守門山系P1099m峰(その山は滑れるかNo.24)
個人山行(なんちゃってテレマーク)
【日時】2015年1月12日(月)
【メンバー】Y,M,T(悠峰山の会山スキー突撃隊)
【天候】 小雪
【山域】 守門
【地形図】 守門岳
【実録時間】浅草大橋先(標高500m)08:38 − P1099m峰11:30 − 標高1085m付近11:45 <昼の憩い> 12:58 − 浅草大橋先 13:47
先週の博士山は雪質は良かったが雪の深さに傾斜が足らず,ほとんど下りラッセルであった.
今週は,滑りたい.
昨年末の守門山系P1080m峰の白い粉滑りに味をしめ,P1080m峰のすぐ隣のP1099m峰に突撃である.
P1099m峰は,2年前の残雪期に登っている.
広い台地状のピークとタモ沢付近の急斜面が印象に残っている.
それなりに傾斜があるので,雪崩のリスクがなければ深雪期でも先週の博士山と違って滑りも楽しめるだろう.
早朝,自宅を出発すると高速道にも数センチの雪が積もっている.
長岡から栃尾へ抜ける県道は,真っ白な圧雪である.
待ち合わせの浅草山荘先の橋近くの雪捨て場のスペースには,10分以上遅刻をしてしまった.
前回は,何とか2台分の駐車スペースがあったが,本日は1台分しかない.
そこで,もう一台は大地の自然館駐車スペースに移動することにする.
小雪舞う中,身支度をして出発する.
破間川にかかる橋を渡って,まずは林道なりに歩くが,雪が深くひざ下まで沈む.
博士山と違い,米どころ越後の雪は心なしか粘り気があるようだ.
林道歩きから,既に本格的な登りである.
2年前は,タモ沢を途中まで詰めて右岸側の尾根に取り付いた.
降雪期は,雪崩を避けなければならない.
本日は初めから右岸側尾根を登るつもりだ.
その尾根を目指して開墾地と思われる切り開きを進むが,ちょっとした段差を登るのさえ,ちょっとした労力を要するラッセルが続く.
【タモ沢右岸尾根を目指す.】
この辺は,角度がない.
下りもラッセルだろう.
林の中に入れば,雪も軽くなるだろう.
適当に交代しながらラッセルを続ける.
【タモ沢右岸尾根】
標高600m付近からほっそりとしたブナなどの林に入る.
雪はそれほど変わりがない.
博士山に引き続き,ひざ下ラッセルである.
次第に傾斜が増してゆく.
ようやくこの深さの雪でも滑られそうな角度になる.
ラッセルはきついが,帰りの滑りが楽しみだ.
【標高650m付近:3D】
2週前のP1080m峰と較べると,多少緩やかな斜面だ.
変化も適当にある.
登るにつれ,立派なブナが現れる.
木の間隔も広くなる.
ときおり,遠くには青空も見えるが,終始小雪が舞っている.
それほど,風が無いので厳しくは無い.
雪も多少軽くなったような気がする.
帰りの滑りが楽しみだ.
【標高820m付近】
標高700mを越すくらいからP1080m峰と同じくらいの急な斜面が標高差で100mほど続く.
がんばりどころである.
このくらい傾斜があれば,この深雪でも十分楽しく滑ることができる.
帰りの滑りが楽しみだ.
【標高820m付近】
標高800m付近から傾斜が急に緩くなり,タモ沢源頭となる842m標高点がある東側の小尾根に出る.
小雪も舞い,風も多少ある.
歩いていないと体が冷える.
休憩もそこそこ,更に登る.
【奥は842m標高点尾根】
ここから,方向を尾根なりに北西に向きを変えて登る.
しばらくは,灌木の間を縫うように登る.
ガスが出てきて,景色を幻想的なものにする.
【標高900m付近】
もう急な斜面は無い.
ラッセルも15cm程度となる.
雪は風によって締まっているが,さすがに軽くなったようだ.
帰りの滑りが楽しみだ.
【標高970m付近】
842m標高点のある尾根と合わさるところから,再び尾根が明瞭となり,やや急な斜面となる.
残雪期には滑られるところが限られて狭かった記憶があるが,今の時期はどこでも滑られそうで,そんな印象は無い.
帰りの滑りが楽しみだ.
【標高1030m台地】
地形図では表現されていない,小ピークを巻いて標高1030mの開けた台地に一旦出る.
ここで,一応赤テープを目印に付けて行く.
前方には,目的地1099m標高点のある台地のへりに広がるブナの林が見えている.
最後の灌木帯を登ると,先ほど見えていたブナの林が広がっている.
それまでの灌木帯から,それなりのブナの林となる.
【P1099m台地のへりに広がるブナ林:3D】
傾斜がほとんどなくなると,本日の目的地P1099m標高点のある広大な台地の一角である.
軽飛行機なら着陸できそうである.
北側のへりにも立派なブナの林が広がっている.
【1099m標高点台地:3D】
【1085m付近】
1099m標高点台地は少々風があるので,少し戻ったところで昼の憩いとする.
吹きすさぶ雪の中でも,テントに入ればぬくぬくである.
ぬくぬくではあるが,いつまでもそうはしていられない.
いつまでも甘えてはいられない.
人生には決断する時が来るのである.
今がその時である.
【霧氷が付いたブナ】
ずっと小雪が舞っていると思って外に出てみると,なんと薄日が差している.
霧氷の咲いたブナの林を更に印象深いものにしている.
我々のトレースには,5cmほどの新しい雪が更に積もっている.
もう忘れているかもしれないが,我々には残された事業がある.
楽しみにしていた帰りのスキーである.
満を持して出撃である.
スキーをセットして滑りだす.
初めこそ角度が無いので,トレースなりに滑ることになるが,赤テープを回収した先の斜面からは,もうパラダイスである.
スキーも良く滑る.
どこでも滑り放題である.
あっという間にタモ沢へ至る小尾根に出る.
ここには,ちょうど地形図の広葉樹記号のところに良い目印となる立派なブナがある.
【小尾根の地形図記号ブナ】
登るときに右手に見えるタモ沢に至るオープンスロープは,実に魅力的である.
登った尾根を滑るつもりだったが,その上に立つともう誘惑には勝てない.
人生には決断しなければいけない時がある.
今もその時である.
下は見えないが,そのままタモ沢に突撃である.
【タモ沢への斜面】
白い粉が舞います.
頭の中にも何かが舞います.
たまりませ〜ん!
標高差150mほどで,タモ沢に出る.
あっという間の一滑りである.
【標高750m付近】
ビデオカメラを手に持って,更にタモ沢を滑る.
後で撮影したものを見ると,次々とレンズに着く白い粉しか写っていない.
そのタモ沢も標高650m付近から傾斜が次第に緩んでくる.
調子に乗らずに,適当なところで登った尾根に戻るべきであった.
そのまま滑り続けるべきであった.
停まるべきではなかった.
一旦停まるともはや滑らない.
この角度でも滑らない.
越後もち雪である.
博士山に続き,下りラッセルである.
【標高650m付近のタモ沢】
息も絶え絶え,標高550m付近の開墾地でようやく登りトレースに合流し,下りラッセルから解放される.
ここは深雪ノートラックオープン急斜面の誘惑に打ち勝って,楽しい林間滑降を選択すべきであった.
我々は深く反省しなければならない.
深く反省しつつも,これまた性懲りもなく下りラッセルを繰り返す突撃隊約3名なのである.
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