,阿呆なりける.
【堰堤下のスノーブリッジ】
帰りし国道289号線,行きにて二か所の雪切れもいつしか6か所の雪切れなり.
春の雪解けあたりはばからず.
ようやく入叶津の若草色なる橋見えしこと長き旅もついに終わりなりけり.
久方の山旅,精尽き根果て諸行無常の鐘が鳴るなり.
--------- : 登り
--------- : 下り