博士山(琵琶首ルート)

個人山行(なんちゃってテレマーク)

【日時】201512日(金)

【メンバー】MOza1(悠峰山の会山スキー突撃隊)

【天候】 小雪

【山域】 会津

【地形図】 博士山

【実録時間】 琵琶首(標高660m)8:24 − 標高755m8:58    標高900m 林道9:58    標高1170m林道11:34    標高1330m12:18 <昼の憩> 13:59 − 標高810m15:01    琵琶首15:09


本年最初の山は,昨年に引き続き博士山である.

「暖冬である.」との気象庁1級天気占い士の長期占いが早くもはずれ,今シーズンの山は概ね雪の心配をしなくても良さそうだ.

そこで,特に博士山でなくても構わなかったが,隊員の出撃地の都合から新潟と転戦先の概ね中間地点の会津坂下インターを終結場所とすると,これは,年始の山として会津の博士山がふさわしいのである.

12月初めの大雪で,羹に懲りた天気占い士は,元旦から平野部でも大変な大雪になると吹きまくっていたが,平野部どころか山方面もさほど降らず,予定通り進撃と相成る.

今回は,久しぶりに琵琶首の先の昭和村となる大岐沢から登ろうと予定していたが,昨年と同様,駐車スペースが無い.

仕方なく,ガイドブック(東北山スキー100コースほか)にある,琵琶首の下平の祠から取り付く.


【取り付き】


先発隊は,今年もいない.

ここから,取り付いているパーティーを以前はよく見かけたが,最近は登られていないのだろうか.

もっとも,ガイドブック等のコースは,藪の急登が続き,滑りも楽しめないので二度と登るまいと思っているくらいなので,それが,ネットで広がったのであろうか.

そんなことは,どうでも良いが早速取り付きからひざ下ラッセルである.

初めは,田んぼと思われる農道を道なりに歩く.

この雪の深さでは,田んぼの段を超えてショートカットはできない.


【鹿沢にかかる橋:標高760m


鹿沢にかかる橋を渡る.

ここまでに,30分以上かかっている.

この数日で,新しい雪が60cm以上は更に積もったようだ.

小雪が降っているが,ここでは風が無いので,少々暑い.


【雪の状態:スキートップを出すように意識しないと潜ってしまう.】

鹿沢南側の尾根に取り付く前に,鹿沢に沿って道型が何となく続いているので,そのままそれに沿って鹿沢を詰めていく.


【田んぼを抜けた尾根への取り付き:標高765m付近】


道型は更に奥に続いているが,適当なところで尾根に乗るために,杉林の急登に取り付く.

ようやく本格的な登りである.

杉林の中も雪は柔らかく,それなりに潜る.


【杉林の急登:標高830m付近】


杉林を抜けると,灌木の緩い尾根に出る.

それもすぐに終わり,杉林と灌木のへりを縫って更に登る.

角度があるところでは,ひざ上まで潜る.

久々のラッセルである.

新調した太ウロコ板のトップが固いので,太い割にはラッセル向きではないようだ.

終始,トップが雪の上に出るように意識しないといけない.


【杉林を抜けた標高840m付近の尾根】


結構な杉林を抜けると最初の林道に出る.

普通はそのままショートカットして行くが,今日のラッセルでは辛そうなので,林道なりに大回りする.

ここまでの標高差わずか240mに,もう1時間半もかかっている.


【林道:標高900m付近】


さらに杉林のへりを登る.

次第に尾根っぽくなってくる.

北寄りの風も吹いている.

風によってできる段差が,更にラッセルをきつくする.


【標高930m付近の大きなナラ: 3D


雪もふわふわ雪から,風でパックされた締まり雪が現れる.

少しはラッセルが楽になるかなと期待したが,風による段差でかえってきつい.



【締まり雪の状態】



【標高970m付近】


標高1050m付近になって,ようやく杉林が下になる.

傾斜も緩み,ブナが優勢な広い斜面となる.

ようやくブナの林である.

突然,一瞬であるが日が差す.

古い赤布が揺れている.


【標高1100m付近:3D


風による段差をかわしながら,高度を稼ぐ.

雪は再びふわふわ雪で,ひざ下まで潜るようになる.

ブナの木が少なくなって,わずかに傾斜が緩むと標高1170mで最後の林道に出る.

ここまでに,なんと3時間以上かかっている.

年寄りに3時間以上の行動は,向いていないのである.



【標高1175m付近の林道】


ここから,しばらくは緩い傾斜に灌木が続くのであるが,もはや灌木ではなくて,それなりの林に育っている.

以前よりも木の間隔が広がったような気がする.


【黄金沢北側の尾根】


がんばって,せめて1444mピークと1476mピークの鞍部の尾根までと頑張ったが時間切れである.

というよりも体力の限界である.

それもあるが,腹も減った.

その上,なぜか今年も年が明けて歳も取った.

腹も減り,体力も限界で,おまけに年寄りであるが,昼の憩いのためにテント設営を省くことはできない.


【昼の憩い:3D


昼の憩いも無事終了し,いよいよ,滑りであるが,何も語ることは無い.

登るときに薄々気付いてはいた.

雪はいいが,角度が足りない.

この雪の深さでは,下りもラッセルである.

悲しいことに太ウロコ板でも下りラッセルだ.

杉林の中が何とか滑られたくらいで,あとはひたすらトレースを辿るだけである.


【標高1100m付近】



【標高1080m付近】



【標高760mの橋】


年始の山として,目的とする1476mピークに立つことはできなかった.

とても,滑ったとは言えなかった.

青空ではなかった.

快晴ではなかった.

無風でもなかった.

歳も取った.

それでも,今年も山に行けた.

雪の上を歩けた.

白い粉の上を歩けた.

新雪を踏みしめた.

ブナの林も歩けた.

こんなに幸せなことは無い.




  おまけ

昨年の柳津「粟まんじゅう」疑惑の続きである.

昨年の正月,博士山の帰りに災難に「あわ」ないという願いを込めて作られた柳津名物「粟まんじゅう」なのに,ある店で肝心の「粟」を使っていない「日本一のあわまんじゅう」を知らずに買ってしまったという災難に遭ってしまった.

「粟」を使っていないから災難にあわ「無い」.

なるほど!それで日本一のあわまんじゅうなのか.

ん〜,なんか違うような気がするぞ.

その辺の大福でも普通「粟」を使って無いぞ!

などと,昨年のことを思い出しつつ,いつもの「岩井屋」が復活したか,確認のために性懲りもなく柳津に立ち寄る.

残念ながら岩井屋は駐車場になったままだ.

せっかくなので,いつもは素通りする行列のできる店で買うことにする.

本日も長い行列が,店の外に続いている.

ようやく,車を駐車場に停めて行列に加わる.

行列は遅々として進まない.

どうも,所有権移転手続きに時間を要するシステムのようだ.

注文を聞いてから,一つひとつまんじゅうを包んで箱に入れている.

出来合いの「最中」を買う人も行列に並んで待つことになる.

10個入り,又は15個入り等の箱売りをしているのだから,あらかじめ用意しておきなさい.

小雪舞う外に並ばせたお客用にサービスの出来立てまんじゅうを作っている暇があったら,せっせと粟まんじゅうを作って包装していなさい.

でも,そうするといつもの行列ができないような気がするが.

結局,昨年に引き続き隊員2名が粟まんじゅうと最中を入手するのに20分以上を要したのであった.

みなさんも,災難に遭わないに気を付けよう.