月山:清川行人小屋(テレマーク・山スキー)

個人山行
【日時】201454日・5
【メンバー】悠峰山スキー突撃隊2
【天候】 快晴/曇り
【山域】 月山
【地形図】 湯殿山,月山
【実録時間】 月山リフト終点(標高1510m10:51 − 牛首(標高1720m11:30    月山山頂(標高1980m12:38    清川行人小屋(標高1365m13:27 − 1628 m標高点付近 14:21 − 清川行人小屋15:14) − 清川行人小屋6:39 − 月山山頂8:22 − 姥沢9:10 − 志津(標高705m9:46


今シーズン最後の出撃は月山である.月山は信仰の山である.数々の煩悩を乗り越え月山は清川行人小屋を目指す.

志津に車を置き,09:06発の姥沢行きのバス(500円)に乗る.同じ時間に3台運行されていて,楽に座ることができる.

姥沢からは月山スキー場まで雪上車でスキーだけを無料で運んでくれる.無料であればもちろんのことお願いをするメンバー二人である.

月山スキー場のリフトに乗れば,既にそこは標高1510mの高さである.

ここから登山が始まる.続々と登山者が山頂を目指して歩きだす.

とりあえず皆,標高1720mの鞍部となっている牛首を目指す.

姥ケ岳から続く尾根を歩く人が多い.ここは最も無駄のないルートである夏道なりをトラバース気味に進む.


【牛首(左鞍部)】

たいていの登山者は牛首で休む.我々もここで昼飯を食べ,すぐに始まる急登に備える.

いつもより,雪の付きが少ないようだ.スキーを担いで登る人,シールで登る人,逆立ちで登る人(そんな人はいません.)さまざまに登っている.ここは,雪が切れるところまでシールで登る.


【エビノシッポ】

いつもは,鍛冶小屋跡までシールで登るが,本日は標高1840m付近で雪が切れていて,そこから一旦板を脱いで,標高差で20mほど担いで登る,

再びシールで鍛冶小屋跡まで登ると,後は山頂付近までザックに板を付けて夏道なりに登る.風がいつものようにそれなりに吹きつけている.

ハイマツや雪面にはエビノシッポができている.きっとこの夜は,かなり厳しい気象状態だったようだ.


【山頂】

山頂に至ると,大勢の登山者が休んでいる.場所によっては以外にも風が無く,ゆっくりと休むことができる.

板からシールを外し,いよいよお楽しみの滑走である.

まずは大雪城を滑る.意外とよく滑る雪で,スピードが出る.心の準備ができていなくてなんちゃってテレーマークでは太刀打ちできず,アルペンターンとなってしまう.

白い大雪面が広がっていて気が付かないが,見た目よりも角度があるのである.それでも少し滑ると,なんちゃってテレマークでもそれなりに楽しく滑られるようになる.これまでで,一番滑りやすい雪である.


【大雪城】

そのまま突撃したくなるが,もったいないのでところどころで止まって写真やビデオを撮りながら滑る.

標高1700m付近から本日の目的地である清川行人小屋が見えてくる.このあたりで前日に付けたと思われるスキーのトレースが現れる.山頂までは下手なスキー場よりも大勢のスキーヤーがいるが,こちらは本日我々二人だけの斜面である.


【小屋(写真右)を目指して滑る.】

前日のトレースと同じように,1628m標高点下の急斜面下までトラバース気味に滑り,後は小屋を目指してまっすぐに落ちる.


【小屋上部の雪庇】

ゆっくりと楽しみながら滑ってきても,小屋まではあっという間である.

先客はおらず,我々が本日の一番乗りだ.


【清川行人小屋】


【小屋の水場】

小屋脇の水場は,いつものようにしっかりと出ている.

時間も早いので,ザックを小屋に置いてビールだけを持って小屋の上部の急斜面にある1628m標高点まで登り返す.

シールは付けずにそのままスキーで登る.隊長は担いで登る.さすがである.

シュルントを避けながら大きくジグを切って登る.隊長はそのまま直登する.

1628m標高点付近にはハイマツと岩が出ていて,風を避けられるところで乾杯の儀をつつがなく執り行う.


【フィルムクラストのパリパリ雪面】

標高1610m付近を概ね北側にトラバースし,本日滑ったトレースを越したところから小屋に向かって違う尾根を滑る.パリパリのフィルムクラストの雪面を滑る.最高である.斜面が夕方の斜光に照らされて銀色に光り輝いている.

標高1700m下の斜面:3D


清川行人小屋

小屋向かいの斜面には大きなシュルントができている.それをかわして滑り下りると小屋の下である.



標高1400m付近


清川行人小屋:3D

結局本日の宿泊客は我々だけのようだ.

夜に備えて一夜分の薪作りをする.

長い夜も薪ストーブの世話をしているうちにいつの間にか更けていく.


薪ストーブ



【小屋内部】

夜中も薪を絶やさず,(ほとんど隊長)ストーブ脇で寝る.

4時過ぎには起床し,7時前には出発する.

天気予報では午後から雨が降り出すとのことなので早いのである.というよりも年寄りは朝早いのである.自然と早立ちとなるのである.

山頂でスキーをザックに付け,昨日板を外したところまでつぼ足で下る.さすがにまだ登ってくる人とは出会わないが,牛首付近に1名見える.


【牛首上部:標高1840m付近(ここから滑走)】

牛首下までの雪はガリガリな上につぼ足の跡でぼこぼこになっていて全く楽しめない.ここは安全に高度を下げるだけの滑りとなる.


【牛首下の斜面】

牛首を過ぎるとようやく雪も緩み,スキーのトレースだけとなって快適に滑りを楽しめるようになる.登山者を右上に見ながら夏道付近を滑る.

月山スキー場のリフト上には行かず,その下の斜面を延々とトラバースする.腿にくるところである.

標高1260m付近で西に尾根を乗り越し姥沢小屋手前に出て,姥沢に至る.


【姥沢のスキー運搬雪上車】

ここからは駐車場脇を通ってロープが張られた切り開きを滑って志津に向かう.

ここまではずーっとオープンスロープであるが,ここからは林間スキーが始まる.ただし,ゲレンデ斜面のようになっていて少々興ざめではあるが,変化があって意外に楽しい.



【赤見堂岳(右奥)と石見堂岳(中央奥):3D


【志津付近のブナ:3D

ブナの林を縫うように滑って,五色沼が見えると志津である.山頂から標高差約1300m近く.なかなかである.


【志津(標高740m)】

大井沢温泉で汗を流し,そばを食べて帰る道中から雨が降り出す.作戦通り(単に年寄りの習性によって)雨に降られる前に下山することができた.

今シーズン最後の山も十分楽しむことができた.一人ではとても行く元気はなかったが,これも仲間のおかげである.感謝!


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